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ジベルばら色粃糠疹 (pityriasis rosea (Gilbert) ・主として10〜40歳代に生じ、休幹を中心に爪甲大の淡紅色丘疹や紅斑が多発、散在する皮膚疾患である。 ・痒みなどの自覚症状は軽度、あるいはないことが多い。 ・通常は頭頚部や四肢末梢部には紅斑は生じず、発熱や臓器障害などの全身症状も伴わないが、感冒様症状が先行する例がある。 ・半数以上の症例で、他の皮疹よりやや大型(直径2〜5cm)の「ヘラルドパッチ]と呼ばれる初発疹 を生じる。 ヘラルドパッチは主に休幹に生じ、境界明瞭な類円型紅斑を縁取るように周囲に細かい鱗屑を伴う。 ヘラルドパッチの出現から1〜2週間後に続発疹である播種性の淡紅色丘疹が出現し、急速に爪甲大にまで拡大する。 続発疹の新生は数週間続き、患者はこの時点で受診することが多い。 ・ジベルばら色粗糖疹の原因は明らになっていないが、ヒトヘルペスウイルス(HHV-6、HHV-7)やH1N1型インフルエンザウイルス感染との関連が示唆されている。 また、まれにペニシラミン、金製剤、カプトプリル、メトロニダゾールなどの薬剤の内服によって 本症類似の皮疹を生じることがあり、非典型例では服薬歴の聴き取りが重要となる。 ・本症の皮疹は1〜2ヵ月の経過で自然寛解する。 寛解後、病変部の色素沈着や色素消失はほとんどないか、あっても軽度で再発はまれである。 特徴的な経過をたどることや、皮疹の分布などから、典型例は容易に診断できる。 しかし痛痛感が強い、持続期間が長い、非特異的な皮疹が目立つといった場合は薬疹、類乾癬、第2期梅毒などとの鑑別が必要となり、皮膚科専門医への紹介も考慮する。 特に第2期梅毒は、本症例と同様に皮疹が自然消退するため、注意が必要である。 ・鑑別の際は臨床経過に加え、病理組織学的所見が参考になる。 ジベルばら色粃糠疹の病理組織像では、表皮に部分的な海綿状態、錯角化か見られる。 さらに真皮浅層の血管周囲性のリンパ球主体の炎症細胞浸潤、赤血球の血管外漏出なども確 認できる。 ・自覚症状の乏しい症例では治療は不要だが、炎症症状や掻痒感が強い場合は抗ヒスタミン薬の内 服やstrongクラス程度のステロイド外用で対処する。 しかし必ずしも罹病期間の短縮に有効というわけではない。 <診断のポイント> 急速に体幹に拡がる自党症状のない皮疹では、本症も鑑別を。 出典 Nikkei Medical 2012.2 参考 ジベルバラ色粃糠疹 http://www.mirai.ne.jp/~seisinc5/giberu.htm ジベルバラ色粃糠疹の症状と原因 http://health.goo.ne.jp/medical/10O80700 淡いばら色の斑点に注意!ジベルばら色粃糠疹 http://www.skincare-univ.com/article/003620/ ジベルばら色粃糠疹 http://www.jocd.org/disease/disease_18.html ■
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by wellfrog4
| 2015-05-25 19:26
| 皮膚科
足裏のイボの治療法 足裏のイボ(足底疣贅)は多くの人が生涯に1度は経験するようなありふれた病気だ。 英York大学のSarah Cockayne氏らは、最も広く用いられている液体窒素による凍結療法とサリチル酸の局所適用の治療効果を比較する無作為化試験を実施し、これらの治療法の臨床的な有効性には差がないことを明らかにした。 論文は、BMJ誌2011年6月18日号に掲載された。 凍結療法とサリチル酸療法の有効性を比較した研究はこれまでにも行われていたが、臨床判断をサポートするような質の高い研究はなかった。 そこで著者らは、オープンラベルの多施設無作為化試験を実施した。 06年11月から10年1月まで、イングランド、スコットランド、アイルランドの13施設(大学付属の足病学クリニック、NHSの足病学クリニック、プライマリケア施設)で、凍結療法とサリチル酸療法の双方が適用可能と判断された12歳以上の足底疣贅患者を登録し、117人(平均年齢は30.1歳、中央値は24.3歳)を凍結療法に、123人(30.2歳、23.2歳)をサリチル酸療法に割り付けた。 凍結療法に割り付けられた患者は、担当医が液体窒素を患部に押し当てる治療またはスプレータイプの液体窒素を患部に噴霧する治療を2〜3週おきに最高4回受けた。 サリチル酸療法の患者は、患者自身が50%サリチル酸軟膏を毎日患部に塗布(片面が粘着性のリングをイボが中心に位置するように貼り、中央部に軟膏を塗布し、上から絆創膏でシール)する治療を8週間継続した。 主要アウトカム評価指標は、12週時のすべてのイボの完全消失に設定し、intention-to-treatで分析した。 凍結療法群は平均18.3日間隔で3.6回の治療を受けていた。 サリチル酸群の患者は、最初の1週間は平均6.3日、3週目は5.4日、サリチル酸を患部に塗布していた。 主要アウトカム評価指標において両群間に有意差はなかった。 12週時にすべてのイボが完全消失していた患者は、両群とも14%で、差は0.65%(95%信頼区間-8.33から9.63%、P=0.89)だった。 12週時にすべてのイボを完全に消失させる効果について、年齢、患部の治療歴の有無、イボの種類(モザイク尤贅かどうかなど)で調整してロジスティック回帰分析を行ったが、両群の効果に差はなかった。 サリチル酸と比較した液体窒素のオッズ比は0.96(0.44-2.11、P=0.92)だった。 6カ月時の自己申告によるイボ消失率にも差はなかった。 サリチル酸群31%、液体窒素群34%で、両群の差は-3.15%(-16.31から10.02%、P=0.64)。調整オッズ比は1.17(0.62-2.21、P=0.62)で、やはり有意な差を示さなかった。 イボ消失までの時間も、調整ハザード比0.80(0.51-1.25、P=0.33)で、差は有意にならなかった。 12週時の残存するイボの数にも差はなかった(P=0.62)。 治療に対する患者の満足度は、5段階(大いに満足/満足/普通/不満/大いに不満)から本人が選ぶ方法で、治療開始から1週間後、3週間後、12週間後に評価した。 「大いに満足」と回答した患者はどの評価時点でも凍結療法の方が多かった。 「大いに不満」と回答した患者は、1週と3週の時点では凍結療法の方が多かったが、12週目にはサリチル酸の方が多くなっていた。 治療関連の有害事象は凍結療法群の2人に発生。予想より大きな水疱が生じていた。 得られた結果は、凍結療法とサリチル酸療法の有効性は同等であることを示した。 ただし、コストは凍結療法の方が高かったため、著者らはサリチル酸療法が好ましいとの考えを示している。 出典 NM online 2011.6.24 版権 日経BP社 <私的コメント> こういった疾患にも、治療法に関して科学的アプローチをするアングロサクソン系のすごさを感じます。 当院は内科ですが、実は足のイボやウオノメの治療を患者さんの希望で行っています。 現在も二人がサリチル酸療法(当院ではメスで削る治療と併用)で週1〜2回通院中です。 どういうわけか、小児(兄弟でウオノメの治療をしたこともあります)では男女差はないのですが、成人例はすべて女性で男性例の経験がありません。 どういった事情があるのでしょうか。 読んでいただいて有り難うございます。 コメントをお待ちしています。 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 「葦の髄」メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (「葦の髄から循環器の世界をのぞく」のイラスト版) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/ 「井蛙」内科メモ帖 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科関係の専門的な内容) ■
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by wellfrog4
| 2011-07-02 00:28
| 皮膚科
帝京大学皮膚科・渡辺晋一教授が足白癬について解説された記事で勉強しました。 皮膚真菌症の診断・治療~足白癬を中心に 新患患者の12%を占める 皮膚組織に生ずる真菌感染症の感染部位で,最も頻度が高いのが角質層です。 その代表的な疾患が白癬,皮膚カンジダ症,癜風の3つです。 日本医真菌学会の調査によると,皮膚真菌症は皮膚科の新患患者の12%を占めます。 そして,皮膚真菌症の内訳を見ると,白癬が89%と最も多く,次いでカンジダ症8%,癜風3%と,大部分が表在性皮膚真菌症で,深在性皮膚真菌症は0.1%にすぎません。 この比率は最近10年間では大きな変化はありません。癜風患者は徐々に減少しつつあります。 白癬について見ると,60%が足白癬,27%が爪白癬ですので,足に生ずる白癬患者は皮膚科新患患者の1割近くを占めることになります。 次いで,体部白癬6%,股部白癬4%,手白癬3%です。 この比率も最近では大きな変化はありませんが,爪白癬の増加,体部白癬のやや減少,股部白癬の減少が見られます。 一方,手白癬の頻度はほとんど変化がありません。また,全体として罹患年齢の高齢化が認められます。 一般に,足白癬患者の足からはがれ落ちた鱗屑内には白癬菌が存在します。 この鱗屑は家庭内の畳,床,じゅうたんにまき散らされ,特にスリッパや風呂場の足ふきマットには高率に白癬菌が存在します。 白癬菌は鱗屑内で長期間生存しているので,足白癬の感染源になります。 風呂上がりの足はぬれているため,鱗屑は足に付着しやすくなります。 フィットネスクラブでのデータはありませんが,温泉場や銭湯などの足ふきマットからは,ほぼ100%白癬菌が分離されます。 大勢の人が素足で利用する施設では,白癬菌が分離されない方が極めてまれです。 直接鏡検により診断を確定 皮膚真菌症はそれぞれ特徴的な臨床像を示すため,臨床所見からある程度の診断が可能ですが,病変部から真菌を培養しない限り確定診断を下すことはできません。 しかし,皮膚真菌症の99%以上を占める表在性皮膚真菌症は,真菌が角質層または毛や爪に存在するため,直接鏡検により,培養結果を待たずして診断を確定することができます(図1)。 ![]() 小水疱型足白癬は水疱蓋を検査材料にするとよく,1回の検査で陰性の場合は足白癬を否定できます。 趾間型足白癬は病変辺縁の角質層で,皮膚から遊離していないものの採取が望ましいです。 また,趾間型では,真菌を見つけづらいですが,検査を2~3回行っても真菌を検出できない場合は足白癬を否定してよいです。 それでも,診断に自信が持てない場合は,外用ステロイド薬を処方した上で1~2週間後に再検査を行います。足白癬であれば真菌が増えているので,真菌の発見が容易になるからです。 角質増殖型足白癬では,皺壁に沿った角質層が検査材料に良いとされています。 次に,爪白癬では爪甲表面に真菌が直接侵入する表在性白色爪真菌症の場合,爪表面の白濁部を採取して直接鏡検すれば真菌を発見できます。 ただし,菌系ではなく胞子のみが確認できる場合もあるので注意します。 爪甲下角質増殖が認められる通常の爪白癬では,真菌は皮膚から侵入し,爪の下,つまり爪床に沿って移動します。 新鮮な真菌は水分量が多い爪の深部に向かいますが,爪が伸びるので,爪の表面や先端部に真菌は二次的に移行します。 そのため,爪甲下角質増殖を来し,爪甲下がぼろぼろします。 爪甲下角質増殖部位が崩壊すると爪甲剥離となります。 したがって,初期の爪白癬では爪の先端や爪表面から真菌を発見できないことが多いです。 そこで,検査材料の採取部位は皮膚に近い深部の爪病変の基部(爪の根元)が望ましいです。 ニッパ型の爪切りで病爪部分を除去し,その下の爪床部を採取するとよいです(図2)。 ![]() また,直接鏡検そのものの注意事項としては,角質細胞がまだ溶けていないと,角質細胞間の脂肪滴や空隙が菌要素のように見えることがあります。 これはモザイク菌と呼ばれ,真菌ではなく人工産物です。 十分な時間を置いて角質細胞が溶けるのを待ち,検体を押しつぶしてから鏡検を行えばモザイク菌は消失します。 モザイク菌は,角質層を取り囲むように亀の甲状に見え,その太さも均一でないことから真菌とは鑑別できます。 また,皮膚採取時に真皮まで取ってしまうと,真皮の線維部分の混在で菌が見えにくく,線維成分を真菌と間違えることがあります。 外用または経口抗真菌薬を使用 皮膚真菌症では,外用抗真菌薬が第一選択薬です。皮膚真菌症の99%以上が浅在性であること,大部分の真菌が角質層に存在すること,最小発育阻止濃度(MIC)が十分に高く,有効な薬剤が多数存在するからです。 股部白癬や体部白癬では外用抗真菌薬を2週間程度外用すると,治癒します。 足白癬でも2週間程度の外用で角質層内の真菌はかなり減少するので,痒みなどの自覚症状や炎症症状は消失することが多いのですが,2週間程度の外用では真菌は消失せずに残っています。 そのため,自覚症状がなくなった時点で治療を中止すると,足白癬の再発が見られます。 最低1カ月間は塗り続けることが必要です。 しかし,真菌が爪や毛に寄生した場合や角質増殖型の病変の場合は,経口抗真菌薬が第一選択薬となります。 近年,経口抗真菌薬のトリアゾール系のイトラコナゾール(ITCZ)やアリルアミン系のテルビナフィン(TBF)が臨床で使用されています。 欧米ではITCZ 400mg/日の内服を1週間行い,その後3週間の休薬を繰り返すパルス療法が標準的に行われています。 わが国でも,2004年に爪白癬に限って 400mg/日のパルス療法を3回行うことが認可されました。 一方,TBFは皮膚糸状菌に強い抗菌活性を示しますが,他の真菌に対しては抗菌力がやや劣ります。 海外の爪真菌症治療のガイドラインでは,爪白癬に対してはTBF 250mg/日の3カ月内服が第一選択薬として推奨されていますが,わが国ではTBFの投与量は1日1回125mgと,欧米の半量しか認可されていません。したがって,わが国ではTBF 125mg/日を6カ月連続投与する必要があります。 ITCZ 400mg/日のパルス療法3回とTBF 125mg/日の6カ月連続投与との優劣は今のところはっきりしませんが,短期間で治療を終了させなければならない場合はITCZ,時間がかかっても治癒を優先する場合はTBFという選択肢が望ましいと考えられます。 これらの経口抗真菌薬は比較的安全ですが副作用もあるので, TBFでは定期的な血液検査が必須となっています。 また,薬剤相互作用もあります。 特にITCZでは薬剤相互作用が多いので注意が必要です。 ただ,経口抗真菌薬を投与しても爪白癬の治癒率は100%ではありません。 経口抗真菌薬で効果が得られて爪甲基部から健康な爪が伸びてきますが,中には混濁した病爪が縦に線状に残存することがあります。 このような場合は,くさび状の混濁部を機械的に除去しない限り治癒しません。 また,爪甲剥離がある場合は剥離部位をできるだけ爪切りで除去した方が早く良くなります。 治療無効の場合は診断の見直しを 通常の足白癬であれば,どの外用抗真菌薬でも有効です。 治療にもかかわらず改善が見られない場合は,足白癬でないと考えてよいです。 また,爪白癬も診断が正しければ経口抗真菌薬で必ず改善が見られるので,1~2カ月の内服治療を行っても改善が見られない場合は,爪白癬を否定してもよいです。爪の変形の半数は爪白癬ではありません。 一方,体部白癬はしばしば湿疹,頭部白癬は脂漏性皮膚炎(フケ症)と誤診され,外用ステロイド薬が使用されて悪化している患者が多いです。 悪化する場合は,白癬を考慮してください。 出典 Medical Tribune 2011.1.20 版権 メディカルトリビューン社 <参考> KOH直接鏡検法の実際 http://www.hifushinkin.jp/kisokoza/basiccourse02/bc0203.html 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 「葦の髄」メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (「葦の髄から循環器の世界をのぞく」のイラスト版) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/ 「井蛙」内科メモ帖 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科関係の専門的な内容) ■
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by wellfrog4
| 2011-02-01 00:15
| 皮膚科
気付きにくい掻痒を伴う疾患や、目立った皮膚所見がなく抗ヒスタミン薬が奏効しないタイプの掻痒症に対する、最近の治療法が書かれた記事で勉強しました。 ##原因不明のかゆみは内臓疾患も疑う かゆみの原因の多くは、蕁麻疹、虫刺症、足白癬、湿疹といった皮膚疾患であるため、かゆみを訴える患者に対しては、まずは皮疹の有無を確認するのが基本だ(図1)。 かゆみを伴う皮疹があった場合、一般医はすぐに水虫(白癬)と診断しがちだが、実は、同じ真菌症でもカンジダ症などのケースもある。 かゆみを伴う皮膚疾患の中で一般医が誤診しやすいものの代表例は、真菌症と疥癬である。 真菌症の診断には皮疹の発生部位や特徴を見極め、真菌検査を行う必要がある。 一方、疥癬は従来老人施設で流行する疾患と思われており、市中では鑑別疾患に挙げられないことが多かったが、実は一般家庭でも感染が起こるという。 また、慢性湿疹と診断・治療されている皮膚疾患の背景には、乳房外Paget病やBowen病といった前癌病変が潜んでいることも少なくない。 #原因不明のかゆみは内臓疾患や薬剤による可能性も 一方、皮疹を伴わないにもかかわらずかゆみを呈する皮膚掻痒症は、診断がつきにくいものが多い。 最も一般的である老人性皮膚掻痒症は、皮膚の乾燥が原因とみられ、特に空気が乾燥する秋から冬にかけてかゆみが強まりやすい。 老人性皮膚掻痒症に対しては、保湿剤を塗布したり、長風呂や皮膚への物理的な刺激を避けるといった生活指導、抗ヒスタミン薬の処方などを行うのが基本だ。 皮膚症状を伴わないこの他のかゆみとしては、腎不全や肝硬変、鉄欠乏貧血、HIV感染症、内臓の悪性腫瘍などにより引き起こされている可能性が考えられる。 このような疾患がかゆみを引き起こす機序は分かっていないが、かゆみを伝える神経線維や伝達物質、免疫系の異常などとの関連性が示唆されている。 また、頻度は高くないが、降圧薬や抗菌薬などの治療薬が原因で、皮膚掻痒症を引き起こしていることもある(表1)。 原因不明の掻痒症に対しては、現病歴のほか、服用中の薬の種類などを尋ねる必要がる。 #難治性のかゆみにナローバンドUVB療法 このようなかゆみは疾患に伴う症候のため、かゆみを抑制するためには原疾患の治療を行うのが基本。 一方で、最近、かゆみ自体に焦点を当てた治療法の開発も進んでいる。 かゆみを抑制する治療法の中でもここ数年、専門医の間で普及しつつあるのが、ナローバンドUVB療法だ。 同療法は紫外線による光線療法の一つで、尋常性乾癬や掌蹠膿疱症、アトピー性皮膚炎などに保険適応があるが、透析掻痒症や老人性皮膚掻痒症など皮膚所見を伴わない掻痒症に対しても有効性が報告されている。 紫外線は、波長によってUVA、UVB、UVCに分けられるが、光線療法には波長320〜400ナノメートルのUVAと、290〜320ナノメートルのUVBが使われる。 光線療法の作用機序は、特定の波長の紫外線が悪性の免疫細胞のアポトーシスを引き起こすと考えられている。 動物実験では、紫外線がかゆみを伝達する表皮内の神経線維の伸張を抑制したり、かゆみを引き起こす蛋白質の産生を抑えることなども示されており、こういった機序が関連している可能性もある。 従来より広く行われているPUVA療法(psoralen-ultraviolet A therapy)は、光感受性を高める作用があるソラレンという物質を内服もしくは皮膚表面に塗布した後、UVAを照射する方法。 一方、波長311ナノメートルのUVBが乾癬に有効であることが明らかにされたことで登場したナローバンドUVB療法は、波長311(±2)ナノメートルの狭い領域のUVBを照射する。 ソラレンの塗布や内服は必要ない。 PUVA療法は、過度の紫外線感作を避けるために、治療後に日光を浴びないようにしなければならないほか、ソラレン内服による胃腸障害などの副作用を伴う場合もある。 ナローバンドUVB療法がすべての症例でかゆみを完全に抑制できるわけではないが、副作用が少なく短時間で手軽に行えるため、普及はさらに進みそうだ。 出典 NM online 2010.3.10(一部改変) 版権 日経BP社 <番外編> #糖尿病でアルツハイマー早期発症=悪循環で進行、仕組み解明−大阪大 糖尿病がアルツハイマー病の発症を早め、アルツハイマー病が糖尿病を悪化させる−。 大阪大の森下竜一教授らの研究チームは15日までに、二つの病気が互いに影響し、悪循環を生む仕組みを解明した。 米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。 糖尿病や高血圧などの生活習慣病が、アルツハイマー病の危険性を高めることは以前から指摘されていた。 糖尿病患者の場合、アルツハイマー病の発症率は2〜4倍以上との報告もある。 研究チームは、アルツハイマー病と糖尿病を合併したマウスを用意し、プールで泳がせ実験。 アルツハイマー病のみのマウスは次第に避難場所を覚えたが、糖尿病を合併しているマウスは記憶力が悪かった。 アルツハイマー病マウスは生後3〜6カ月で記憶障害を発症するが、糖尿病を合併したマウスは約2カ月で障害が出ていた。 血糖値を下げるインスリンは、記憶力などの認知機能に重要な役割を果たしているとされるが、合併マウスでは脳内のインスリン量が減少していた。 糖尿病のみのマウスに比べ、合併マウスでは糖尿病が重症化することも分かった。 出典 時事通信 2010.3.16 版権 時事通信社 <アルツハイマー病〜糖尿病 関連サイト> アルツハイマー病は”3型糖尿病”かも?! http://www.nikkeibp.co.jp/style/secondstage/kenkou/diabetes_090427.html 糖尿病とアルツハイマー病の関係 http://plaza.rakuten.co.jp/gnetoffice/diary/200709030000/ http://medical-today.seesaa.net/article/53739289.html ■糖尿病やその「予備群」の人はアルツハイマー症になる危険性が高く、そうでない人の4.6倍にも高まることが九州大の清原裕教授(環境医学)らの研究で分かった。 ■同教授によると、脳にたまってアルツハイマー病を引き起こすとされる物質は、インスリン分解酵素によって分解される。 耐糖能異常の人はインスリンが少ない場合が多く、分解酵素も減るので、アルツハイマー病の危険性が高まるという。 <コメント> 高インスリン血症タイプの糖尿病ではどうなんでしょうか。 糖尿病者はアルツハイマーに? http://allabout.co.jp/health/diabetes/closeup/CU20040322A/ 糖尿病薬がアルツハイマー病にも効果!? http://allabout.co.jp/health/diabetes/closeup/CU20070509A/ 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科関係の専門的な内容) ■
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by wellfrog4
| 2010-03-16 00:39
| 皮膚科
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