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2011年に作成された新しい「腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン」の主な内容を紹介した記事で勉強しました。 腰部脊柱管狭窄症 - 新しい診療ガイドラインから 腰部脊柱管狭窄症は、腰部の神経圧迫によって脚のしびれ・痛み、歩行障害などを来す一連の症候群である。また、ロコモティブシンドロームの主要な要因としても知られている。 はじめに 医療の進歩・高度化が著しい現在、安全で有効かつ効率的な医療は社会的要請である。 このような中で、日本整形外科学会では各種疾患について、エビデンスに基づく診療ガイドラインの作成を行っており、今回新たに「腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン」が作成された。 腰部脊柱管狭窄症は、高齢社会を迎えたわが国において、ロコモティブシンドロームの主要な要因の1つである。 本ガイドラインは、2008年4月から日本整形外科学会と日本脊椎脊髄病学会の監修により作成が開始され、2011年11月1日に刊行された。 作成メンバーは日本整形外科学会の腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン策定委員会の10名であり、日本脊椎脊髄病学会診療ガイドライン策定委員会も同一のメンバーから構成されている。 本ガイドライン作成にあたり、北米脊椎学会(North American Spine Society:NASS)のガイドラインに収載された2006年までの英文論文については改めて精読の上、選別し採用することとした。NASSのガイドライン以後2008年までの英文論文については、NASSのガイドラインと同じ検索式を用い、新たに767編を選定した。 一方、和文論文については1989年から2008年までの271編を選定した。 さらに論文内容を精査し、最終的には英文29編、和文6編の合計35編をNASSのガイドライン後の採用論文とした。 新診療ガイドラインの概要 本ガイドラインは、病態・自然経過、診断、治療、予後の4章からなり、合計17のクリニカルクエスチョンについて記載されている。 作成に際しては、日本における質の高い研究成果を積極的に採用するとともに、わが国の実地医療にも配慮した。 本ガイドラインでは、腰部脊柱管狭窄症を症候群として定義し、表1のような診断基準(案)を提示した。 神経性間欠跛行は腰部脊柱管狭窄症にてよくみられる症状であるが、立位のみにて殿部から下肢の疼痛やしびれが増強して歩行できない例や、歩行にて殿部から下肢の疼痛やしびれが増強するものの休息せず歩行し続けることができる例があり、神経性間欠跛行を必須条件とはしなかった。 推奨度については表2のような内容を採用した。 表1●腰部脊柱管狭窄症の診断基準(案) ![]() 表2●新診療ガイドラインで記載された推奨度 ![]() 腰部脊柱管狭窄症の自然経過はどのようなものか ・腰部脊柱管狭窄症の軽度または中等度の患者のうち、1/3ないし1/2では自然経過でも良好な予後が期待できる。(推奨度B) ・腰部脊柱管狭窄症の軽度または中等度の患者では、神経機能が急激に悪化することはまれである。(推奨度B) 腰部脊柱管狭窄症患者のすべてが症状の増悪を来すとは限らないことは、日常診療にてよく経験することであり、患者へのインフォームドコンセント、手術適応の決定に際して考慮する必要がある。 また、腰椎MRIなどでは無症候性の狭窄所見がみられることがあり、神経機能が急激に悪化した場合は、椎間板ヘルニア、脊椎腫瘍、脊髄腫瘍など、他の病変が原因である可能性を含めた検索を行う必要がある。 腰部脊柱管狭窄症を診断するために有用な病歴および診察所見は何か ・患者が中高齢で、座位により改善あるいは緩和する下肢痛がある場合は腰部脊柱管狭窄症の可能性が高い。・・・歩行時に下肢痛が増強しなければ、腰部脊柱管狭窄症の可能性は低い。(推奨度I) ・「腰部脊柱管狭窄診断サポートツール」は、患者をスクリーニングするために用いられるツールとして簡便で有用である。(推奨度B) 腰部脊柱管狭窄診断サポートツール(表3)は、わが国で作成された有用な患者スクリーニングツールであり、本症の診断において活用が期待される。 ![]() 腰部脊柱管狭窄症における薬物治療の意義は何か ・経口プロスタグランジンE(1)は神経性跛行ならびに両下肢のしびれを伴う馬尾症状を有する腰部脊柱管狭窄症の治療に短期間は有効である。(推奨度B) 神経性間欠跛行ならびに両下肢のしびれを伴う馬尾症状を呈し、MRIにて退行性中心性狭窄を認める腰部脊柱管狭窄症患者に対する、経口プロスタグランジンE(1)(リマプロスト15μg/日)の有用性をNSAIDsと比較した結果、QOLならびに下肢しびれ、間欠跛行距離の有意な改善がリマプロスト投与群でみられた。 腰部脊柱管狭窄症における薬物治療・その他の保存治療の長期成績はどのようなものか ・保存治療の予後を左右するものは、病態と初期治療の成績であった。 神経根症状が主体の患者、初期治療の成績が良好であった患者では、長期成績も良好であった。 一方、変性側弯合併例では保存治療の長期成績は劣っていた。(推奨度C) これらの推奨内容は、保存治療に関する患者への説明の際に有用と思われる。 腰部脊柱管狭窄症の手術治療成績に影響する因子は何か ・75歳以上の腰部脊柱管狭窄症患者は、除圧術により65歳以上75歳未満の患者とほぼ同等の手術成績を期待できる。高齢という理由だけで手術回避を強く勧める理由とはならない。(推奨度C) ・手術適応と判断された患者において、罹病期間が長すぎると十分な改善を得られないことがある。(推奨度B) ・安静時の下肢しびれは消失しにくい。(推奨度B) ・術前にうつ状態があると成績が低下する。(推奨度B) 腰部脊柱管狭窄症に対する手術治療の長期成績(4年以上)はどのようなものか ・腰部脊柱管狭窄症に対する手術治療の長期成績は、4~5年の経過では総じて患者の70%~80%において良好であるが、それ以上長期になると低下することがある。(推奨度C) これらの推奨度は、患者へのインフォームドコンセントや手術適応の決定の際に参考になると思われる。 おわりに 本ガイドラインは系統的な文献検索により、執筆時における最新の知識を中立的な立場からまとめたものであり、日常診療に活用されることを心より希望している。 しかしながら、本ガイドラインが腰部脊柱管狭窄症に関する疑問にすべて答えるものではなく、個々の患者の診療においては、医師と患者間の十分なインフォームドコンセントによる合意形成が基本となることは言うまでもない。 また、腰部脊柱管狭窄症という病名が示すように、現在のところ、神経や血管自体の変化ではなく、それらを入れる脊柱管あるいは椎間孔の形態により病態が論じられている。 しかし、同じように圧迫されている神経でも、可逆的な循環不全の状態にあるものから、ウォラー変性に近いものまでさまざまな変化がありうるし、神経障害の範囲、程度、時間的変化も圧迫部位での横断的な広がりから、頭尾側方向への広がりまで多彩なものが考えられる。 病態の解明や診断・治療法の進歩により、将来、本ガイドラインの執筆内容が大きく変化する可能性もあり、むしろ変化すべきものと考えている。 出典 NM online 2011.12.29 版権 日経BP社 読んでいただいて有り難うございます。 コメントをお待ちしています。 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 「葦の髄」メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (「葦の髄から循環器の世界をのぞく」のイラスト版) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/
by wellfrog4
| 2012-01-11 00:36
| リハビリテーション科
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