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CKD診療ガイドラインの改訂動向示す わが国の慢性腎臓病(CKD)のガイドラインは,2007年に非専門医向けの「CKD診療ガイド」,2009年に専門医向けの「エビデンスに基づく CKD診療ガイドライン」が発表された。 しかし,ここ数年でCKDの考え方は大きく変化した。 これを受け,それぞれ2012年,2013年の改訂に向けて作業が進められている。 横浜市で開かれた第54回日本腎臓学会 (総会長=東京医科歯科大学腎臓内科学・佐々木成教授)の総会長主導企画の1つ「CKD診療ガイドラインの評価とCKDの最近の動向」(司会=佐々木総会長,聖マリアンナ医科大学腎臓・高血圧内科・木村健二郎教授)では,ガイドライン作成の考え方や改訂動向が示された。 ~ガイドラインの柱となるEBM手法~ 過信を警告,質高い観察研究の存在強調 「ランダム化するだけで最善のエビデンスが得られるという保証はない」,「P値過依存症から脱却しよう」—。 京都大学大学院医療疫学分野の福原俊一教授は,ガイドライン作成の柱となるEBMの手法について,過信しないよう求めるとともに,質の高い分析的観察研究の重要性を示唆した。 区間推定の使用を推奨 診療ガイドラインをつくれるようになったのは,EBMの考え方が普及したからといっても過言ではない。 このEBMについて,一般には「エビデンスの質を左右するのは研究デザインの型」,「後ろ向きコホートは前向きコホートよりも研究の質が劣る」,「有意差検定のP値が小さいほどエビデンスの質が高い」ととらえられている。 しかし,福原教授はいずれも誤りだと指摘。 質の高いエビデンスが得られる研究デザインの型として,ランダム化比較試験(RCT)が最も上位に位置付けられているが,「RCTは交絡を防止できるものの,情報バイアス,選択バイアスを調整することはできない」,「ランダム化だけで,最善のエビデンスの質が得られるという保証はない」と警告した。 P値についても「P値が0.05未満ならそのまま診療ガイドラインのエビデンスとして採用しようと機械的に判断するのはいかがなものか」,「P値過依存症を脱却しよう」と注意を呼びかけた。 P値は1つの値で同時に2つの特性を反映する。 効果の大きさとそれを推定する精度(ばらつき)だ。 しかし,どちらの特性を強く反映しているかは,P値だけ見ても分からない。 同教授は解決策として,区間推定の使用を推奨した。 区間推定は2つの特性を別々に示す上,視覚的で分かりやすい。 効果の方向性を把握できるというメリットもある。 さらに,同教授は「RCTでも質の低い研究がある。逆に,よくデザインされた観察研究はRCTと同様の結果をもたらすことが報告されている」と述べた。 その例としてDOPPS(Dialysis Outcomes and Practical Patterns Study)を挙げた。 同試験は,日本,欧州,北米などの343施設が参加した,質の高い分析的観察研究。 日本の透析患者のアウトカムが世界一良好であることを示し,アウトカム改善の鍵を世界に発信することができた。 しかも,診療(血管アクセスとしての内シャント)や保険診療体制(透析時間)にも影響を与えるほどのインパクトがあったとした。 ~2009年KDIGOコンセンサス~ 尿蛋白でも評価,ステージ3をGFRで2分 わが国の「CKD診療ガイド」は,2012年の同学会総会までに改訂される予定だ。 責任者の名古屋大学腎臓内科学の今井圓裕特任准教授は,その背景となるKDIGO(Kidney Disease Improving Global Outcomes)の新しいCKD重症度分類に関するコンセンサスを紹介するとともに,同分類におけるわが国のCKD患者数を提示した。 GFR 45で切ると443万人 わが国の現行のCKD重症度分類は,2004年のKDIGOの重症度分類に基づいたものだが,種々の問題点が指摘されている。 まず,末期腎臓病(ESRD)の重要な危険因子である尿蛋白が,ステージ3以上の重症度分類に反映されていないこと。 また,CKDの糸球体濾過量(GFR)閾値も議論の的になっている。 KDIGO 2004のmoderate(ステージ3)に相当する30~59mL/分/1.73m2の患者は,わが国では1,000万人以上に上る。 その多くは高齢者であることから,生理的な腎機能低下を考慮し,年齢で分けるべきとの声が上がっている。 さらに,糖尿病性腎症,慢性腎炎など,原疾患ごとに分類すべきかどうかも課題とされている。 今井特任准教授によると,2009年のKDIGO Controversies Meetingで,次のようなコンセンサスが得られた。 (1)原疾患を記載する (2)CKDのGFR閾値は60mL/分/1.73m2未満でよい (3)65歳以上も同じ定義でよい (4)すべてのステージにおいて,GFRとともに尿蛋白(アルブミン尿30mg/gCr以上を陽性)を評価する(5)GFRによる重症度分類では,30~59mL/分/1.73m2のステージ3を,45~59mL/分/1.73m2のG3A(Mild-moderate)と30~44mL/分/1.73m2のG3B(Moderate-severe)に2分する—など。 こうした新しいCKD重症度分類ごとに,日本人の患者数を推算すると,G3Aの尿蛋白陰性886万人,尿蛋白陽性58万人,G3Bではそれぞれ106万人,24万人(表)。 尿蛋白陽性またはGFR 60mL/分/1.73m2未満は1,329万人(国民の12.9%)だったが,尿蛋白陽性またはGFR 45mL/分/1.73m2未満は443万人(同4.3%)まで減少したという。 ~糖尿病性腎症のガイドライン改訂~ 症例別の血糖・血圧管理,蛋白制限議論 金沢医科大学糖尿病・内分泌内科学の古家大祐部門教授は,糖尿病性腎症に関するガイドラインの改訂に向け,診断指標の予後因子としての重要性,個々の症例に応じた血糖,血圧の管理目標や蛋白制限レベルの設定などについて議論していく必要性を示唆した。 厳格な管理は腎症には有用だが 糖尿病性腎症に関しても,近年多くの新しい知見が得られている。 例えば,蛋白尿,血清クレアチニンによる推算GFR(eGFR)など,これまで診断に用いられてきた指標が治療経過や予後と相関すること。 古家部門教授らのグループは,2型糖尿病を有する早期腎症患者216例を6年間フォローアップした結果,正常アルブミン尿へと改善したremission例が51%に認められ,remission群では心血管複合エンドポイント(透析導入含む)のリスクが蛋白尿不変群よりも75%低下した(図)。 さらに,シスタチンC値も予後との相関が報告されている。 同部門教授は「新しいガイドラインでは,蛋白尿,eGFR,シスタチンCなどを予後因子として加味していきたい」と述べた。 血糖管理については,厳格な管理が腎症の進展抑制に有用とされるが,心血管イベントや死亡のリスクに対しては抑制効果が明確でなく,一部ではリスクを増大させることが報告されている。 また,血圧に関しても,厳格な管理は腎症の進展抑制には有用だが,心血管イベントや死亡のリスク低減に寄与しないというデータが明らかにされている。 したがって,同部門教授は「ガイドライン改訂に際して,個々の症例に応じた血糖,血圧管理について検討していく必要があろう」と指摘。 さらに,蛋白制限に関しても,有効性を示唆する報告は得られているが,制限レベルによる効果の差や長期継続の難しさが指摘されていることから,症例ごとの設定が望まれるとした。 出典 Medical Tribune 2011.8.25 版権 メディカル・トリビューン社
by wellfrog4
| 2011-08-27 00:21
| 腎臓病
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