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【異物摂取】たばこ誤飲に催吐や胃洗浄 ⇒ × 中毒物質を大量に経口摂取して運ばれてくる患者に対して、日本で多く行われていた胃洗浄。 しかし、1997年に欧米の専門家が「胃洗浄は毒物摂取後1時間以内でない限り考慮すべきではない」という勧告を出したことを契機に、国内でも見直されている。 北里大救命救急センター病棟主任の上條吉人氏は、「自分が最後に胃洗浄をやったのは数年前。1時間以内に担ぎ込まれてくる患者はまずいないので、救命救急の現場での胃洗浄実施は減っているはず」と話す。 その代わりに、上條氏が実施しているのが、活性炭の投与だ(図3)。 活性炭は吸着力が強い上に表面積が大きく、非選択的にほとんどの物質を吸着する。 また、重篤な合併症は報告されていないため、急性中毒患者の多くに使用できるという。 [[attached(1,center)]] ただし、アルコール類や無機酸、リチウム剤、鉄剤、ヨードなどは吸着しないので、何を摂取しているかを確認した上で投与する必要がある。 また、誤嚥のリスクがあることから、昏睡状態で気道保護反射が減弱・消失しているものの気管挿管していない患者への投与は禁忌だ。 中毒物質の大量摂取でよく遭遇するのが、自殺企図の摂取だ。 上條氏は、「成人で最も多いのは、処方薬の過量服用」と語る。 意図的に大量摂取していることから重症例が多く、向精神薬を100錠以上飲んで運ばれてくるケースもあるという。 向精神薬には過剰服用で致死的となりやすい薬剤があり、病態に応じた対処法が必要だ(表3)。 さらに同氏は、より安全といわれている選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を436錠服用して、致死的な症状を呈した症例を経験している(症例4)。 「向精神薬を1日3~4錠で30日処方した場合、それをまとめて服用すれは致死量となる場合があることを知ってほしい」と、上條氏は向精神薬の安易な処方そのものを見直す必要があると強調する。 表3 過量服薬で致死的となり得る 主な向精神薬(上條氏による) 症例4 SSRI過量服用で致死的となった症例(上條氏による) 30歳、女性。 抗うつ薬であるフルボキサミン50mgを436錠服用し、自室内で嘔吐しているところを母親に発見され、救急要請となった。 救急隊到着時の意識レベルは、JCS20、血圧110/92mmHg、心拍数95/分、SpO2 98%(酸素10L/分投与下)、瞳孔所見4/4mm 対光反射あり。搬送中に痙攣発作を10分ほど認めた。 来院時は痙攣重積状態で、意識レベルJCS300。気管挿管準備中に、突然心肺停止状態となり、心肺蘇生術を開始。 挿管およびエピネフリンの投与などを行ったところ、心拍が再開した。 ところが、極量のカテコラミンを投与しても循環動態が安定せず、さらに、胸部単純X線で誤嚥性肺炎によると考えられる急性呼吸促迫症候群(ARDS)を認めた。 そのため、人工呼吸器管理をしたが酸素化が保てず、急きょ、経皮的心肺補助法(PCPS)を施行。 また、極量のミダゾラム投与でも痙攣重積発作がコントロールできなかったため、極量のプロポフォール投与に切り替えた結果、発作をコントロールできた。 その後次第に、循環動態・呼吸状態は安定した。 小児の場合も経過観察可 小児でよくある、たばこ誤飲への処置にも誤解があると、上條氏は指摘する。 一般的に、1本のたばこに含まれるニコチンは致死量といわれるが、「1本に含まれるニコチンを静注すれば話は別だが、たばこを丸ごと1本食べても問題が生じることはない」と断言する。 灰皿代わりに使った空き缶の中の水を誤飲した場合でも同じという。 なぜなら、ニコチンの吸収は徐々に進み、吸収されたニコチンは肝臓でほとんどが代謝されるためと説明する。「たばこ誤飲には活性炭投与程度で十分。催吐や胃洗浄などの処置は不要」と話す。 また、おもちゃなどの鈍的異物を誤飲した場合にも経過観察で済む場合が少なくない。 「鈍的異物を誤飲し、無症状で胃まで落ちていれば、特別な処置は基本的に不要」と語るのは、福井大総合診療部教授の林寛之氏。 食道にとどまっている場合は緊急処置が必要だが、胃に到達している場合の緊急性は下がるという。 自然な排泄を48時間程度待てばよい。 リチウム電池誤飲は要注意 一方、緊急摘出の対象となるのは、完全閉塞した場合や、ボタン電池が食道に停滞した場合で、特に注意が必要なのがコイン型リチウム電池だ。 複数の磁石や鋭的異物も、消化管を傷付ける可能性があるので、胃内でも摘出した方がよいようだ。 コイン型リチウム電池の大半は直径が20mmで、アルカリ電池に比べて大きい。 その結果、ほとんどの小児で食道に停滞する。 起電力は3ボルトと高く、消化管の中で放電し、電気分解でアルカリ性の液体をつくり、消化管壁を侵す。 30分~1時間の停滞で消化管壁に潰瘍を生じたとの報告もある。 「誤飲4時間後に摘出したものの、食道狭窄が生じた症例や、食道気管瘻を発症し胃瘻管理を要した患児を経験した」というのは、金沢医大小児外科教授の河野美幸氏。 さらに、「大動脈穿孔による死亡例の報告もある」と注意を喚起する。 内視鏡検査では、リチウム電池によって消化管に生じた損傷の深度を確認することはできない。 また、「損傷は熱傷のようにじわじわと進展し、電池を除去した数日後に症状が出る場合もある」と、河野氏。 そのため、摘出後数日間は経過観察を目的に患児を入院させている。 また、食道に停滞した電池は周囲の組織に食い込み、除去に苦慮することが少なくない。 全身麻酔下による内視鏡的摘出が必要となるケースが多いという。 河野氏は、「リチウム電池誤飲例は、内視鏡手技に慣れた小児外科医のいる施設に早急に送ってほしい」と話す。 出典 NM online 2012.2.21 版権 日経BP社
by wellfrog4
| 2012-03-16 00:36
| 一般外科
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