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帝京大外科准教授、愛誠病院漢方センター長・新見正則先生の「漢方嫌いだった外科医の漢方教室」の記事で勉強しました。 インフルエンザ治療のための麻黄湯の使い方 抗ウイルス薬の副作用から、漢方薬による治療にも改めて注目が集まっています。 インフルエンザに効果がある漢方薬としてまず名前が挙がるのは麻黄湯です。 麻黄湯を服用し、汗がじわーっとでる状態(漢方では「微似汗」といいます)になればOKです。 麻黄(まおう)、杏仁(きょうにん)、桂枝(けいし)、甘草(かんぞう)からなる麻黄湯は、字のごとく麻黄を含む典型的な漢方薬(麻黄剤)ですから体のがっちりした人向け、すなわち"超"実証用です。 ところが、通常は麻黄湯を飲んで動悸やむかつきが発現する虚証の人も、インフルエンザに罹患しているときは麻黄湯で通常は問題ありません。 インフルエンザのように高熱や関節痛など症状が激烈なときは、通常麻黄剤で不快な思いをする患者さんも1~2日は問題なく飲めるためです。 動悸などに気を配る必要はありますが、お湯に溶かして4時間毎に服用するよう指示してください。 通常は食間に1日3回ですが、1800年前にまとめられた漢方の「傷寒論」には「2日量を1日で」と書いてありますから、通常の倍量、すなわち4時間毎となるわけです。 インフルエンザの予防にも漢方は有用 傷寒論では、「微似汗が得られた後は桂麻各半湯(けいまかくはんとう)に変更する」とあります。 桂麻各半湯は、桂皮、麻黄、芍薬(しゃくやく)、生姜(しょうきょう)、大棗(たいそう)、甘草、杏仁を含む漢方薬ですから、桂麻各半湯が入手しにくい場合は桂枝湯と麻黄湯を半分ずつ飲みます。 症状が落ち着いた後ならば、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)でもよいでしょう。 こちらには麻黄は含まれていません。 私の妻が風邪を引いた場合、通常は一番体に優しい麻黄剤である麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)を処方しています。 ですが、インフルエンザのときだけは麻黄湯を処方しています。 一昨年、妻がインフルエンザに罹患した際は、2日間麻黄湯を処方し、2日目の夜に動悸を感じたこともあり、柴胡桂枝湯に変更しました。 抗ウイルス薬などの西洋薬との併用は問題ありません。 ただし、麻黄湯を服用する場合、解熱剤の使用はできれば半日は待ってください。 解熱剤を使用すると汗をかきますから、麻黄湯を止めるタイミングが分からなくなってしまうからです。 もちろん、高熱で解熱が必要な場合は解熱剤を使うべきです。 インフルエンザの予防にも漢方薬は有効です。 3年前の新型インフルエンザの流行時に、私は補中益気湯(ほちゅうえっきとう)の予防効果を調べるため、自分が週に一度勤務する愛誠病院(東京都板橋区)の職員を対象とした臨床研究を実施しました。 職員を179人ずつ2群に分け、一方の群には1日2回、補中益気湯のエキス顆粒(5.0g)を最大8週間投与したのです。 結果、補中益気湯投与群では新型インフルエンザに感染したのは1人だったのに対し、非投与群では7人が感染。 両群には有意な差が出ました。 この結果は2010年の日本内科学会総会のプレナリーセッションでも発表しています。 「漢方薬を飲んでいると風邪を引きにくい」という印象を常々証明したいと思っていたので、新型インフルエンザはとても勉強になりました。 補中益気湯を「おいしくない」と感じる人は、小柴胡湯(しょうさいことう)がいいと思います。 補中益気湯は「虚証用の小柴胡湯」とも呼ばれるからです。 急性発熱性疾患の治療法をまとめた「傷寒論」 さて、先ほど名前を紹介した「傷寒論」について、もう少し解説を加えておきましょう。 傷寒論は約1800年前の後漢の時代にまとめられた、急性発熱性疾患に対する治療方法を記した本で、日本における漢方のバイブルのようなものです。 その頃は本といっても紙に書かれたものではありません。 1800年前は紙が普及していないので、竹を割って並べ、糸でつないだもの(竹簡)に炭で書いたのです。 その結果、重複は少なく、なるべく簡潔に記載されています。 その竹簡の傷寒論を、紙が普及した時代に書き写したものが現代に伝わっている傷寒論です。 傷寒論にはたくさんの漢方薬が記載されていますが、麻黄湯、葛根湯、麻黄附子細辛湯、桂枝湯がキモとなります。 麻黄湯が最も実証用で、徐々に虚証用の薬となっていきます。 麻黄湯は字のごとく麻黄を含む典型的な漢方薬で"超"実証用です。そして麻黄を含まないものとして桂枝湯があるわけです。 桂枝湯がないときは香蘇散(こうそさん)でも代用可能です。 すなわち、風邪には体格に応じて麻黄湯、葛根湯、麻黄附子細辛湯、桂枝湯のいずれかを処方することになります。 インフルエンザに対する麻黄湯投与の際と同じく、微似汗が得られれば快方に向かいますが、動悸やむかつきなどの不快な症状が出てしまったり、いくら飲んでも汗が出ない、逆に汗が多量に出る場合は処方選択の失敗です。 処方を変えてみてください。 より安全なのは虚証用の薬ですが、快方に向かうまで時間がかかってしまいます。 ですから、患者さんに応じた、効果的な麻黄剤を選択するようにしてください。 また、漢方好きであれば日頃から自分や自分の家族が、どの漢方薬(麻黄湯、葛根湯、麻黄附子細辛湯、桂枝湯)が適切かを知っていると風邪程度ならば怖くなくなります。 是非、ご自宅に漢方薬を用意してください。不快な症状なしに微似汗を得られるとはどのようなことなのか、またインフルエンザのような激烈な症状のときは麻黄湯を飲めることを自分で体験すると、きっと漢方薬を処方するのが怖くなくなると思います。 出典 NM online 2012.2.21 版権 日経BP社
by wellfrog4
| 2012-02-22 00:05
| 感染症
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