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ビルダグリプチン;強い血糖降下作用と血糖日内変動改善作用 田尾 (DPP-4阻害薬の処方経験) 糖尿病歴が長く,SU薬等の既存の経口血糖降下薬でコントロール不良の約100例にDPP-4阻害薬を投与しました。 その結果,HbA1cは3~4カ月で約0.6%低下し,満足のいく効果を得ています。 片岡 わたしも,主にSU薬でコントロール不良の症例において,SU薬を減量してDPP-4阻害薬を併用,HbA1cは0.5~0.7%低下しています。 石田 DPP-4阻害薬は,従来薬でコントロール不良の患者さんへの追加併用でも,優れた血糖降下作用をもたらすということですね。 綾目( ビルダグリプチンは、どのような症例が良い適応になるか?) 保険診療上,ビルダグリプチンは単独使用かSU薬との併用が認められています。 そこでわたしは,2型糖尿病と診断されて薬物治療を開始する症例での第一選択薬,あるいはSU薬を使用中であと少しHbA1cを低下させたい症例などに処方しています。 綾目 (ビルダグリプチンの投与成績) 当院で2010年8月にビルダグリプチン投与を開始した12症例を対象として,前向きに血糖管理指標の推移を検討しました。 その結果,3カ月の投与でHbA1cは8.3%から7.1%に低下,治験成績(図4)と同等の強い血糖降下作用が示されました。 HbA1cは過去1~2カ月間の平均血糖値を反映しますが,1,5-AGは過去数日間の血糖値を反映する短期的指標です。 ビルダグリプチンでは投与4~5週で1,5-AGがプラトーに達したため,他のDPP-4阻害薬と比べ血糖降下作用の発現が速いとの印象を持ちました。 また,HbA1cが7.5%以下の場合,1,5-AGは血糖日内変動幅を反映するとされています。 そうした症例でビルダグリプチンは1,5-AGを上昇させますので,血糖日内変動幅を縮小したと考えられます。 石田 糖尿病患者の心血管病を予防するには,食後高血糖の是正も重要です。 HbA1cが同じでも血糖日内変動幅が少ない方が「上質なHbA1c」といわれるようになっています。 ビルダグリプチンが血糖日内変動を抑えることを示唆する成績は,心血管病の進展抑制にも期待が持てますね。 田尾 血糖日内変動はAGEsの産生にも影響を与えるのですか。 山岸 血糖日内変動は酸化ストレスを亢進させ,酸化ストレスはAGEs産生を増加させます。 血糖日内変動の改善は,AGEs産生を減少させる可能性がありますね。 血糖日内変動;改善に有用なビルダグリプチン1日2回投与 田尾 わたしは,ビルダグリプチンは他のDPP-4阻害薬よりHbA1c降下作用が強いとの印象を持っています。血糖日内変動の改善については,DPP-4阻害薬間で差がありますか。 山岸 ビルダグリプチンは共有結合によりDPP-4と強く結合するため,DPP-4活性を長時間阻害します。 海外の2型糖尿病患者を対象とした研究で,持続皮下血糖モニター(CGMS)を用いて日内変動を比較したところ,ビルダグリプチンは他のDPP-4阻害薬より食間の活性型GLP-1濃度を高く維持し,血糖の日内変動幅を縮小していました。 石橋 Marfellaらはこの検討で,「ビルダグリプチンで空腹時血糖,HbA1cが同等でも,glycemic excursionが小さくなった。それが血管障害を防ぐのではないか」と言っています。 片岡 いわゆるMAGE(mean amplitude of glycemic excursion)ですね。 石橋 ビルダグリプチンは,食間の活性型GLP-1濃度を高く保つので,インスリン分泌を促しグルカゴン分泌を抑えて,食後血糖を大きく下げるのだと思います。 綾目 わたしも,ビルダグリプチンは食後高血糖改善作用に優れていると思います。 αグルコシダーゼ阻害薬をビルダグリプチンに切り替え,食後血糖値が低下した例を経験しました。 一方,グリニド系薬を使用し食後に低血糖と思われる脱力感を訴えていた症例で,ビルダグリプチンに切り替えたところ,脱力感が見事に消え大変感謝されました。 ビルダグリプチンは,血糖値に応じたインスリン分泌を促し,血糖変動幅を縮小する有用な薬剤と評価しています。 田尾 ビルダグリプチンを使用した後,食事前の空腹感が和らぐようになったという患者さんがいます。 空腹感は血糖の絶対値と,血糖低下幅の両方から生じます。 ですから,ビルダグリプチンが食後血糖を下げ,空腹時の血糖低下を緩和したことで,空腹感が弱まるのではないかと推測しています。 綾目 他のDPP-4阻害薬は1日1回投与ですが,ビルダグリプチンは1日2回投与が推奨されています。 朝の服用で日中の食後高血糖を改善し,夜の服用で夜間のグルカゴン分泌を減少させて早朝高血糖を抑制する。 これは,血糖変動幅を縮小する上で優れた投与法だと思います。 石橋 ところで,糖尿病では軽度の腎障害例が多く見られます。 ビルダグリプチンは他のDPP-4阻害薬と比べ未変化体の尿中排泄率が低く,軽度の腎障害例にも投与可能です。 石田 本座談会では,糖尿病性血管障害の原因であるAGEsの蓄積を防ぐため,早期からの血糖管理が重要であること,ビルダグリプチンにはAGEs-RAGE系の抑制作用が示唆されていることを解説していただきました。 さらに,ビルダグリプチンがHbA1cを良好に低下させるのみならず,食後高血糖の改善にも有用であることが確認されました。 早期からのビルダグリプチンによる血糖管理で,心血管病の進展が抑制されることを期待したいと思います。 HbA1c値はすべてJDS値です。 2010年7月1日より新しい表記としてHbA1c(国際標準値)=HbA1c(JDS値)+0.4%が採用されました。 注)ビルダグリプチンは,中等度以上の腎機能障害のある患者または透析中の末期腎不全患者に対しては慎重投与とされています。 出典 MT Pro 2011.9.1 版権 メディカル・トリビューン社 読んでいただいて有り難うございます。 コメントをお待ちしています。 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 「葦の髄」メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (「葦の髄から循環器の世界をのぞく」のイラスト版) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/ 「井蛙」内科メモ帖 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科関係の専門的な内容)
by wellfrog4
| 2011-09-12 00:58
| 糖尿病
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