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##レプチンは肥満に伴う血圧上昇の介在因子 栄養と血圧に関する国際共同研究INTERMAP※では登録された国内在住日本人とハワイ在住日系米国人のデータを解析したところ,脂肪細胞から分泌されるレプチンは,肥満とは独立して血圧上昇に関与する可能性が示唆された(Hypertensionオンライン版)。 この横断研究によると,肥満における血圧上昇にレプチンは重要な役割を果たすが,ほかにもなんらかの介在因子の影響が考えられるという。 ※International Study of Macro-and Micronutrients and Blood pressure <参考サイト> 横断研究と縦断研究 http://dnpa.s3.xrea.com/psy46.htm 横断研究 http://www.k5.dion.ne.jp/~naokinz/school/PublicH/epidemilogy/oudan.htm #BMI,レプチン濃度が高いほど血圧が上昇 ■レプチンは,視床下部を刺激して食欲を低下させる一方,交感神経を刺激し,血圧上昇やエネルギー消費に働く。 動物実験では,高度肥満でレプチンの食欲低下作用は消失するが,交感神経刺激作用は持続する“選択的レプチン抵抗性”が生じる。 また,動物実験では,レプチン投与により血圧が上昇することが確認されているが,ヒトの研究では一致した結果が得られていない。 ■肥満は心血管疾患の死亡と発症を増加させるが,少なくともその機序の1つに血圧上昇が関与する。 そこで,京都女子大学家政学部生活福祉学科の中村保幸教授らの研究では,肥満に伴う血圧上昇へのレプチンの関与について明らかにするため,INTERMAPに登録された4か国17集団の40~59歳の男女のデータから, (1)国内在住一般住民の日本人234例(男性123例,女性111例) (2)両親が100%日本人のハワイ在住日系米国人182例(同88例,94例)の遺伝的背景が同じで生活習慣の異なる 一般住民の2集団を対象とし,1997~99年に調査したデータを解析した。 両集団のBMIは,日本が17.2~39.0,ハワイが17.6~47.0と広範囲に分布しており,肥満と血圧およびレプチンとの関連について安定した解析結果を期待したという。 ■凍結保存血清を用いて測定したレプチン濃度は,日本男性が1.4~19.6ng/mL,同女性が2.7~28.9ng/mL,ハワイ男性が2.1~57.4 ng/mL,同女性が3.4~38.3ng/mL。 これらをそれぞれ4分位に分けて比較すると,両地域の男女とも血中レプチン濃度が高いほどBMI,収縮期血圧(SBP),拡張期血圧(DBP),降圧薬服用率が高かった(日本:P<0.01,ハワイ:P=0.02~0.01)。 ■日本,ハワイのデータを合わせて,BMI,年齢,対数-レプチン,SBP,DBPの互いの性調整部分相関係数を見ると,BMIと対数-レプチンには強い正の相関が認められ(r=0.74,P<0.01),BMIとSBP,DBP,対数-レプチンとSBP,DBPにはそれぞれ正の相関が認められた(r=0.18~0.22,各P<0.01)。 #レプチンだけでは説明しきれない ■さらに,血圧上昇に対し,BMI,対数-レプチンの影響の強さを検討した。 線形重回帰分析(図)では,対数-レプチン(モデル0),BMI(モデル1)はそれぞれSBPに有意に関連しており,各因子の影響を考慮しても有意な関連が残った(モデル2,3)。 さらに,対数-レプチンを共変量に加えたモデル4では,BMIとの有意な関連が消失したが,対数-レプチンとの有意な関連は残り,SBP上昇にはレプチンがより重要であるかに見えた。 しかし,モデル5で相互作用(BMI×対数-レプチン)を考慮すると,BMI,対数-レプチンともにSBPに対する影響が強くなり,それぞれ独立してSBPとの有意な関連が認められた。 ■また,SPBに対し相互作用は負の影響を及ぼし(β=-0.82,P=0.04),BMIが大きいほどレプチンの効力が弱まることがわかった。 DBPについても同様に解析したところ,モデル5でBMI,対数-レプチンともに血圧との有意な関連が残り,同様の傾向が示された(β=-0.56,P=0.06)。 ■以上から,肥満が引き起こす血圧上昇に,レプチンが独立して重要な役割を果たすことが明らかになった。 ただし,BMIとレプチンの相互作用を考慮すると,BMIとの有意な関連が残ることから,肥満による血圧上昇はレプチンだけでは説明しきれないことも判明した。 ほかにどのような因子が関与しているのかは不明で,今後の検討課題だという。 #京都女子大学家政学部生活福祉学科 中村 保幸 教授のコメント ■今回の解析から,レプチンは肥満により惹起される血圧上昇の重要な介在因子の1つである可能性が明確になった。 高度肥満の人は塩分摂取量が多いという仮説があったが,今回の研究では尿中ナトリウム排泄量を調整しているので,その影響だけでは説明できないことが示された。 ■さらに,今回の研究ではレプチン以外のなんらかの介在因子が存在することも示唆された。 その因子の候補としては,肥満度に影響することが示唆されているレプチン遺伝子多型などが考えられる。 ■今後,血中レプチン濃度,BMI,食事摂取量との関係を解析し,選択的レプチン抵抗性がヒトで起こるのかどうかについても検証したい。 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科関係の専門的な内容)
by wellfrog4
| 2010-05-08 00:09
| 循環器
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