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日本人におけるインスリン治療の実態が明らかに――CREDIT試験から インスリン療法における心血管リスクを検討したCREDIT試験について、追跡1年後における日本人のデータが発表された。 5月19日から札幌で開催されている日本糖尿病学会(JDS2011)で、日本におけるインスリン導入の実態について順天堂大学大学院の河盛隆造氏が、インスリンレジメンの特徴について大阪医科大学糖尿病代謝・内分泌内科の花房俊昭氏が、それぞれ発表した。 平均12年の罹病歴、平均HbA1c値(JDS値、以下同)10%でインスリン導入され、1年後に著明な血糖コントロールの改善が得られている実態が明らかにされた一方で、さらなる改善のためには、レジメンの検討が求められることが示された。 CREDIT(the Cardiovascular Risk Evaluation in people with Type 2 Diabetes mellitus on Insulin Therapy)試験は、インスリン療法による血糖コントロールと心血管イベント発症率との関連を実臨床下で検討した大規模観察研究で、日本を含む12カ国・314施設で実施され、登録患者3031人の患者が登録された。12カ国の中で最も多い日本人528人のうち、適格とされた511人(16.9%)の追跡1年後の成績が発表された。 日本人の対象は、40歳超でインスリン治療歴が6カ月未満の2型糖尿病患者で、63施設のインスリン治療に携わる医師が参加している。 登録患者の94.3%は糖尿病専門医が担当しており、入院が63.6%、外来は29.2%だった。 また、インスリン導入の理由は87.7%が血糖コントロールの不良だった。 患者背景は、平均年齢が62.2歳、男性が63.8%で、糖尿病の罹病期間は11.8年、インスリン導入時のHbA1c値は10.3%だった。 糖尿病合併症に関しては、神経障害52.1%、網膜症41.1%、顕性蛋白尿36.6%などであり、「83.4%の患者がインスリン導入時に細小血管障害を有している点が、日本の糖尿病治療における重大な問題である」と河盛氏は強調した。 一方、症候性の大血管合併症は25.1%に認められた。 インスリン導入時のレジメンは、混合型が36.8%と最も多く、基礎インスリンとの併用(26.2%)および単剤(25.4%)を併せた51.6%が速効型インスリンを含むレジメンで導入されており、基礎インスリン単剤が51.6%を占める世界全体の傾向とは異なる日本の特徴と考えられた。 これは、基礎インスリンとして試験実施時には、NPHインスリンが多く使用されており、持効性インスリンであるグラルギンなどがまだ普及する前であることが影響している。 血糖コントロール指標は、HbA1c値が登録時の10.3%から1年後には7.5%へと低下、空腹時血糖(FPG)が217.3mg/dLから139.0mg/dL、食後血糖(PPG)が296.1mg/dLから178.2mg/dLへと、いずれも有意に低下した(p<0.001)。 HbA1c値7.0%未満の達成率をインスリン導入時の罹病期間別にみると、5年未満では46.3%に対し、15年以上では35.6%と、罹病期間が長いほど治療効果が得られにくいことが明らかとなった。 また、インスリン導入時のHbA1c値別でみると、8.0%以下の患者ではHbA1c値7.0%未満の達成率が60.0%だったのに対し、12.1%以上の患者では39.7%と、HbA1c値が高いほど治療効果が得られにくいことが明らかとなった。 続いて登壇した花房氏は、インスリン導入時のレジメンを1年間維持できた患者の血糖コントロール状況、インスリンを離脱できた患者の特徴について発表した。 導入時のレジメン別で1年後のレジメン維持率をみると、基礎インスリン単剤で62.5%、基礎インスリン+速効型で42.1%、速効型単剤で36.8%、混合型で88.3%だった。 導入時のレジメンを維持していた患者(レジメン維持例)における血糖コントロール指標をみると、HbA1c値、FPG、PPGは、いずれのレジメンにおいても減少した。 HbA1c値7.0%未満の達成率は36.5%で、レジメン別では、基礎インスリン+速効型46.2%および速効型単剤45.0%に比較して、基礎インスリン単剤で30.0%、混合型では31.8%とやや低かった。 しかし、「いずれのレジメンにおいても1年後のFPGが140mg/dL前後という点から考えて、インスリン治療のさらなる改善が求められる」と花房氏は述べた。 レジメン維持例における低血糖の発現率は、混合型で22.7%とやや高い傾向が認められたが(維持例全体で20.2%)、レジメン間に有意な差はなかった。 また体重は、基礎インスリン単剤を除いて増加しており、特に基礎インスリン+速効型(+2.1kg、p<0.01)および混合型(+1.3kg、p<0.001)では有意な増加を認めた。 1年後までにインスリン療法から離脱した患者は27人。 導入時のレジメン別では、基礎インスリン+速効型で8.7%と最も多く、速効型単剤で7.2%、混合型は3.3%、基礎インスリン単剤が3.1%だった。 インスリン離脱例では、HbA1c値が10.5%から6.8%に低下し、HbA1c値7.0%未満の達成率は70.4%、低血糖の発現率は8.3%と良好な治療成績を示し、体重は63.3kgから61.3kgへと減少していた。 本試験の対象は、ほとんどが糖尿病専門医による登録患者であり、紹介までの期間が長い可能性が推測されることから、より早期のインスリン導入のためにプライマリケア医に対する啓蒙が求められることが示された。 また、インスリン導入時におけるレジメンのさらなる検討が必要であることも明らかになった。 今後、4年間の観察・評価が行われる中で、インスリン療法による血糖コントロールと心血管イベントの発症、およびそれらのリスク因子との関連が明らかになることが期待される。 (日経メディカル別冊編集) 出典 NM online 2011.5.21 版権 日経BP社
by wellfrog4
| 2011-05-25 00:21
| 糖尿病
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