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ピオグリタゾン,シタグリプチンの間質性肺炎にいかに対処すべきか 今年(2011年)3月および5月,厚生労働省はピオグリタゾン(商品名アクトス),シタグリプチン(同ジャヌビア,グラクティブ)の重大な副作用に間質性肺炎を追加するよう,添付文書改訂を関係者に通達した。 両薬剤とも糖尿病の管理には欠かせない薬剤で,臨床医には今後,間質性肺炎のリスクを回避しながらこれらの薬剤を使いこなすことが求められる。 そこで,日本呼吸器学会のびまん性肺疾患診断・治療ガイドライン作成委員会の委員長を務めた経験を持ち,抗がん薬ゲフィチニブ(同イレッサ)などによる薬剤性間質性肺炎にも詳しい複十字病院院長の工藤翔二氏に,この問題にいかに対処すべきかを聞いた。 発生頻度は非常に低い 厚労省は3月22日にはピオグリタゾンおよび同薬を含む配合剤について,5月31日にはシタグリプチンについて,添付文書の重大な副作用の項に間質性肺炎に関する記述を追記するよう指示している(ピオグリタゾンの添付文書は改訂ずみ)。 ピオグリタゾンに対する追記内容は以下のようなものだ(シタグリプチンもほぼ同文で,「異常が認められた場合」が「間質性肺炎が疑われた場合」とされるなど若干の異同があるのみ)。 間質性肺炎があらわれることがあるので,発熱,咳嗽,呼吸困難,肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には,速やかに胸部X線,胸部CT,血清マーカー等の検査を実施し,異常が認められた場合には,投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。 現在のところ,両薬剤とも間質性肺炎の発生頻度は非常に低いと推定される。 ピオグリタゾンの場合,5月25日の「医薬品・医療機器等安全性情報」によると,2007年4月1日~2011年1月27日に間質性肺炎の副作用報告(薬剤との因果関係が否定できないもの)は7例あったが,2009年度のピオグリタゾンの年間使用者数は約132万人に上ると推計されている。なお,死亡例はない。 一方,シタグリプチンについては,上市後これまでに10数例の間質性肺炎の副作用報告があるが,同薬の推計年間使用者数も50万人程度と多い。 ただし,重篤な転帰を取った患者も発生しているという(データ未公開)。 工藤氏は「間質性肺炎の発生数は自発報告によるものであり,薬剤の推計使用者数も総販売量からの推定で必ずしも正確な数字とはいえないが,オーダー的には一定の信頼性がある。 抗がん薬や抗リウマチ薬に比べると発生頻度が低いのは間違いなさそうだ」と指摘する。 なお,ゲフィチニブなどに関するこれまでの研究では,薬剤性間質性肺炎は相対的に日本人に多いことが明らかにされている(ゲフィチニブの場合,日本では4%,米国では0.2~0.3%,日本以外のアジア,韓国などでも欧米並みの頻度でしかない)。 副作用報告システムの違いだという説もあるが,同氏はそれだけではなく,日本人の体質が関与していると考えている。 症状や単純X線で疑いを持ったら,投薬をいったん中止し,呼吸器専門医に紹介を 間質性肺炎リスクの存在が両薬剤の投与を控える理由にはならないが,工藤氏は「まれでも,糖尿病治療薬で間質性肺炎を起こしうることを認識しておくことが必要だ」と述べる。 具体的な対応策については,「現時点では発生例の詳細が分からないため,確かなことはいえない」と断った上で,上記添付文書の追記情報を補足して次のように説明する。 間質性肺炎の特徴は比較的急激に起こる呼吸困難(息切れ),空咳,発熱。 必発なのは息切れだ。治療中にこれらの症状が認められたら,胸部単純X線写真を撮ることが勧められる。 間質性肺炎を含むびまん性肺疾患の撮像・読影ポイントは『特発性間質性肺炎 診断と治療の手引き』※ に解説されているように,異常所見を把握し,それが肺全体の中でどのように分布しているかを見極めることが重要となる。 ただし,初期病変の場合,単純X線検査だけでは診断が難しい場合が少なくない,と同氏は指摘する。 単純X線検査で診断が付きにくい場合を含め,病変のタイプを明らかにするなど,より精度の高い診断を行うには高分解能CT検査が必要となる。 ただし,「一般臨床医の対処法としては,症状や単純X線検査で間質性肺炎が疑われた場合はその薬剤の投与をいったん中止し,呼吸器専門医に紹介することが現時点では現実的な判断といえるだろう」と同氏は述べる。糖尿病患者の中でどのようなタイプに発生しやすいか分からない段階では安全策を取るべき,というのが同氏の考えだ。 肺線維症を合併している場合は要注意か 「今回のピオグリタゾン,シタグリプチンの場合にも該当するかどうかは分からないが」と断った上で工藤氏は続ける。 ゲフィチニブをはじめとするこれまでの研究が示しているのは,薬剤性間質性肺炎の第一の危険因子は基礎疾患に肺線維症のあることだ。 一方,患者数からして糖尿病の側からは見えにくい事実だが,肺線維症は糖尿病患者に多い。 したがって,「肺線維症を合併している糖尿病患者では間質性肺炎に要注意」ということが薬剤性間質性肺炎の一般論としてはいえる。 また,服薬期間と薬剤性間質性肺炎の関係は千差万別だが,概して言うと劇症に発症することが多い。 投与初期に起こるものほど劇症の頻度が高く,ゲフィチニブの場合は,4週間以内に発症するのは劇症タイプ。1カ月以降に発症するのは軽症が多いという。 ただし,繰り返しになるが,糖尿病治療薬でどうかは分からない。 同じ薬剤性間質性肺炎でもピオグリタゾンやシタグリプチンではゲフィチニブなどとは臨床像が異なる可能性は否定できない。 基礎疾患など実態解明が喫緊の課題,求められる異分野の連携 その意味で,工藤氏はピオグリタゾン,シタグリプチン服用中に間質性肺炎を起こした症例を徹底的に分析することを喫緊の課題として強調する。 患者の基礎疾患や服用期間との関連に加え,併用薬,間質性肺炎のタイプなどを明らかにする必要があるという。 シタグリプチンでは重篤な転帰を取った症例も発生しているようなので,どのような患者で予後が悪化しやすいかも重要な臨床情報となる。 では,どのようにして実態解明を進めるのか。 同氏はゲフィチニブをはじめとして,10種類以上の薬剤で呼吸器系副作用の対策委員会にかかわった経験を持つ。 同氏によると,これらの対策委員会では,当該薬剤の診療領域と呼吸器疾患の専門家に加え画像診断医,さらには剖検が行われている場合は病理医も加わって,発生例の分析を行っていく。 今回の場合では,糖尿病医や呼吸器科医をはじめ,異なる分野の専門家の連携が求められるが,スムーズに進めるためには当該製薬企業が旗振り役を買って出るのが一番だ,と同氏。 抗がん薬などではそのパターンで進められてきたという。 なお,糖尿病治療薬の場合,抗がん薬と異なり,一般臨床の場で処方される薬剤なので症例の集積で困難を来すことも予想される。 シタグリプチン発売当初の低血糖問題には糖尿病専門家が適正使用委員会を立ち上げ,迅速に対応したことは記憶に新しい。 専門診療科を超えた今回のケースでも,有益な臨床指針が示されることが期待される。 (平田 直樹) 出典 NM online 2011.7.5 版権 日経BP社 読んでいただいて有り難うございます。 コメントをお待ちしています。 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 「葦の髄」メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (「葦の髄から循環器の世界をのぞく」のイラスト版) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/ 「井蛙」内科メモ帖 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科関係の専門的な内容)
by wellfrog4
| 2011-07-08 00:04
| 糖尿病
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