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船橋市立医療センター代謝内科・岩岡秀明 部長の書かれた記事で勉強しました。 まず図1に、「糖尿病治療ガイド2010」(日本糖尿病学会編)から、2型糖尿病の病態にあわせた6系統の経口薬の概要を示す。 図 病態に合わせた経口血糖降下薬の選択 (出典:「糖尿病治療ガイド2010」日本糖尿病学会編 文光堂) (*クリックすると拡大表示されます) 2型糖尿病の基本的な病態 図の左側に示すように「インスリン分泌能低下」と「インスリン抵抗性増大」のいずれかまたは両方によって「インスリン作用不足」が惹起され、初期にはまず「食後高血糖」、進行すると「空腹時高血糖」が起こってくる。 持続する高血糖による「糖毒性」により、さらにインスリン分泌能低下とインスリン抵抗性が進行・悪化する「悪循環」を呈することになる。 経口薬の作用機序による分類 6系統の薬剤は、図右側に示すようにそれぞれの作用機序に基づき、「インスリン抵抗性改善系」、「インスリン分泌促進系」、「食後高血糖改善系」の3群に分けられる。 食事療法・運動療法などの生活習慣の改善と共に、まずは1種類の薬剤から使用し、十分な効果が得られない場合は、作用機序の異なる2種類を併用していく。 経口薬を使用するのは、インスリン療法の絶対的適応・相対的適応とならない場合で、かつ血糖コントロールが「不可」の場合である。 具体的には、食後血糖値220mg/dL以上、空腹時血糖値160mg/dL以上、HbA1c 8.0%(JDS値)以上の場合である。 なお、インスリンの相対的適応の場合には早期に悪循環(糖毒性)を解除するためにも、インスリンの導入を遅らせるべきではないことを改めて強調しておきたい。 経口薬は特に副作用に注意 2型糖尿病に対する薬物療法では、副作用に関する知識不足から重篤な問題が生じるケースが散見される。そこで、まず各薬剤の副作用について解説する。 表1に6系統の経口薬の代表的な一般名、商品名、作用機序、副作用を示す。 重要な副作用を理解した上で、各患者の心・腎・肝機能を考慮して薬剤を選択する必要がある。 特に重要な副作用を記載する。 まず注意すべきなのが、スルホニル尿素(SU)薬による低血糖である。特に高齢者や腎機能軽度低下例では3〜4日遷延する重篤な低血糖を来し、死亡例・遷延性意識障害例も多数報告されている。 高齢者には、最も強力なSU薬であるグリベンクラミド(商品名オイグルコン、ダオニール)はなるべく使用しないこと。 また、「食べられないときは、薬を飲まないこと」を、患者本人だけでなく、家族にも十分に指導しておくことが重要である。 チアゾリジン薬のピオグリタゾン(同アクトス)による浮腫、心不全も注意すべき副作用。 浮腫は特に女性に多く(約12%)ほか、糖尿病の罹病期間が5年以上の場合、細小血管障害を有する例に多い。 特に使用開始後6カ月以内は体重の増加に厳重な注意が必要となる。 また、心不全の既往がある患者は禁忌である。 ビグアナイド薬(同メデット、メルビンなど)は体重減少効果もあり、肥満のある2型糖尿病では第1選択である。腎機能の悪化、胃腸障害(下痢、悪心)には注意が必要である。 アルコール依存、肝・腎・心不全には禁忌である。 αグルコシダーゼ阻害薬(同ベイスン、セイブル、グルコバイ)は、腹部膨満、下痢あるいは便秘、放屁などのため服薬コンプライアンスが悪化する場合があるので、患者からこのような症状の有無をよく聴き取ることが重要である。 大腸の手術既往例では、イレウスの危険があるため禁忌である。 また、まれに重篤な肝機能障害を来すこともあるので、使用開始後6カ月間は毎月1回の肝機能検査も必要である。 速効型インスリン分泌促進薬のナテグリニド(同スターシス、ファスティック)、ミチグリニド(同グルファスト)では低血糖に注意する。 DPP-4阻害薬のシタグリプチン(同グラクティブ、ジャヌビア)、ビルダグリプチン(同エクア)、アログリプチン(同ネシーナ)では、胃腸障害を認めることがある。 経口薬選択のポイント 経口薬は、「2型糖尿病の病型、インスリン分泌能低下主体型かインスリン抵抗性主体型か)」および「罹病期間と血糖コントロールの重症度」、この2つの観点から選択するとよい。 表2に、病型がインスリン分泌能低下主体型かインスリン抵抗性主体型かを判断する主な指標を示す。 この他の重要なポイントとしては、 (1)低血糖をきたすか否か、 (2)体重増加をきたすか否か、 (3)心血管疾患など慢性合併症予防に関するエビデンスがあるか否か —が挙げられる。 肥満型でHOMA-R 2.5以上などから「インスリン抵抗性主体型」と判断すれば、第1選択はビグアナイド薬のメトホルミン(同メデット、メルビンなど)である。 食欲抑制による体重減少効果があること、単独ではほとんど低血糖を来さないことが利点で、欧米での大規模スタディのエビデンスからも第1選択薬となっている。 また、以前に問題となった乳酸アシドーシスは、適応さえ守れば心配は不要である。 500mg分2から開始し、胃腸症状の有無を確認しながら徐々に増量していく。 従来は日本では750mgまでしか使用できないのが欠点だったが、2010年にメトグルコが発売されて、ようやく、欧米と同様に最大 2250mgまで使用可能となった。 (2011年5月から長期投薬は可能となった。) 第2選択はチアゾリジン薬のピオグリタゾン(同アクトス)である。 第2選択とするのは、副作用(浮腫)の頻度が高いこと、体重増加を来しやすいことがその理由である。 前述のように、浮腫や心不全に注意しながら使用する。 一方、やせ型、血中CPR(Cペプチド)低値などから「インスリン分泌能低下主体型」と判断した場合、これまではSU薬が第1選択とされてきたが、筆者は2010年以降DPP-4阻害薬のシタグリプチン(同グラクティブ、ジャヌビア)を第1選択として使用している。 DPP-4阻害薬は新薬のため、合併症の抑制に関する長期間でのエビデンスはまだないが、現時点では重篤な副作用が報告されていないこと、単独投与では低血糖がほとんどないこと、体重増加を来さないこと、1日1回の服用でよく服薬コンプライアンスが高いことが利点である。 ただし、シタグリプチンによるHbA1cの低下は約1%で、現時点では無効例が約15%と報告されている。 したがって推定罹病期間が長く、HbA1c 9.0%以上の血糖コントロール不良例では、低血糖に注意しながらSU薬のグリメピリド(同アマリール)またはグリクラシド(同グリミクロン)の使用、または併用が必要となる場合も多い。 糖尿病の初期かつ軽症で、HbA1cおよび空腹時血糖値はほぼ正常で、食後高血糖のみを認めるという症例では、αグルコシダーゼ阻害薬(同ベイスン、セイブル、グルコバイ)を投与してもよい。 経口薬を併用する上での注意点 どの経口薬を使用する場合でも、目標はHbA1c 6.5%未満とし、通常、同一薬剤で2〜3カ月間は経過を見る。 それでもHbA1c8.0%以上が続く場合は、薬剤の追加や変更を考慮する。 併用療法は、作用機序の異なる薬剤同士を組み合わせる。 ただし、SU薬と速効型インスリン分泌促進薬の組み合わせは効果が無く、保険上も認められていない。 基本的な組み合わせは、以下の2通りである。 (1)インスリン抵抗性主体型の場合 ビグアナイド薬(メトホルミン)+チアゾリジン薬 (2)インスリン分泌低下主体型の場合 DPP‐4阻害薬+SU薬(ただし、シタグリプチンリンをSU薬と併用した場合に意識障害に陥るような重篤な低血糖が相次いで報告されており、先にSU薬を使用している場合は、必ずSU薬を2分の1以下に減量してから、DPP‐4阻害薬を併用すること) 併用療法は、シックデイ時の安全管理、服薬コンプライアンスの問題、医療費の面から、多くても3剤までの併用にとどめるべきである。 また、多剤併用のまま漫然と血糖コントロール「不可」の状態を続け、インスリン導入を先延ばしにすることも厳に慎むべきである。 ◆今回のポイント ●6系統の経口薬を、その作用機序によって分類し理解する ●インスリンの相対的適応例では、インスリン導入を先延ばししない ●各薬剤の副作用を熟知し、心・腎・肝機能を考慮して使い分ける ●経口薬は、「2型糖尿病の病型(インスリン抵抗性主体型かインスリン分泌能低下主体型か)」および「糖尿病罹病期間と血糖コントロールの重症度」の2つの観点から選択する ●「インスリン抵抗性主体型」では、メトホルミンが第1選択である ●「インスリン分泌能低下主体型」では、従来はSU薬が第1選択であったが、今後はDPP-4阻害薬が第1選択となる可能性が高い 出典 NM online 2011.3.28 版権 日経BP社 <診察椅子> 町医者ならではの希有な症例を別ブログでアップしました。 夏風邪を防ぐには… http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/38693801.html 読んでいただいて有り難うございます。 コメントをお待ちしています。 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 「葦の髄」メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (「葦の髄から循環器の世界をのぞく」のイラスト版) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/ 「井蛙」内科メモ帖 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科関係の専門的な内容)
by wellfrog4
| 2011-07-26 00:40
| 糖尿病
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