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KOH直接鏡検法の実際 帝京大学皮膚科・渡辺晋一教授が足白癬について解説された記事で勉強しました。
皮膚真菌症の診断・治療~足白癬を中心に 新患患者の12%を占める 皮膚組織に生ずる真菌感染症の感染部位で,最も頻度が高いのが角質層です。 その代表的な疾患が白癬,皮膚カンジダ症,癜風の3つです。 日本医真菌学会の調査によると,皮膚真菌症は皮膚科の新患患者の12%を占めます。 そして,皮膚真菌症の内訳を見ると,白癬が89%と最も多く,次いでカンジダ症8%,癜風3%と,大部分が表在性皮膚真菌症で,深在性皮膚真菌症は0.1%にすぎません。 この比率は最近10年間では大きな変化はありません。癜風患者は徐々に減少しつつあります。 白癬について見ると,60%が足白癬,27%が爪白癬ですので,足に生ずる白癬患者は皮膚科新患患者の1割近くを占めることになります。 次いで,体部白癬6%,股部白癬4%,手白癬3%です。 この比率も最近では大きな変化はありませんが,爪白癬の増加,体部白癬のやや減少,股部白癬の減少が見られます。 一方,手白癬の頻度はほとんど変化がありません。また,全体として罹患年齢の高齢化が認められます。 一般に,足白癬患者の足からはがれ落ちた鱗屑内には白癬菌が存在します。 この鱗屑は家庭内の畳,床,じゅうたんにまき散らされ,特にスリッパや風呂場の足ふきマットには高率に白癬菌が存在します。 白癬菌は鱗屑内で長期間生存しているので,足白癬の感染源になります。 風呂上がりの足はぬれているため,鱗屑は足に付着しやすくなります。 フィットネスクラブでのデータはありませんが,温泉場や銭湯などの足ふきマットからは,ほぼ100%白癬菌が分離されます。 大勢の人が素足で利用する施設では,白癬菌が分離されない方が極めてまれです。 直接鏡検により診断を確定 皮膚真菌症はそれぞれ特徴的な臨床像を示すため,臨床所見からある程度の診断が可能ですが,病変部から真菌を培養しない限り確定診断を下すことはできません。 しかし,皮膚真菌症の99%以上を占める表在性皮膚真菌症は,真菌が角質層または毛や爪に存在するため,直接鏡検により,培養結果を待たずして診断を確定することができます(図1)。 小水疱型足白癬は水疱蓋を検査材料にするとよく,1回の検査で陰性の場合は足白癬を否定できます。 趾間型足白癬は病変辺縁の角質層で,皮膚から遊離していないものの採取が望ましいです。 また,趾間型では,真菌を見つけづらいですが,検査を2~3回行っても真菌を検出できない場合は足白癬を否定してよいです。 それでも,診断に自信が持てない場合は,外用ステロイド薬を処方した上で1~2週間後に再検査を行います。足白癬であれば真菌が増えているので,真菌の発見が容易になるからです。 角質増殖型足白癬では,皺壁に沿った角質層が検査材料に良いとされています。 次に,爪白癬では爪甲表面に真菌が直接侵入する表在性白色爪真菌症の場合,爪表面の白濁部を採取して直接鏡検すれば真菌を発見できます。 ただし,菌系ではなく胞子のみが確認できる場合もあるので注意します。 爪甲下角質増殖が認められる通常の爪白癬では,真菌は皮膚から侵入し,爪の下,つまり爪床に沿って移動します。 新鮮な真菌は水分量が多い爪の深部に向かいますが,爪が伸びるので,爪の表面や先端部に真菌は二次的に移行します。 そのため,爪甲下角質増殖を来し,爪甲下がぼろぼろします。 爪甲下角質増殖部位が崩壊すると爪甲剥離となります。 したがって,初期の爪白癬では爪の先端や爪表面から真菌を発見できないことが多いです。 そこで,検査材料の採取部位は皮膚に近い深部の爪病変の基部(爪の根元)が望ましいです。 ニッパ型の爪切りで病爪部分を除去し,その下の爪床部を採取するとよいです(図2)。 また,直接鏡検そのものの注意事項としては,角質細胞がまだ溶けていないと,角質細胞間の脂肪滴や空隙が菌要素のように見えることがあります。 これはモザイク菌と呼ばれ,真菌ではなく人工産物です。 十分な時間を置いて角質細胞が溶けるのを待ち,検体を押しつぶしてから鏡検を行えばモザイク菌は消失します。 モザイク菌は,角質層を取り囲むように亀の甲状に見え,その太さも均一でないことから真菌とは鑑別できます。 また,皮膚採取時に真皮まで取ってしまうと,真皮の線維部分の混在で菌が見えにくく,線維成分を真菌と間違えることがあります。 外用または経口抗真菌薬を使用 皮膚真菌症では,外用抗真菌薬が第一選択薬です。皮膚真菌症の99%以上が浅在性であること,大部分の真菌が角質層に存在すること,最小発育阻止濃度(MIC)が十分に高く,有効な薬剤が多数存在するからです。 股部白癬や体部白癬では外用抗真菌薬を2週間程度外用すると,治癒します。 足白癬でも2週間程度の外用で角質層内の真菌はかなり減少するので,痒みなどの自覚症状や炎症症状は消失することが多いのですが,2週間程度の外用では真菌は消失せずに残っています。 そのため,自覚症状がなくなった時点で治療を中止すると,足白癬の再発が見られます。 最低1カ月間は塗り続けることが必要です。 しかし,真菌が爪や毛に寄生した場合や角質増殖型の病変の場合は,経口抗真菌薬が第一選択薬となります。 近年,経口抗真菌薬のトリアゾール系のイトラコナゾール(ITCZ)やアリルアミン系のテルビナフィン(TBF)が臨床で使用されています。 欧米ではITCZ 400mg/日の内服を1週間行い,その後3週間の休薬を繰り返すパルス療法が標準的に行われています。 わが国でも,2004年に爪白癬に限って 400mg/日のパルス療法を3回行うことが認可されました。 一方,TBFは皮膚糸状菌に強い抗菌活性を示しますが,他の真菌に対しては抗菌力がやや劣ります。 海外の爪真菌症治療のガイドラインでは,爪白癬に対してはTBF 250mg/日の3カ月内服が第一選択薬として推奨されていますが,わが国ではTBFの投与量は1日1回125mgと,欧米の半量しか認可されていません。したがって,わが国ではTBF 125mg/日を6カ月連続投与する必要があります。 ITCZ 400mg/日のパルス療法3回とTBF 125mg/日の6カ月連続投与との優劣は今のところはっきりしませんが,短期間で治療を終了させなければならない場合はITCZ,時間がかかっても治癒を優先する場合はTBFという選択肢が望ましいと考えられます。 これらの経口抗真菌薬は比較的安全ですが副作用もあるので, TBFでは定期的な血液検査が必須となっています。 また,薬剤相互作用もあります。 特にITCZでは薬剤相互作用が多いので注意が必要です。 ただ,経口抗真菌薬を投与しても爪白癬の治癒率は100%ではありません。 経口抗真菌薬で効果が得られて爪甲基部から健康な爪が伸びてきますが,中には混濁した病爪が縦に線状に残存することがあります。 このような場合は,くさび状の混濁部を機械的に除去しない限り治癒しません。 また,爪甲剥離がある場合は剥離部位をできるだけ爪切りで除去した方が早く良くなります。 治療無効の場合は診断の見直しを 通常の足白癬であれば,どの外用抗真菌薬でも有効です。 治療にもかかわらず改善が見られない場合は,足白癬でないと考えてよいです。 また,爪白癬も診断が正しければ経口抗真菌薬で必ず改善が見られるので,1~2カ月の内服治療を行っても改善が見られない場合は,爪白癬を否定してもよいです。爪の変形の半数は爪白癬ではありません。 一方,体部白癬はしばしば湿疹,頭部白癬は脂漏性皮膚炎(フケ症)と誤診され,外用ステロイド薬が使用されて悪化している患者が多いです。 悪化する場合は,白癬を考慮してください。 出典 Medical Tribune 2011.1.20 版権 メディカルトリビューン社 <参考> KOH直接鏡検法の実際 http://www.hifushinkin.jp/kisokoza/basiccourse02/bc0203.html 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 「葦の髄」メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (「葦の髄から循環器の世界をのぞく」のイラスト版) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/ 「井蛙」内科メモ帖 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科関係の専門的な内容)
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| 2011-02-01 00:15
| 皮膚科
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