脂っこい食事でも肥満回避 ?
脂肪分の多い食事を続けても、体内にある特定のたんぱく質をなくすと太らないことを、京大などのグループがマウスを使った実験で確かめた。
人間に応用できれば、肥満対策につながる可能性があるという。
(英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表 2017.5.8)
カギのたんぱく質確認
このたんぱく質は「ニューデシン」と呼ばれ、脂肪組織などから分泌される。
研究グループが存在を10年前に確認していたが、体内での働きは不明だった。
人間でもこのたんぱく質が作られているとみられる。
遺伝子を壊して、ニューデシンを作れなくしたマウスを観察すると、普通のえさではや
せてしまうことを発見。
高脂肪のえさを16週間与えると、正常なマウスの体重は平均で約41グラムになったが、このマウスは平均約32グラムにとどまった。
詳しく調べると、脂肪組織で脂肪の分解と燃焼が明らかに多く、体温が0.5度前後高かった。
運動量や食べる量は正常なマウスと変わらず、やせること以外で目立った変化はなかったという。
ニューデシンが働く仕組みが解明できれば、肥満を抑える薬の開発につながる可能が期待される。
参考・引用
朝日新聞 2017.5.9