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対談・わが国の頸動脈狭窄症治療はどうあるべきか CREST層別解析の結果を踏まえて 頸動脈狭窄症の治療において、頸動脈ステント留置術(CAS ;carotid artery stenting) と頸動脈内膜剥離術(CEA;carotid endarterectomy)を比較した北米の大規模臨床試験CREST (Carotid Revascularization Endarterectomy vs Stenting Trial) の層別解析の結果が、2011年2月に米国・ロサンゼルスで開催された国際脳卒中会議2011(ISC2011)で報告された。 この結果は、わが国の頸動脈狭窄症治療に対して、どのような意味を持つのか。 <<出席者>> 坂井信幸氏(神戸市立医療センター中央市民病院 脳卒中センター 部長) 峰松一夫氏(国立循環器病研究センター 副院長) CRESTの概要 症候性および無症候性の頸動脈狭窄症症例においてCASとCEAの術後合併症を比較 坂井 CREST では、症候性および無症候性の頸動脈狭窄症において、CASとCEAの術後合併症が比較されました。 1次エンドポイントは、周術期(30日以内)の脳卒中、心筋梗塞、死亡+4年までの同側性脳卒中です。 その結果は、ISC2010で発表され、すでにNew England Journal of Medicine(2010 Jul 1; 363(1): 11-23)でも報告されています。 今回のISC2010では、層別解析の結果が詳細に報告されました。 試験には、米国の108施設とカナダの9施設が参加し、症候性は180日以内に一過性脳虚血発作(TIA)、一過性黒内障(AF)、軽症脳卒中を発症し、狭窄率が血管造影で50%以上、超音波検査で70%以上、また超音波で50〜69%の場合はCTAまたはMRAで70%以上とされました。 当初は、症候性の症例のみを対象にしていましたが、2005年に無症候性の症例も加えられました。 無症候性症例の登録基準は、狭窄率が血管造影で60%以上、超音波で70%以上、また超音波で50〜69%の場合はCTAまたはMRAで80%以上とされました。 CASで使用されたデバイスは、自己拡張型ナイチノールステント「Acculink」と血栓防御フィルター「AccuNet」によるシステムです。 これらは、わが国では使われていません。 試験に参加するCAS術者には経験、トレーニング、実技の成績などで厳しい選定基準が課せられ、採用されたのは応募者427人中の224人でした。 また、CASのプロトコルで、抗血小板療法は、術前48時間はアスピリン325mg/日とクロピドグレル75mg/日またはチクロピジン250mg/日の2剤を併用し、術後はアスピリンは無期限、クロピドグレルまたはチクロピジンは少なくとも2〜4週間使用することになっています。 CRESTの結果 1次エンドポイントはCAS群とCEA群で有意差なし、脳卒中はCAS群に有意に多い 対象症例数は、CAS群1262例、CEA群1240例です。 その結果(4年:中央値2.5年)をみると、1次エンドポイントはCAS群7.2%、CEA 群6.8%で有意差は認められず、CASはCEAに対して非劣性であることが示されています。 死亡は、CAS群11.3%、CEA群12.6%で、有意差はありませんでした。 しかし、脳卒中はCAS群10.2%、CEA群7.9%で有意差が認められています(p=0.03)(表1)。 表1 CRESTの結果・4年(中央値2.5年)のエンドポイント発生率(Brott TG. et al.: N Engl J Med 2010; 363(1):11-23より作成) また、周術期の結果をみると、脳卒中・心筋梗塞・死亡の複合イベントはCAS群5.2%、CEA群4.5%、死亡はCAS群0.7%、CEA群0.3%で、いずれも有意差は認められませんでした。 しかし、脳卒中はCAS群4.1%、CEA群2.3%で有意差が認められ(p=0.01)、同側重症脳卒中では有意差は認められていませんが、同側軽症脳卒中はCAS群2.9%、CEA群1.4%で有意差が認められています(p=0.009)。 一方、心筋梗塞は CAS群1.1%、CEA群2.3%で、CEA群の方に多く、有意差が認められています(p=0.03)(表2)。 表2 CRESTの結果・周術期(30日)のエンドポイント発生率(Brott TG. et al.: N Engl J Med 2010; 363(1):11-23より作成) 症候性症例(n=1321)と無症候性症例(n=1181)の別についてみると、4年の1次エンドポイントと周術期の脳卒中・心筋梗塞・死亡の複合は、症候性、無症候性ともにCAS群とCEA群の間に有意差は認められませんでした。 周術期の脳卒中・死亡の複合はCAS群4.4%、CEA群2.3%で有意差が認められ(p=0.0052)、症候性と無症候性の別にみると、症候性では CAS群6.0%、CEA群3.2%で有意差が認められ(p=0.0019)、無症候性では有意差は認められていません。 周術期の心筋梗塞は、症候性においてCAS群1.0%、CEA群2.3%で有意差がみられ(p=0.0083)、無症候性では有意差はみられていません。 これらのほかに、周術期の頭部神経麻痺は、CAS群0.3%、CEA群4.8%で有意差が認められています(p<0.0001)。 CAS群では周術期と高齢者で脳卒中が有意に多い 脳卒中のみについてみると、周術期は、先にお話ししましたようにCAS群で有意に多く、特に同側軽症脳卒中が多いことが示されていますが、術後脳卒中を日数別にみると、0日はCAS群3例/26例(重症/軽症、以下同)、CEA群1例/8例、1〜7日はCAS群3例/7例、CEA群1例/6例、8〜30日はCAS群4例/5例、CEA群1例/4例となっており、特に術日にCAS群とCEA群の差が大きいことが分かります。 また周術期の脳卒中は、CAS群、 CEA群ともに虚血性と同側性が多いことが示されています。 1次エンドポイントと年齢の関係をみた結果では、70歳以上の年齢では CEAの方が有利であることが示されています。 また、周術期の脳卒中を年齢層別にみると、65歳未満と65〜74歳ではCAS群とCEA群の間に有意差は認められていませんが、75歳以上ではCAS群10.9±1.8%、CEA群4.9±1.2%で有意差がみられています(p=0.01)。 このように、CASは高齢者に不利であることが示されましたが、CEAは年齢との関係があまりないことが示されていると言えます。 ところで、CAS群の死亡と脳卒中(重症)の複合は、2005年までは2.5%だったのですが、2006年には0.7%、2007年には0%、2008年には0.6%と大きく下がっています。 これには、デバイスの改良が大きく関係していると考えられます。 CAS適応例の選別は厳しくすることが必要 峰松 ISC2010 でCRESTの結果が発表されたときには、1次エンドポイントに関してCAS群とCEA群は、ほぼ同等でした。 従来、CASがCEAよりも優れていることは示されていなかったと思いますが、これで状況は変わったのではないかと思いました。 しかし、その後、いろいろなデータが報告され、それほど簡単な問題ではないと思うようになりました。 SAPPHIRE (Stenting and Angioplasty with Protection in Patients at High Risk for Endarterectomy) の結果から、CEAのハイリスク症例ではCASが有利であると言われ、わが国でも、ハイリスク症例である高齢者では、CASの方が有利だと考えられてきたと思いますが、CRESTの結果からすると、逆になります。 New England Journal of MedicineにCRESTの結果が発表された少し後に、Lancet (2010; 375: 985-97) に発表されたICSS (International Carotid Stenting Study) というヨーロッパの研究では、症候性頸動脈狭窄症の症例において、CASとCEAが比較されています。 その中間結果では、例えば脳卒中の累積発症率は CAS群7.7%、CEA群4.1%で、CAS群では2倍近くになっています。 米国で行われた研究とヨーロッパで行われた研究の結果が、なぜこれほど違うのか、疑問に思っていましたが、先生のお話しからも分かったのは、このCRESTもそうですが、米国の研究ではCAS術者が厳選されているということです。 その意味では、ヨーロッパでの結果の方がリアルワールドに近いのではないかという気もします。 ICSSの中間結果でも、CREST と同様に、高齢になるに従ってCEAの方が有利であることが示されていますが、CEAの方が有利になる年齢は63歳以上になっており、70歳を超えた症例ではCASは避けるべきだと解釈されています。 脳卒中再発予防のために行うCASで脳卒中が多くなると、やはり問題があると考えます。 これらの結果から総合的に判断すると、年齢が若くて症候性で心筋梗塞のリスクファクターを有する場合には、CASが有利になると思われます。 一方、高齢ではCEAが有利になるといえます。 問題は症例数が最も多い中間の年齢層で、どのようにするかだと思います。 これに関しては、やはり、適応例の選別を厳しくすることによって対応していかなければいけないのではないかと考えます。 ただ、メタアナリシスの結果には、改良される前の古いデバイスの成績も含まれていますので、大きな変化があった後にどうなったのか、時代を区切ってみる必要があると言えます。 これは、内科療法についてもいえることであり、Spenceら(Arch Neurol 2010; 67: 180-186)は、無症候性頸動脈狭窄症症例において、微小脳塞栓と心血管リスクに対する内科療法の効果をみていますが、脳卒中、死亡、心筋梗塞を回避できた症例の率は、2003年以降に登録された症例では有意に高く、これはスタチンが使われるようになったためだと考えられています。 ですから、常に新しい目で評価を続けていくことが必要だと思います。 出典 NM online 2011.5.12 版権 日経BP社 <自遊時間> ある病院に胸部CTの依頼をしました。 後日報告書が郵送されて来ましたが、その中に「炎症、慢性の肺塞栓症、器質化炎症、GGOの鑑別が必要」と書かれていました。 GGO? いろいろ調べてやっと「ground glass opacity(スリガラス状陰影)」であることがわかりました。 ヤレヤレ。 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 「葦の髄」メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (「葦の髄から循環器の世界をのぞく」のイラスト版) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/ 「井蛙」内科メモ帖 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科関係の専門的な内容)
by wellfrog4
| 2011-06-01 00:56
| 循環器
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