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東札幌病院副院長・化学療法センター長の平山 泰生先生の「亜鉛と感冒」に関する解説記事で勉強しました。 亜鉛が感冒の症状改善に有効 コクラン・ライブラリでのシステマチック・レビューから 研究の背景:米国では感冒での亜鉛服用は一般的だが,有効・無効の報告が混在 米国では医療費の患者負担が高額なため感冒で医療機関を受診することは少ない。 重症でなければ市販薬やサプリメントを服用して回復を待つようである。 感冒のセルフケアとして,わが国では一般的ではないが,亜鉛トローチを服用することが多いという。 この効果に関しては各種二重盲検試験でも有効,無効の報告が混在しておりコンセンサスは得られていなかった。 今回,コクラン・コラボレーション※によって感冒に対する亜鉛の有効性のシステマチック・レビューが行われ,驚くべきことに有効性が示された。 <原文> Zinc for the common cold http://onlinelibrary.wiley.com/o/cochrane/clsysrev/articles/CD001364/frame.html 研究のポイント:感冒の罹病期間が短縮し諸症状が改善 レビューの概説 感冒の治療に関しては,総計966人の参加者による13のランダム化比較試験(RCT)の解析が行われた。 亜鉛トローチ,亜鉛シロップいずれも発症24時間以内に亜鉛製剤を服用した場合,罹病期間の短縮と咳,鼻水,咽頭痛といった症状の改善に有効であった。 コントロール群と比較し,亜鉛服用群は7日以上症状が持続することはまれであった。 5カ月以上の亜鉛服用は,児童の感冒による学校欠席日数および抗生物質投与量を減少させた。 レビューの対象となった代表的RCT 以下に,今回のレビューの対象となった代表的臨床試験の1つを示す (J Infect Dis2008; 197: 795-802)。 Duration and severity of symptoms and levels of plasma interleukin-1 receptor antagonist, soluble tumor necrosis factor receptor, and adhesion molecules in patients with common cold treated with zinc acetate. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/18279051 感冒の症状発現から24時間以内の外来患者ボランティア50人を対象に,亜鉛投与の二重盲検プラセボ対照RCTを施行した。 参加者は酢酸亜鉛 13.3mgを含有するトローチまたはプラセボを起きている間は2〜3時間ごとに1錠服用し,感冒症状の主観的スコアを毎日記録した。 また血清亜鉛濃度,可溶性IL-1受容体拮抗因子など各種サイトカイン濃度を経時的に測定した。 その結果,亜鉛服用群はプラセボ群と比較して感冒症状の平均持続期間が有意に短縮され(4.0対7.1 日,P<0.0001),咳および鼻水の持続時間の短縮も有意であった。 患者のランダム化も適切であり,副作用では両群間に有意差はなかった。 亜鉛投与群で血清亜鉛濃度は高値であり,各種炎症性サイトカイン濃度は低値であった。 平山先生の考察:「感冒に亜鉛」は1つの選択肢 感冒を引き起こす代表的ウイルスがライノウイルスである。 鼻水,くしゃみ,微熱を呈する,いわゆる鼻風邪の原因のほとんどを占める。 ライノウイルスを抑制する薬剤は存在しないので,治療は対症療法であり有害事象が少なく安価であることが望ましい。 今回のレビューで亜鉛が理想的治療の1つであることが証明された。 感冒症状の改善は亜鉛が有する抗炎症作用によると考えられている(J Infect Dis2008; 197: 795-802)。 ステロイドやスタチンは抗炎症効果を有する。 炎症を抑制することは病原体の生存に有利となってしまうように思えるが,実際には患者の不利益は少なく,結局症状が軽減する分だけQOLが向上するという結論である。 「感冒に亜鉛」に関しては症例が蓄積するにつれ有害事象が明らかとなる場合もあるため,強く推奨することはしないが,1つの選択肢と思われる。 また,鼻風邪で病院を受診することは控えて,亜鉛製剤の服用を考慮してもらえれば,膨れ上がる医療費の削減に有用と思われる。 ちなみに,わが国では亜鉛といえば味覚障害の治療と関連付けられているが,RCTで証明されたわけではない。 がん化学療法中に味覚障害を呈する患者は多いが,わたしは亜鉛を投与することは行っていない。 これに関しても厳密な臨床試験が行われることを期待する。 ※ コクラン・コラボレーションによって編纂された文書集であるコクラン・ライブラリ(Cochrane Library)は,ランダム化比較試験(randomized controlled trial; RCT)を中心に,世界中の臨床試験のシステマチック・レビュー(収集,質評価を行い,統計学的に統合する)を行い,その結果を医療関係者や医療政策決定者,さらには消費者に届け,合理的な意思決定に供することを目的としている。 出典 MT Pro 2011.2.22 版権 メディカルトリビューン社 <関連サイト> 亜鉛の多い食品 http://www.eiyoukeisan.com/calorie/nut_list/zinc.html 亜鉛|亜鉛を含む食品 http://www.hakuraidou.com/info/aen.htm 亜鉛とは? http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail672.html 亜鉛を多く含む食品 http://www.kobekids.net/shincho/3/3-15.html ■魚介類 かき 、からすみ するめ ■肉類 豚肝臓 、牛肩肉、牛肩ロース 、 牛もも肉 ■種実類 ごま、カシューナッツ 、アーモンド ■その他 小麦胚芽、ナチュラルチーズ、そら豆 <自遊時間> 先月の朝のテレビ番組で、ココアに亜鉛が多く含まれていることを放送していました。 バレンタインデーの日でした。 ココアを飲むと、ウイルスなどの異物を攻撃するナチュラルキラー細胞の働きがより高まるということです。 イチおし チョコレートの真実 http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/02/14/01.html <きょうの一曲> Clementine / Chocolats et Sweets 日本語バージョン http://www.youtube.com/watch?v=yTNq1ZMrk-8 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 「葦の髄」メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (「葦の髄から循環器の世界をのぞく」のイラスト版) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/ 「井蛙」内科メモ帖 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科関係の専門的な内容)
by wellfrog4
| 2011-03-05 00:45
| 感染症
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