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第54回日本糖尿病学会でのインクレチン関連薬に関する報告記事で勉強しました。 DPP-4阻害薬の位置付け探る インクレチン関連薬であるDPP-4阻害薬がわが国の実臨床に導入されて1年半。 同薬の単独療法や他の経口糖尿病薬との併用のデータが着実に積み重ねられてきている。 日本人ではどのような使い方がより効果的なのか−。 札幌市で開かれた第54回日本糖尿病学会(会長=旭川医科大学内科学講座病態代謝内科学分野・羽田勝計教授)のシンポジウム「インクレチン関連薬の臨床」〔座長=関西電力病院(大阪府)・清野裕院長,川崎医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科・加来浩平教授〕では,日本人2型糖尿病患者に対するDPP-4阻害薬の効果や位置付けについて報告がなされた。 魚介類摂取多いとHbA1c低下作用大きい DPP-4阻害薬を単剤で服用している患者では魚介類の摂取量が多いほどHbA1cがよく低下することを,関西電力病院糖尿病・栄養・内分泌内科の矢部大介副部長と同院疾患栄養治療部の岩崎真宏氏らのグループが報告した。 ドコサヘキサエン酸(EPA)やエイコサペンタエン酸(DHA)などの血中濃度と同薬の作用に良好な相関が示されたという。 正常域に近づくとGIPが主体に 矢部副部長は,日本人2型糖尿病患者におけるインクレチン分泌のデータを紹介。 食事摂取後,グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)は良好に応答し血中濃度が上がるのに対して,グルカゴン様ペプチド(GLP)-1は応答が悪い。 健康人でも同様のデータが得られており,日本人は食事に対するGLP-1分泌が弱いことが分かってきた。 2型糖尿病患者でのGLP-1分泌の規定因子を検討したところ,空腹時遊離脂肪酸やHbA1cとは正の相関,DPP-4活性とは負の相関が示されたが,インスリンの分泌や抵抗性とは明らかな相関は認められなかった。 同院でのDPP-4阻害薬シタグリプチン単独投与例では,元のHbA1cが高い患者ほど同薬による低下幅も大きいが,HbA1c 7%以上群での12カ月後の6.5%未満達成率は5割にとどまるため,同副部長は「HbA1cが高い患者への適応に関しては慎重に考える必要がある」と述べた。 食事調査から,食品ごとの摂取量とDPP-4阻害薬によるHbA1c低下作用との相関を見たところ,魚介類の摂取量が多いほどHbA1cがよく下がることが判明。 EPAやDHAの血中濃度とHbA1c低下度にも良好な相関が示され,多価不飽和脂肪酸を多く摂取する患者で同薬の効果が強かった。 ちなみに,基礎研究では,EPA,DHAが腸管L細胞のGPR120を介してインクレチン(GLP-1)分泌を促進するが,そこへDPP-4阻害薬が入ることでさらにGLP-1が増強されること,またGPR120は膵β細胞にも発現しているため,EPAやDHAが直接,インスリン分泌を促している可能性も示唆されているという。 ところで,シタグリプチンを長期間使用すると,血糖改善効果は変わらないまま活性型GLP-1が減少し,逆に活性型GIPは増加することも分かってきた。 この点に関し,同副部長は「DPP-4阻害薬は,治療早期で血糖が高い時期には主にGLP-1の作用を介してβ細胞からインスリン分泌を促しているが,血糖が正常域に改善してくると今度はGIPを介した作用が主体となって働くのではないか」との考えを示した。 なお,DPP-4阻害薬よりさらに強い血糖低下作用を持つのが,GLP-1受容体作動薬。 低血糖リスク軽減,体重減少作用を期待して,同院でインスリンから同薬へ切り替えた症例のうち,糖尿病歴が長い,インスリン使用量が多いなど,β細胞機能が落ちていた患者では,高血糖によりGLP-1受容体作動薬を中断せざるをえなくなる率も高かったため,切り替えは慎重に行うべきとした。 メトホルミンとは良いコンビネーションに 糖尿病患者のほとんどが肥満である欧米ではメトホルミンが第一選択薬だ。獨協医科大学越谷病院糖尿病内分泌・血液内科の麻生好正教授は,同薬とDPP-4阻害薬の併用なら低血糖や体重増加が起こらず,食後高血糖もコントロールできるため,2型糖尿病患者の治療として良いコンビネーションとの認識を示した。 メトホルミン増量が今後の課題 欧米では,まずメトホルミン,次に基礎インスリンやスルホニル尿素(SU)薬を追加することになっている。 低血糖を起こしやすいこれら第二選択薬の代わりにインクレチン関連薬を用いるかについては議論があるが,麻生教授は「今後,肥満タイプの糖尿病が増えてくるわが国でもこうした治療が検討されるべきではないか」と述べた。 メトホルミンは従来,AMPキナーゼを介した肝臓での糖産生抑制,末梢でのグルコーストランスポート4による糖取り込み抑制というメカニズムがいわれていたが,加えて現在は,腸管L細胞でGLP-1分泌を促し,膵β細胞ではPPAR-α上昇を介してインクレチン受容体の発現を増加させ,それらによりインクレチン依存性インスリン分泌が起こって血糖が下がる機序が注目されている。 メトホルミン単独では抑えきれない食後高血糖が,DPP-4阻害薬の併用によりコントロールできることが分かっている。 長期効果に関しては,シタグリプチン100mg/日とメトホルミン2,000mg/日の併用で2年間にわたりHbA1c低下が十分持続することが欧米のデータで示されている(併用群でのHbA1c低下度1.7%)。 一方,わが国の臨床試験で使用されたメトホルミンの用量は500~750mg/日と少ないこともあり,同薬にDPP-4阻害薬アログリプチンを併用する治療で,1年後のHbA1c低下度は0.58%にとどまっていた。 メトホルミンは最近,抗がん効果も指摘されている。 糖尿病患者ではもともとがんによる死亡が多いことからも,同教授は「同薬の投与が極めて大事になってくる」と述べた。 同教授らの施設で,メトホルミン先行投与(平均670mg/日)患者にシタグリプチンを併用したところ,半年間でのHbA1c低下度は0.67%だった。メトホルミンを増量すればデータも変わってくるだろうという。 さらに同教授は,DPP-4阻害薬の反応を予測する因子についても検討。 わが国での同薬の臨床試験を見ると,サブグループ解析ではHbA1c低減効果に差が見られたものはなかった。 一方,メトホルミン服用者にDPP-4阻害薬を追加した海外の試験では,高齢になるほどHbA1c低減効果の持続性が高まることが判明した。 そこで,同教授らの施設でのシタグリプチン投与165例(6割がSU薬とメトホルミンを併用)について16週までを見たところ,高齢者ほどHbA1c低下度が大きいという有意な関連が認められた。 肥満者では非肥満者に比べ,HbA1c低下度が小さいものの,SU薬不使用者の方でやや効果が高いことも分かった。 3割でSU薬半減でき,体重も増えない シタグリプチンとSU薬を併用した450例の解析で,3割の患者でSU薬の量を半減でき,そうした症例では体重増加も見られなかったと,向ヶ丘久保田内科(神奈川県)の久保田章院長が報告。 神奈川県内科医学会糖尿病対策委員会が行っているシタグリプチンの調査研究(ASSET-K)の中間解析結果も併せて発表された。 SU薬が過剰投与だった可能性も ASSET-K登録1,332例のHbA1cは7.6%。シタグリプチン単独は2割で,8割は他の糖尿病薬を併用していた。 併用薬として最も多いのはSU薬で併用例の8割で使用,ビグアナイドも6割で使用されていた。 3カ月間でHbAc1はシタグリプチン単独群で0.7%,併用群で0.7~0.9%低下していた。 他剤からシタグリプチンへの切り替え群でも0.5%の低下が得られていた。 久保田院長は「少し大げさだが,糖尿病治療が底上げされたイメージだ」と述べた。 重回帰分析を行ったところ,シタグリプチンの効果と有意に相関する因子として,開始時のHbA1cおよび血糖値,BMI,SU薬使用,糖尿病罹病期間が抽出された。 ただし,BMIの場合,HbA1cへの影響としては非常に弱く,実臨床ではシタグリプチンは肥満型にもやせ型にも同じように効くとの認識でよいという。 SU薬も,併用しているとHbA1c低下度が0.1%少ないという程度でしかない。 低血糖発現は40例で,いずれも軽症であった。 糖尿病専門医による治療のため,SU薬の投与量も比較的少ない。 同院長は「DPP-4阻害薬市販後に,同薬とSU薬との併用例で重症低血糖が報告されたが,これは高用量のSU薬を使っていたためで,過剰な相乗作用により著明な高インスリン血症になった」と説明。 SU薬が適量であれば,両者の組み合わせは効果的との考えを示した。 続いて,同研究とは別の長期データも紹介。 SU薬使用下でも血糖コントロールが悪くシタグリプチンを併用するようになった452例で,1年余りでHbA1cが0.8%低下。 どのSU薬と併用しても相性が良い結果であった。 3割近くの患者でSU薬が減量でき,それら症例では同薬の用量が半分以下となっていた。 体重も,SU薬の量が変わらなかった群では半年間で0.4kg増えたのに対し,同薬減量群では0.1kg減っていた。 同院長は「SU薬を減らしてもシタグリプチンによる効果が認められるのは,シタグリプチンによりインスリン分泌が著しく回復することが大きいが,SU薬の一部は過剰投与だった可能性もある」と指摘。 SU薬グリメピリドは6mg/日まで使用できるが,同薬の用量反応性を見たアジア人のデータでは,3mg/日でコントロールできない場合,増量より他剤併用が望ましいことが示されている。 最後に,「SU薬の二次無効で従来ならインスリン治療しか手がなかった患者でも,DPP-4阻害薬の併用でインスリン分泌が回復し,血糖コントロールがうまくいく例が多い。ただし,SU薬を併用している以上,SU薬による低血糖の問題はついて回るため,注意が必要だ」と結んだ。 出典 Medical Tribune 2011.7.28 版権 メディカル・トリビューン社 読んでいただいて有り難うございます。 コメントをお待ちしています。 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 「葦の髄」メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (「葦の髄から循環器の世界をのぞく」のイラスト版) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/ 「井蛙」内科メモ帖 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科関係の専門的な内容)
by wellfrog4
| 2011-08-02 00:42
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