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【熱傷】患部は消毒しガーゼで処置 ⇒ × 熱傷の患者が来たら、消毒薬でしっかり消毒し、スルファジアジン銀クリーム(ゲーベンクリーム)を塗ってガーゼを当てる─。 もしこのような治療を行っているのであれば、要注意だ。 「最近の初期熱傷治療では、消毒薬、ゲーベンクリーム、普通のガーゼなどを使わず、外傷の治療と同様に清潔と湿潤環境の維持を基本にする(症例2)」と語るのは、熱傷の初期治療に詳しい、産業医大病院形成外科准教授の安田浩氏。 「私が研修医の頃は、熱傷には消毒薬を使えなどと教えられてきた。 その教えを今も守りながら熱傷を治療している医師は少なくないのでは」という。 消毒薬には熱傷の治癒過程を妨げるデメリットがある。 「ヨード系消毒薬には、線維芽細胞の増殖抑制作用があり、アルコールや過酸化水素水には細胞傷害性がある。そのため、消毒すると治癒を遅延させかねない」と安田氏は説明する。 加えて、毛穴などにも常在する細菌を消毒でゼロにすることは不可能だ。 ゲーベンクリームも、熱傷治療では広く使用されてきた。 この薬剤には抗菌作用があり、創部の感染を防ぐ目的で用いられる。 しかし安田氏は、「ゲーベンクリームには細胞傷害性があるほか、クリームという基材の皮膚浸透性が高いため、塗ると患部が痛くなることが多い」と指摘する。 使用は、創部に感染が起きた場合などに限られるという。 ガーゼはそのまま貼付すれば創部を乾燥状態にしやすい。すると刺激による痛みの増加、創部固着によるガーゼ交換時の皮膚損傷、上皮細胞の増殖阻害などが起きてしまう。 横須賀市立うわまち病院救急総合診療部部長の本多英喜氏も、「患者が病院に行くまでの応急処置としてガーゼを当てるのはいいが、そのまま長時間放置すると固着するので基本的には避けてほしい」と語る。 冷却・洗浄・被覆材が基本 傷の初期対応は、まず冷却しながら創部を洗浄することから始める。 使用するのは常温(20℃前後)の水道水で構わない。小児の体幹部は冷やし過ぎになることもあるので注意する。 水道水で冷却しながら、熱傷面と周囲の皮膚を洗う。 異物は感染源となるのでピンセットなどで取り除く。 次に湿潤環境の維持だが、これには様々な材料が発売されている。 ポリウレタンフィルムやハイドロコロイドなど、熱傷の治療に有用な被覆材があり、それらを患部にそのまま、あるいはワセリン軟膏を塗布して貼り付けるといいという。 ワセリンは皮膚への浸透性が低く、創部を湿潤環境に保つのに適しているほか、患部への刺激が和らぐ効果がある。 「創傷被覆材の選び方は、医療機関や医師によって様々な意見がある。また、その種類や保険請求する地域によって保険適用外とされることもあり注意が必要だ。私はワセリンをコーティングしたガーゼ『アダプティック』やシリコンゲルメッシュを表面にした『エスアイエイド』(写真2)などをよく使用する」と安田氏は語る。 また、褥瘡などの創傷治療でよく使用されるラップ療法も、湿潤環境の維持に用いることができる。 本多氏は、「被覆材としてラップを使う場合、ワセリン軟膏などを厚く塗った上で貼る」という。 初期の炎症を抑えるために、最初はステロイド含有軟膏を使用してもいいようだ。 なお、滲出液が多い場合は、被覆材の上からガーゼなどで覆って滲出を防ぐ。 安易な湿潤療法に注意 ただし、湿潤環境の維持だけでは治癒しないケースもある。 「熱傷の深度が深い場合は、数カ月たっても全く治らないケースがあり、注意が必要だ」と安田氏は語る。 症例3は、ラップ療法を5カ月にわたり継続し、治癒が進まなかった事例だ。 「熱傷の深度が深い場合や、感染が起きてしまった場合などは、組織の切除などが必要になる。それをしないで湿潤の保持を続けても治らないばかりか、感染が悪化する危険性もある」と安田氏は指摘する。 熱傷の深度や面積によっては専門の医療機関に紹介が必要だ。 専門医療機関への紹介を判断するには、熱傷の深達度の見極めが必要となる(表2)。 安田氏によれば、基本的に前述のような応急処置のみで問題ないのは、II度の浅達性熱傷(SDB)までだという。 II度の深達性熱傷(DDB)以上のものは、専門医療機関で外科的な処置を含めた治療を検討した方がいい。 受傷面積が広い(II度が全身の15%以上など)場合も、紹介が必要だ。 SDBかDDBかの見分け方は、水疱底面を針やピンセットなどで押して色の変化を見る。 爪を押して離したときのように、表面に赤みが戻ってくるようであればSDBの可能性が高い。その際、水疱膜は破ってしまって構わない。 「ただ、一見SDBのようでも、炎症が進展して翌日にDDBになることもある」と、安田氏は注意を促す。 受傷直後にSDBとDDBを見分けるのは専門医でも難しく、経過を観察することが大切だという。 「結果的に感染が起きたり、2週間で治らない場合も、専門医への紹介を検討してほしい」と、安田氏は話している。 出典 NM online 2012.2.20 版権 日経BP社 読んでいただいて有り難うございます。 コメントをお待ちしています。 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 「葦の髄」メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (「葦の髄から循環器の世界をのぞく」のイラスト版) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/
by wellfrog4
| 2012-03-27 00:38
| 一般外科
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