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##日本の麻疹対策が世界から批判を浴びる可能性 #中国は9,000万人規模のワクチン接種計画 ■世界保健機関(WHO)は地域によって「麻疹排除」または「麻疹による死亡者の大幅な減少」を目標に掲げており,わが国を含む西太平洋地域では2012年までの麻疹排除を目標にしている。 ■同地域37か国のうち既に半数以上の国で排除もしくは排除に近い状況だが,同地域の麻疹症例の97%を占めているのが日本と中国だ。 ■わが国で昨年(2009年)に発生した麻疹患者数は741例。 前年(1万1,015例)の93%減という大幅な低下を達成したものの,2008年度のワクチン接種率は第1期94.3%,第2期91.8%と,排除達成基準の1つである95%に届いていない。 ■中国が国家主導で9,000万人規模のワクチン接種を予定していることから,今後わが国の麻疹対策が世界から批判を浴びる可能性があるとした。 #2009年度の接種率は前年度より減少か ■世界全体が麻疹排除に向けて積極的に取り組んでいるなかで,数年前にわが国から伝播したと考えられる海外での麻疹症例がたびたび報告されたため,わが国は現在に至っても「麻疹輸出国」というレッテルを張られている。 ■また,WHO西太平洋地域では2006年に韓国が麻疹排除達成を宣言しており,オーストラリアも2005年以降排除に近い状態だが,そのなかで同地域における麻疹症例の97%がわが国(1万1,015例)と中国(約13万例)が占めているという事実は,わが国の国際的な立場を危うくしている。 実際,日中両国は同地域からの麻疹排除の足を引っ張っていると言われているようだ。 ■わが国では麻疹排除を目指し,2008年度から定期予防接種の対象を拡大している(5年間の期限付き)。 しかし,同年度の麻疹ワクチン接種率は,第1期(1歳児)が94.3%,第2期(就学前の1年間)が91.8%,第3期(中学1年生)が85.1%,第4期(高校3年生に相当)が77.3%と,いずれも95%に到達していない。 ■2009年度の麻疹ワクチン接種率は,昨年12月末までで第2期67.3%(前年同時期+0.9ポイント),第3期65.8%(同-0.7ポイント),第4期56.6%(同-1.5ポイント)と,さらに低い傾向を示している(第1期は年度末に発表)。 ■こうしてわが国の麻疹ワクチン接種率が伸び悩むなかで,中国では今年度,麻疹排除に向けて9,000万人規模のワクチン接種計画が実施されようとしている。 国家主導による大量の予算を投じての計画であり,その効果は絶大だろう。
by wellfrog4
| 2010-03-02 00:50
| 感染症
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