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第21回 世界糖尿病会議:IDF2011(2011.12.4〜8)の記事で勉強しました。 糖尿病血管合併症の予防、AGE-RAGE系などが新しい治療ターゲットになりうる アラブ首長国連邦、ドバイで開催された第21回世界糖尿病会議:IDF2011の3日目、「New and old targets for diabetic complications」と題するシンポジウムが開催され、糖尿病合併症である腎症、網膜症、神経障害、そして血管障害を予防するための新しい治療ターゲットについて、4人のエキスパートが講演を行った。 その中から、血管合併症の治療ターゲットについて、最新知見を紹介したオーストラリア・Baker IDI Heart & Diabetes InstituteのK. Jandeleit-Dahm氏が行った講演をまとめた。 糖尿病の血管合併症は、高血糖や終末糖化産物(AGE)、酸化ストレスといった代謝系の因子だけでなく、血行動態の因子も加わり発症する。 これらの因子は細胞内シグナル伝達系を活性化し、成長因子や炎症性サイトカインの発現を亢進させ、動脈硬化を進展させる。 これらの因子の中で最も広く知られているのはAGEである。 AGE受容体(RAGE)はマクロファージや糸球体の足細胞、内皮細胞などに広く発現しており、RAGEがAGEによって刺激されると、細胞は活性化し、TNF-αやIL-1などのサイトカイン産生、細胞増殖、細胞外マトリクス蛋白産生、血管新生、成長因子産生などが亢進する。 糖尿病モデル動物を用いた検討では、AGE形成を阻害すると血管壁のプラーク形成が抑制され、AGE阻害薬にレニン‐アンジオテンシン系阻害薬を併用するとさらにプラーク形成が抑制されることが報告されている。 また、糖尿病を発症させたアポE欠損マウス(動脈硬化モデル動物)に可溶性RAGEを投与すると、動脈硬化進展の抑制を認める。 可溶性RAGEはデコイ(おとり)受容体としてAGEと結合することで、RAGEの作用を阻害すると考えられている。 さらに、グルコースの中間代謝産物であるメチルグリオキサールはAGE産生に関与しているが、アポE欠損マウス、アポE/RAGEダブル欠損マウスともに血中メチルグリオキサールの増加が認められる。 しかし、アポE/RAGEダブル欠損マウスでは、動脈硬化の進展が抑制されることが報告されており、RAGEを欠損させることで、動脈硬化促進に向かう細胞内伝達系の活性化が抑えられると考えられる。 また、細胞内で活性酸素種を産生するNADPHオキシダーゼ(NOX)にも注目が集まっている。 NOXにはいくつかのアイソフォームがあり、糖尿病患者の動脈硬化巣ではどのアイソフォームも高い確率で発現している。 アポE欠損マウスに糖尿病を発症させるとプラーク面積が増大するが、同時にNOX1を欠損させたマウスでは糖尿病を発症させてもプラーク面積の増大は認めなかった。 また、糖尿病を発症させたアポE欠損マウスにNOX1/NOX4の阻害薬を投与した場合にもプラーク面積の増大は抑制された。 同様に、生体内の活性酸素種による酸化ストレスを軽減する物質にGPx-1がある。 糖尿病を発症させたアポE欠損マウスにおいて、さらにGPx-1を欠損させると、炎症性サイトカインの産生が亢進し、動脈硬化の進展が促進された。 したがってGPx-1類似物質であるエブセレンは、動脈硬化促進に向かう経路を抑制できる可能性がある。 その他、エンドセリン-1は強力な血管収縮作用を持ち、血行動態の調節因子として注目されている。 糖尿病モデルマウスを用いた検討では、エンドセリン-1受容体を遮断することで、動脈硬化の進展が抑制された。 こうした最新の研究成果をまとめてJandeleit-Dahm氏は、糖尿病の血管合併症を予防するために、AGE-RAGE系、NOXなどの酸化ストレス、エンドセリン-1受容体などが新しい治療ターゲットになりうると指摘し、これらの因子に介入することで動脈硬化に向かう経路を抑制し、糖尿病における動脈硬化進展も抑制できる可能性があると強調した。 山岸 倫也(医療ライター) 出典 http://www.m3.com/academy/report/overseasArticle/10061/?refererType=mailmagazine&&portalId=mailmag&mm=TU111209_111 読んでいただいて有り難うございます。 コメントをお待ちしています。 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 「葦の髄」メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (「葦の髄から循環器の世界をのぞく」のイラスト版) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/
by wellfrog4
| 2011-12-17 00:31
| 糖尿病
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