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腎機能評価にシスタチンC Crに基づくeGFRよりも早期に腎障害を検出 腎機能の新しい指標として、シスタチンCが注目されている。 筋量に影響されるクレアチニン(Cr)に比べ、糸球体濾過量(GFR)を正確に反映する。現在、シスタチンCを基にしたGFR推算式の作成も進行中だ。 「糖尿病や高血圧などの患者は、腎機能低下のリスクがある。こうした患者の中には、紹介受診時に既に推算糸球体濾過量(eGFR)が50mL/分/1.73m2を切り、腎障害が進行してしまっているケースも少なくない」。 愛媛大病態情報内科学准教授の大蔵隆文氏はこう打ち明ける。 腎障害の拾い上げには、Crの値を基に算出するeGFRが使われている。 しかしCrは腎機能が約50%を切るまでは上昇せず、軽度の腎障害の検出は難しい。 そこで大蔵氏が腎機能のモニタリングに用いているのが、シスタチンCだ。 シスタチンCは全身の細胞から一定の割合で産生される蛋白質で、細胞障害を引き起こす蛋白分解酵素の働きを阻害し、活性を調節する役割を持つ。 分子量が小さく全て腎糸球体で濾過されるため、血中濃度はGFRに依存し、腎機能の低下に伴って血清シスタチンCの濃度は上昇する。 基準範囲はおよそ0.5~1.0mg/Lで、その産生は生涯を通してあまり変動せず、年齢や性別の影響を受けにくい。 1985年にSimonsenらが初めて血中シスタチンCとGFRの関連を報告して以来、腎障害患者における血中シスタチンC測定の有用性が検討されてきた。 シスタチンCはCrに比べて腎機能低下の影響を早期から受けるという特徴を持つ(図1)。 図1 血清シスタチンCと血清クレアチニン(Cr)の反応性(編集部で一部改変) ブラインド領域とは、シスタチンCやCrがGFRの低下を反映しない範囲のこと。シスタチンCはGFRの低下をより早期から反映する。腎疾患患者212例で調査した。 このため、抗菌薬や抗癌剤の使用で起こり得る薬剤性の急性腎障害も早期に発見できる。 海外では最近、シスタチンCがeGFR正常者の長期死亡の予測因子になるとの報告も出てきている(J Am Coll Cardiol.2010;56:1930-6.)。 2006年から国内でも、3カ月に1回の検査が保険適用となり、腎臓内科を中心に利用が広がっている(点数は130点)。 大蔵氏は「腎機能低下のリスクのある慢性疾患患者では、シスタチンCを定期的に測定することで、腎障害をより早く拾い上げられるようになる」と期待する。 eGFRは実測GFRと乖離も 現在、腎障害の早期発見やスクリーニングにはeGFRが使われている。 クレアチニンクリアランス(Ccr)も腎機能の指標となるが、24時間蓄尿が必要となり、煩雑なためあまり行われていない。 「eGFRは数値を見るだけで腎機能異常があるかどうかが分かるので、スクリーニングには非常に有用だ」と聖路加国際病院腎臓内科部長の小松康宏氏は話す。 しかし、Crはクレアチンが代謝されて生成するため、筋量が少ない患者では元々Crが少なく、腎機能が低下してもeGFRが見かけ上高くなる可能性がある。 一方、筋量が多い患者では、腎機能が正常でもeGFRが低く出ることもある。 推算式では患者の年齢、性別によって補正を行うが、腎機能を正しく反映できない症例が含まれてしまう。 小松氏の調査では、聖路加国際病院の慢性腎臓病専門外来を受診した141人のうち、29.8%(42人)がeGFRが50mL/分/1.73m2以下だったにもかかわらず、GFRを示す実測Ccrが50mL/分以上あった(図2)。 「eGFRが低いために紹介された患者の中には、シスタチンCが基準範囲内で、特に治療を必要としない症例もあった」と小松氏は話す。 図2 eGFRと実測クレアチニンクリアランス(Ccr)の比較(提供:小松氏) 全体の29.8%(42人)は、日本腎臓学会の推算式で求めたeGFRが50mL/分/1.73m2以下だったにもかかわらず、実測Ccrは50mL/分以上あった。 こうした背景から現在、厚生労働省の腎疾患対策研究事業として、シスタチンCを基にしたeGFR推算式の作成が進められている。 作成に関わる阪大機能診断科学講座准教授の堀尾勝氏は、慢性腎臓病(CKD)患者を対象に、シスタチンCに基づくeGFRと実測GFRを比較し、その精度を調査した。 「シスタチンCに基づくeGFRは、Crに基づくeGFRよりは実測GFRとの乖離が少なかった。しかしシスタチンCの血中濃度は頭打ちになることが分かっており、進行した腎不全などでは腎機能を正確に反映できない可能性がある」と指摘する。 併用によって精度を高める シスタチンCに基づくeGFR推算式を臨床で使う上では、測定法の標準化も課題になる。 現在、10社以上から発売されている測定キットは、それぞれ異なる社内標準品を基準にしている。 基準範囲はおよそ0.4~1.1mg/Lの間に収まるが、メーカー間で差が生じている。 このため、医療機関が採用するキットにより、同じサンプルでも結果が異なる。 しかし昨年、シスタチンCの測定に使用する標準物質が欧州で登場。 今年に入り、メーカー各社がこの標準物質を基準に測定結果をそろえる動きが出てきた。 測定法の標準化が進み、共通の標準物質に基づきシスタチンCが測定できるようになれば、シスタチンCを基にしたeGFRの推算式が臨床応用できるようになる。 「動態が十分明らかになっていないこともあり、今のところシスタチンCはCrに完全に置き換わるものではない。しかしそれぞれの推算式で出したeGFRの平均値を求めたり、CrとシスタチンCの両方を使う新しい推算式を作成すれば、今以上に正確に腎機能を把握できるようになるだろう」と堀尾氏は話している。 出典 NM online 2011.5.27 版権 日経BP社 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 「葦の髄」メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (「葦の髄から循環器の世界をのぞく」のイラスト版) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/ 「井蛙」内科メモ帖 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科関係の専門的な内容)
by wellfrog4
| 2011-05-30 00:44
| 腎臓病
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