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~DPP-4阻害薬のメタ解析~ 心血管イベントリスクは3割減に 新規糖尿病治療薬には,十分な血糖降下作用に加えて,心血管イベントリスクを上昇させないことも求められている。 DPP-4阻害薬を用いたランダム化比較試験(RCT)のメタ解析から,同薬により心血管イベントリスクが30%減少することが判明。 Careggi教育病院(伊フィレンツェ)のEdoardo Mannucci氏が第47回欧州糖尿病学会(EASD 2011)で発表した。 1年以内の試験でも低減効果あり MEDLINEとEMBASEを検索し,DPP-4阻害薬〔シタグリプチン,ビルダグリプチン,アログリプチン,リナグリプチン,saxagliptin(わが国未発売),dutogliptin(同)〕の全RCTを抽出。 論文化されていないRCTでもウェブサイトから可能なものは入手した。 試験期間が24週間以上で2型糖尿病患者を対象にプラセボ/実薬対照(経口血糖降下薬やインスリン)とDPP-4阻害薬を比較したRCTは計53件(DDP-4阻害薬群2万132例,対照群1万3,569例)だった。 53試験中42試験で主要心血管イベントについて記載があり,257件が報告されていた(DPP-4阻害薬群137件,対照群120件)。 Mantel-Haenszel法でオッズ比(MH-OR)を求めたところ,DPP-4阻害薬はプラセボや他の糖尿病治療薬に比べて主要心血管イベントリスクを有意に低減させることが明らかとなった(MH-OR 0.689,95%CI 0.528~0.899,P=0.006)。 サブグループ解析からは,試験期間(52週未満/以上)やDPP-4阻害薬の種類,他の糖尿病治療薬の種類にかかわらず,DPP-4阻害薬により同リスクが低下することも分かった。 Mannucci氏は「短期間でDPP-4阻害薬により主要心血管イベントリスクの有意な低減が得られたことは,予想外だった」と述べ,推測しうる心血管保護効果として,GLP-1受容体刺激による心筋への直接的作用や,虚血プレコンディショニング,血管内皮への直接的影響などを挙げた。 最後に,心血管イベントは今回対象としたRCTでは1次評価項目でなく単に有害事象として報告されたものであることや,短期試験の結果でDPP-4阻害薬投与による長期的効果を推し量ることはできないことを指摘した上で,「現時点でのメタ解析の結果は,DPP-4阻害薬が心血管イベントに対して保護的に作用する可能性を示唆している」と結んだ。 出典 Medical Tribune 2011.10.27 版権 メディカル・トリビューン社
by wellfrog4
| 2011-10-31 00:30
| 糖尿病
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