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英DOMINO試験 進行したアルツハイマー病にはドネペジル? メマンチン? それとも併用? 英国王立大学のRobert Howard氏らは,中等度~重度のアルツハイマー病(AD)患者を対象とした多施設プラセボ対照二重盲検臨床試験DOMINO(Donepezil and Moderate to Severe Alzheimer’s Disease)の結果を報告した(N Engl J Med 2012; 366: 893-903)。 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22397651 既にコリンエステラーゼ阻害薬ドネペジル(日本での商品名:アリセプト)を使用中のAD患者の認知症症状が進行した際,同薬を中止あるいは継続すべきか,はたまた作用機序の異なるN-メチル-Dアスパラギン酸(NMDA)受容体アンタゴニストのメマンチン(同メマリー)に切り替えるべきか,さらには両者を併用すべきか-2×2ファクトリアルデザインによる検討が行われた。 各国で異なるドネペジル,メマンチンの使い分け 各種コリンエステラーゼ阻害薬は軽度~中等度のAD患者への使用がガイドラインで推奨されている。Howard氏らによると,中には病状が進行した場合,同クラス薬の使用を中止すべきとの意見も見られるが,その根拠とされるエビデンスの質は十分ではないという。 一方,メマンチンは中等度以上のAD患者に対する第一選択薬と位置付けられている。 この理由の1つには,ADが進行した際にコリンエステラーゼ阻害薬を継続した場合,失神などの有害事象増大に伴い,新たにペースメーカの埋め込みや大腿骨骨折などが生じるリスクも考慮しなくてはならないという難しい問題があるようだ。 英国立臨床評価研究所(NICE)は,ドネペジルほか2剤を軽度~中等度のADに,メマンチンは中等度~重度AD患者に使用すべきと勧告している。 一方,米国ではドネペジル,メマンチンはともに重度AD患者への適応が認められている。 日本のガイドライン「認知症疾患治療ガイドライン2010」では,ドネペジルにおいて軽度~中等度AD患者,重度AD患者の認知機能改善に関するエビデンスがあると記載。 また,メマンチンについては軽度~中等度AD患者の治療効果は境界線上だが,ドネペジル使用の中等度~重度AD患者へのメマンチン併用療法のランダム化比較試験(RCT)で認知機能や日常生活動作(ADL)などの改善効果が報告されているとある。 当初800例の登録を予定,実際は295例を解析 Howard氏らは,英国保健サービス(NHS)関連施設で治療を受けている地域在住の中等度~重度AD患者295例を対象に検討を実施。 平均年齢は77.1±8.4歳で,いずれもドネペジルを3カ月以上使用していた。これらの患者は以下の4群にランダム割り付けされた。 1. ドネペジル単独療法(ドネペジル10mg/日+メマンチンプラセボ)の継続群 2. ダブルプラセボ群(ドネペジル5mg/日を漸減・中止,ダブルプラセボに移行) 3. ドネペジルを中止,メマンチンに切り替えた群(ドネペジルプラセボ+メマンチン実薬,メマンチンは5mg/日 から開始,最大20mg/日まで漸増) 4. ドネペジル(10mg/日)にメマンチン(5mg/日から開始,20mg/日まで漸増)を上乗せした群 1次評価項目はStandardized Mini-Mental State Examination(SMMSE,0~30ポイントで評価。高スコアほど認知機能が保たれている)およびBristol Activities of Daily Living Scale(BADLS,0~60ポイントで評価。 高スコアほど日常生活の機能障害が大きい)で,事前に設定された臨床的意義のある最小変化量(minimum clinically important differences;MCID)はそれぞれ1.4ポイント,3.5ポイント。 同試験は目標症例として当初800例が予定されていたが,その後,規模を縮小,予定終了時期を短縮して解析が行われたようだ。 ドネペジル,メマンチンで症状の進行が抑制も,併用のメリットは確認できず 52週の試験期間終了時点において,ドネペジルを継続した群(上記の1および4群)では同薬中止群(2および3群)に比べ,SMMSEが平均1.9ポイント上昇(95%CI 1.3~2.5),BADLSが平均3.0ポイント低下(同1.8~4.3)。 ドネペジル継続群で認知機能低下の有意な抑制が示された(いずれもP<0.001)。 メマンチンを開始した群(3および4群)ではメマンチンプラセボ群(1および2群)に比較し,SMMSEが平均1.2ポイント有意に上昇(95%CI 0.6~1.8,P<0.001),BADLSが平均1.5ポイントの有意な低下(同0.3~2.8,P=0.02)が認められた。 ドネペジル,メマンチンの単独療法を行った1および3群と両者の併用群(4群)におけるSMMSE,BADLSスコアに有意な差は認められなかった。 Howard氏らは「ドネペジルとメマンチン併用療法のドネペジル単独療法を有意に上回るベネフィットは見られなかった」と述べている。 今回の検討から,同氏らは (1)中等度~重度のAD患者に対し,ドネペジルを1年程度継続して使用することは認知機能低下の適度な抑制に関連していた, (2)ドネペジルからメマンチンへの切り替えによるベネフィットはドネペジルを継続した場合に比べ小さかった,(3)両薬剤の併用療法,あるいはそれぞれの単独療法による明らかな差を見出すことはできなかった —と結論を述べている。 (坂口 恵) 出典 MT Pro 2012.3.12 版権 メディカル・トリビューン社 読んでいただいて有り難うございます。 コメントをお待ちしています。 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 「葦の髄」メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (「葦の髄から循環器の世界をのぞく」のイラスト版) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/
by wellfrog4
| 2012-05-28 00:19
| 認知症
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