カテゴリ
全体 その他 感染症 骨粗鬆症 呼吸器科 神経内科 リハビリテーション科 脳外科 糖尿病 腎臓病 産婦人科 消化器 COVID-19 循環器 認知症 アレルギー科 精神科 血液内科 皮膚科 泌尿器科 内分泌 乳腺外科 がん 小児科 耳鼻咽喉科 生活習慣病 耳鼻咽喉科 一般外科 老年病科 再生医療 ゲノム医療 未分類 以前の記事
2023年 04月 2021年 08月 2021年 07月 2021年 06月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 06月 2020年 01月 2019年 11月 2019年 06月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 03月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 05月 2017年 04月 2016年 12月 2016年 10月 2016年 08月 2016年 05月 2016年 01月 2015年 11月 2015年 08月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 02月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2012年 12月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 お気に入りブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
急性鼻副鼻腔炎の90%以上がウイルス性,「念のため」の抗菌薬はNG IDSAが学会初の診療ガイドライン発表 米国感染症学会(IDSA)は3月21日,同学会としては初の急性細菌性鼻副鼻腔炎(Acute Bacterial Rhinosinusitis;ABRS)の診療ガイドラインを策定したと発表。 タイトルには「細菌性」との文言が含まれているが,同学会は急性鼻副鼻腔炎の90~98%はウイルスにより引き起こされるとしており,こうした症例に「念のために」と抗菌薬を使用すべきでないというのが最大のポイントのようだ。 第一選択薬はアモキシシリン・クラブラン酸,成人には鼻洗浄も推奨 米国では毎年およそ7人に1人が急性鼻副鼻腔炎の診断を受けているほか,抗菌薬処方せん数全体に占める同病名の頻度は第5位の多さだとIDSA。 「鼻感染症がウイルス性か細菌性かを簡単に判断する検査はないが,多くの医師が“念のために”と抗菌薬を処方している」とガイドライン作成委員長のAnthony W. Chow氏(ブリティッシュコロンビア大学名誉教授)。 しかし,IDSAによると急性鼻副鼻腔炎の90~98%はウイルスが原因だという。 同氏は「ウイルス性の鼻感染症に対する抗菌薬の使用はベネフィットがないばかりか,薬剤の耐性獲得,本来さらされるべきでない有害事象リスクや医療コストの増加につながる」と指摘している。 今回のABRS診療ガイドラインはIDSAとしては初で,GRADE(Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation)システムに沿った評価が行われている。 しかし,既存のガイドラインで参照されているランダム化比較試験(RCT)には感染症が細菌性かウイルス性か区別されていないものがあり,IDSAはそうしたエビデンスを用いることは最良の勧告につながらない可能性があるとの見解を示している。 IDSAによる,今回のガイドラインのポイントは次の通り。 ●ABRS(小児,成人)のエンピリック治療における第一選択薬として,従来のアモキシシリン(AMPC)単剤よりもアモキシシリン・クラブラン酸を推奨する ●広く用いられているアジスロマイシン,クラリスロマイシン,トリメトプリム・スルファトキサゾール(ST)合剤は,薬剤耐性の拡大が見られるためABRSへの使用を推奨しない ○以下の項目があれば,ABRSとして速やかな治療を行うべき 10日以上症状の改善が見られない場合(既存のガイドラインでは7日間経過観察とされている) ○38.9℃(102F)以上の発熱,鼻閉あるいは顔面痛が3~4日間続くなどの重度の症状が見られた場合 ○新たな発熱,頭痛あるいは鼻閉の増悪など,ウイルス性上気道感染症後に典型的な症状がいったん改 善傾向にあったにもかかわらず,5~6日続いている場合 ●抗菌薬の使用期間を短縮する:ほとんどのガイドラインでは細菌性感染症に対し10~14日間の抗菌薬使用を推奨している。 しかし,本ガイドラインでは薬剤耐性のリスクがなく十分な治療を行える期間として5~7日間を推奨する ●ABRSに局所血管収縮薬や抗ヒスタミン薬を使用しない:鼻感染症が細菌性,ウイルス性のいずれであっても,これらの薬剤は症状を改善しないだけでなく,悪化させる可能性がある。 アレルギー歴のある鼻感染症患者の場合,経鼻ステロイドは症状を緩和する可能性がある ●生理食塩水による鼻洗浄は有効な可能性がある:本ガイドラインではスプレーやドロップ,液体などによる鼻洗浄法について触れている。 これらの方法によりある程度症状緩和が期待できる。 しかし,本ガイドラインでは小児に対する鼻洗浄法は治療で生じる不快感の理由から,必ずしも症状緩和が期待できないかもしれないとしている また,ガイドライン共同著者の1人であるThomas M. File, Jr. 氏(ノースイーストオハイオ大学)は,鼻感染症の症状を緩和するために,痛みがあればアセトアミノフェンを服用,あるいは鼻洗浄を受けたり,水分をたくさん取ることを個人的に推奨するとのコメントを寄せている。 IDSAは,今回のガイドラインは医師の決定を左右するものではないが,個々の患者の状況に合わせた意思決定過程をサポートするものとして利用してほしいとしている。 米国では,医師が患者からの要望で抗菌薬を処方してしまう問題も指摘されている。 日本では2010年にガイドライン発行 日本では2010年に「急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン」(編集:日本鼻科学会)が発行されている。 同ガイドラインでは鼻処置を優先した上で,AMPCやセフェム系抗菌薬,レスピラトリーキノロン系抗菌薬などの投与を5日間から最長10日間まで推奨。 AMPCは日本では副鼻腔炎への適応記載はないが,同ガイドラインでは適応菌種などの詳記により投与可能との見解が示されている。 両ガイドラインの最大の違いの1つは,IDSAの治療アルゴリズムが1つであるのに対し,日本では小児,成人別に臨床症状および鼻腔所見から成るスコアリングに基づく重症度分類を実施,軽症から重症まで計6つの治療アルゴリズムが設けられている点だ。 この背景には,もともと想定しているガイドラインのターゲットが一般医と専門医とで異なることがあると見られる。 また,日本のガイドラインでは生理食塩水による鼻洗浄に関する記載は見当たらないが,鼻処置,自然口開大処置やネブライザー治療が有効との推奨がある。 局所血管収縮薬の使用は一過性の鼻閉改善には有効との理由から「急性期3日に限り推奨」と記載。 しかし「副鼻腔に薬剤が到達しないため副鼻腔粘膜の腫脹には無効」とされている。 (坂口 恵) 出典 MT Pro 2012.3.22 版権 メディカルトリビューン社 <関連サイト> 急性鼻副鼻腔炎,抗菌薬使用してもQOL変わらず 欧米の最新ガイドラインを支持する結果 出典 MT Pro 2012.3.22 ■急性鼻副鼻腔炎に対する抗菌薬使用の妥当性は明らかではないが,欧米では処方は一般化し,患者がそれを希望するケースも多い。 米ワシントン大学(ミズーリ州セントルイス)のJane M. Garbutt氏らは,アモキシシリンとプラセボの効果を逐次的に比較するランダム化比較試験(RCT)を実施。 疾患特異的QOLや症状改善に差がなかったことを発表した(JAMA 2012; 307: 685-692)。 http://jama.ama-assn.org/content/307/7/685.abstract 同氏らは「合併症のない急性鼻副鼻腔炎へのルーチンの抗菌薬使用は避けるべきとする英国や米国の最新ガイドラインの推奨を支持する結果だ」としている。 副鼻腔炎に関する新ガイドライン策定 抗菌薬投与は慎重に 出典 Medical Tribune 2011.11.10 ■ドイツでは最近,学術的医学専門学会連合(AWMF)により副鼻腔炎に対する新ガイドラインが策定された。副鼻腔炎の病態は多様化し,それに伴い治療も複雑化しているが,今回のガイドラインにより治療の方向性が明確になった。 マンハイム大学病院耳鼻咽喉科のBoris Stuck教授らは,同ガイドラインの中で「急性副鼻腔炎のほとんどはウイルス性であるため,むやみに抗菌薬を全身投与すべきではなく,また細菌性であっても抗菌薬を投与すべき患者は限られている」と指摘。 また,急性,慢性に限らず,適切な保存療法を行えば,手術を回避できることも多いという。 ■同ガイドラインでは,急性副鼻腔炎が明らかに細菌性であっても, (1)副鼻腔炎の症状が重い (2)38.3℃を超える発熱がある (3)症状が次第に悪化している (4)合併症発症の危険が迫っている (5)慢性炎症性肺疾患を有している (6)免疫不全あるいは免疫抑制療法を受けている (7)重篤な基礎疾患または特殊な危険因子を有している —といった患者に限り,抗菌薬を投与すべきとしている。 ■この場合の第一選択薬はアモキシシリンで,その代替薬としてアミノペニシリン+βラクタマーゼ阻害薬,第2世代経口セファロスポリン系薬,マクロライド系薬,ドキシサイクリン,クリンダマイシンが挙げられている。 ただし,クリンダマイシンは,狭域スペクトル薬である。こうした抗菌薬を適切に投与すれば,前頭洞の炎症や,眼窩周囲浮腫などの合併症が生じていても,手術を回避できる可能性があるという。 ■慢性副鼻腔炎では,手術を施行せずに,抗菌薬とステロイド薬を長期間(3週間以上)併用投与するという選択肢もある。 この場合,抗菌薬の第一選択薬は,アミノペニシリン+βラクタマーゼ阻害薬または第2世代セファロスポリン系薬とされている。
by wellfrog4
| 2012-04-28 00:50
| 耳鼻咽喉科
|
ファン申請 |
||