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2型糖尿病治療における早期血糖コントロールの重要性や,ビルダグリプチンをはじめとするDPP-4阻害薬に期待される役割について討議した記事で勉強しました。 2型糖尿病における早期血糖コントロールの重要性 -DPP-4阻害薬ビルダグリプチンに期待される役割とは- 新規2型糖尿病患者を対象とした大規模前向き介入試験UKPDSの追跡調査UKPDS80では,早期の厳格な血糖コントロールが,細小血管障害だけでなく大血管障害の抑制にも寄与することが示された。 2型糖尿病への早期介入の意義に関心が集まる中,わが国では新規経口血糖降下薬としてジペプチジルペプチダーゼ(DPP)-4阻害薬が相次いで承認され,中でもビルダグリプチン(エクア®)は,DPP-4との強固な共有結合による良好な血糖コントロールが期待できることから,注目されている。 日本人の2型糖尿病はインスリン分泌不全が主体 ■日本人を含むアジア人の2型糖尿病の病態にはインスリン分泌不全の関与が大きいことが知られており,早期から膵β細胞の保護を念頭に置いて血糖コントロールに努める必要がある。 ■日本人2型糖尿病の病態はインスリン分泌不全が主体であり,膵β細胞機能の保護を重視すべきである。 また,UKPDSの追跡調査UKPDS80において,スルホニル尿素(SU)薬による早期の厳格な血糖コントロールが,細小血管障害だけでなく大血管障害も抑制することが示され1),早期介入の重要性が示唆された。 この効果は“Legacy Effect”と呼ばれ,注目されている。 ■ UKPDSでは,糖尿病と診断された時点で,患者の膵β細胞機能は既に健康な人の半分に低下しており,治療を行っても機能低下の阻止は困難であることが示されている2)。 これもまた,膵β細胞機能を重視した早期介入の重要性を示唆している。 ■個々の症例によって異なる問題ですが,食後高血糖が動脈硬化の発症・進展など種々の悪影響を及ぼすことは明白なので,食後高血糖が目立つ症例に対してはHbA1cがさほど高くなくても積極的に薬物療法を開始し,血糖を是正する必要がある。 ■低血糖に注意しながら血糖コントロールを進める上で,DPP-4阻害薬は現在使用可能な経口血糖降下薬の中でも非常に期待できる薬剤である。 DPP-4阻害薬は低血糖の懸念と体重への影響が比較的小さい ■既存の経口血糖降下薬を用いた2型糖尿病治療には,単独では良好な血糖コントロールを長期間維持することが困難であることや種々の副作用の懸念など,克服すべき課題が残されていた。 そうした中,新たに登場したのがDPP-4阻害薬である。 ■消化管ホルモン・インクレチンの1つグルカゴン様ペプチド(GLP)-1は,主に下部消化管のL細胞から分泌され,膵β細胞のインスリン分泌を促進,膵α細胞のグルカゴン分泌を抑制して血糖を降下させる。 DPP-4阻害薬は,GLP-1を分解する酵素DPP-4を阻害し,内因性のGLP-1濃度を高め,インスリン分泌不全とグルカゴン過剰分泌の双方を調節することで血糖降下作用を発揮する。 ■GLP-1のインスリン分泌促進作用は血糖値に応じて増強するので,DPP-4阻害薬は高血糖時のみインスリン分泌を促進し,単独投与では低血糖を起こしにくいと考えられている。 また,体重への影響が比較的小さいのも特徴である。 ■初めて糖尿病と診断され,治療に不安を感じている患者は,服薬後に低血糖を起こすと極端にアドヒアランスが低下しかねない。 単独投与ではこうした懸念なく処方できるのが,DPP-4阻害薬のメリットの1つである。 空腹時血糖値が200mg/dL以上を示すような高血糖状態が持続すると,膵β細胞の糖認識機構が働かなくなってしまう恐れがある。 ■現時点では,肥満型でインスリン抵抗性が強い症例はメトホルミンから,非肥満型でインスリン分泌不全が主体と思われる症例はDPP-4阻害薬から開始するという考え方がある。 ■糖尿病治療の目標の1つは,血糖を正常化し,健康な人のインスリン分泌パターンに近づけることにある。DPP-4阻害薬は食後高血糖を抑え,低血糖の心配が比較的少ない薬剤であることが,持続的血糖モニタリングシステム(CGMS)のデータからも読み取れる。 その意味で,糖尿病治療の目標を達成しうる経口血糖降下薬として現時点で最も有望なのは,DPP-4阻害薬である。 ■従来の経口血糖降下薬は,血糖を改善させる一方で体重増加を来しうることが,治療上の大きな問題であった。 体重増加を来しにくいDPP-4阻害薬は,肥満型の症例にもメリットが大きいと考えられる。 DPP-4阻害薬はSU薬のベストパートナーになりうる ■ビルダグリプチンの特徴の1つは,DPP-4と共有結合することである。 そのため,DPP-4と強固に結合し,その活性を長時間にわたり阻害する。 血糖コントロールが十分に得られていない2型糖尿病患者を対象とした国内臨床試験では,ビルダグリプチン50mg1日2回,12週投与によるHbA1cのプラセボ群との変化量の差は1.2%であった(図1)。 また,ビルダグリプチンは性,年齢,BMI,罹病期間など患者背景にかかわらずHbA1cを低下させることが示されている3)。 特に強調したいのが,ビルダグリプチンは日本人において,より高い有効性を発揮する可能性が示唆されているという点である(図2)。 ■ビルダグリプチンは, (1)単独投与で低血糖や体重増加の心配が比較的少ない, (2)DPP-4阻害薬の中でも血糖降下作用に優れる, (3)膵β細胞保護の可能性がある —という点で,薬物治療歴のないHbA1c 6.1~7.9%の症例に対する初回治療が良い適応と考えられる。 ■ビルダグリプチンはインスリン初期分泌改善作用に優れ,食後高血糖の是正が期待できる。 ■SU薬とビグアナイド薬の併用で効果が不十分となった症例において,ビグアナイド薬をビルダグリプチンに変更することで著効が得られることも多く,SU薬とビルダグリプチンの併用は有用である。 ■ビルダグリプチンをはじめとするDPP-4阻害薬は,SU薬のベストパートナーになりうる薬剤である。 ■わが国の検討では,SU薬グリメピリドとの併用療法としてビルダグリプチン50mgまたはプラセボを1日2回,12週投与したところ,ビルダグリプチン追加投与群でHbA1cがベースラインから1%低下し,SU薬とビルダグリプチン併用の有用性が示唆されている(図4)。 ■SU薬にDPP-4阻害薬を追加投与する際,日本糖尿病学会の勧告に沿ってSU薬を減量する必要がある。効果と安全性の両面から,少量のSU薬とDPP-4阻害薬併用は有用である。 ビルダグリプチンに寄せる期待 ■ DPP-4阻害薬の登場以降,より良好,より安全に血糖コントロールを達成しえた症例が増えた。 その意味で,待望久しい薬剤の登場であった。 ■インスリンとグルカゴンの作用と質をバランス良く保つという意味で,ビルダグリプチンのグルカゴン分泌抑制作用も注目される。 また,インクレチン関連薬全般に関しては,“beyond glucose”とも言うべきプレイオトロピック作用の解明も期待される。 ■単独処方では低血糖や肥満の懸念が少なく,確実な血糖改善が期待でる。 HbA1c 7.9%までの中等度コントロール不良例が良い適応であるが,HbA1c 6.1%を超えた早期からでも安心して処方可能で,HbA1c 5%台の目標を目指すことがでる。 ■強いDPP-4阻害活性を持つため,他のDPP-4阻害薬からの切り替えも考慮できる。 腎機能低下例注)や高齢者にも比較的安全に処方可能であり,その意味では,経口血糖降下薬の第一選択としての役割が期待される。 もちろん腎機能低下例や高齢者に対しては安全性に配慮しながら注意深い投与に努めるべきであり,シックデイへの対処法も念頭に置くべきである。 1)Holman RR, et al. N Engl J Med 2008; 359: 1577-1589. 2)Diabetes 1995; 44: 1249-1258. 3)門脇孝ほか: 新薬と臨牀 2011; 60: 217-230. 出典 Medical Tribune 2011.10.20 版権 メディカル・トリビューン社
by wellfrog4
| 2012-04-14 00:06
| 糖尿病
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