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高血圧は末梢神経障害の原因になりうる 高血圧は糖尿病性末梢神経障害の発症・進展危険因子の1つであることが疫学研究から示されているが,その関係は明らかではない。 オタゴ大学(ニュージーランド・ダニーデン)内科の額田均氏(額田医学生物学研究所理事長)らは,高血圧自然発症ラット(SHR)を用いた検討から,高血圧が末梢神経障害の原因になりうることを示唆した。 神経伝導速度が28週以降遅延 額田氏らは,SHRの血圧,心拍数の推移を生後40週まで,神経伝導速度の推移を44週まで追跡し,それぞれコントロールラット(WKY)と比較した。 神経伝導速度は,運動神経伝導速度(MCV)を坐骨・脛骨神経で,感覚神経伝導速度(SCV)を腓腹神経で測定した。 さらに,44週後に脊髄,後根神経節(L4-6),坐骨・脛骨神経,腓腹神経の病理学的観察を44週後に行い,両群間で比較した。 SHR群の収縮期血圧,拡張期血圧,心拍数は生後8週から有意に上昇し,8週,24週,40週でWKY群に比べて有意の高値を示した。 MCVは生後16週まで両群間で有意差がなかったが,28週,44週ではSHR群が有意に遅延。 SCVも28週,44週でSHR群が有意に遅延していた。 病理学的観察では,髄鞘内浮腫を示唆するMyelin splitting所見がSHR群で全有髄線維の4.7%に認められ,WKY群の0.5%に比べて有意に多かった。 また,軸索浮腫を示唆するMyelin infolding所見はSHR群で全有髄線維の13.5%に認められ,WKY群の3.8%に比べて有意に高率だった。血管壁肥厚もSHR群で高度だった。 以上から,同氏は「高血圧は末梢神経障害の原因となりうる。コントロール不良な高血圧患者では末梢神経障害が生じる可能性がある」と述べた。 ただし,SHRの血圧上昇は著明なため,臨床との乖離を考慮する必要性も示唆した。 出典 Medical Tribune 2011.10.27 版権 メディカルトリビューン社 <私的コメント> 高血圧がどのようにして末梢神経障害を起こすか、というメカニズムに迫った研究ではなさそうです。 さらにはSHRが、血圧に関係なく末梢神経障害を起こすモデル動物であるという可能性は否定出来るのでしょうか。 出典 Medical Tribune 2011.10.27 版権 メディカルトリビューン社
by wellfrog4
| 2011-11-05 00:42
| 神経内科
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