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この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。 犠牲になられた方々、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。 また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方々、そして計画停電中の首都圏の方々にお見舞い申し上げます。 また、被災者支援や原発復旧作業などの災害対策に全力を尽くしてみえる皆様に敬意を表します。 北里研究所病院糖尿病センターの山田 悟先生の書かれた記事で勉強しました。 「インクレチン関連薬の膵炎・腫瘍リスク」論文を撤回させた? EASDステートメント 研究の背景:情報源のFDA自身が「有害作用の発生率の計算に用いられない」 インクレチン関連薬と膵炎・膵がん・そのほかのがんとの関連を示すM. Elashoff氏らのGastroenterology2月18日掲載論文は,オンライン版の状態でありながら,極めて大きな反響を呼ぶものであった。 しかし,彼らが論文の材料とした米食品医薬品局(FDA)の有害作用情報(AERS)は,自らについて「情報の正確性に乏しいことがあり,薬剤と有害作用との因果関係は必要とされておらず,すべての有害作用が報告されているという保証はないので,有害作用の発生率の計算に用いることはできない」と述べている。 したがって,このFDAのAERSから有害作用の発生率を計算していた同氏らの論文は,最初からFDAによって方法論として許容されていない方法論を用いていたことになる。 このためなのか,最近,この論文はGastroenterologyの公式サイトから撤回された。 この撤回が著者によるのか,編集者によるのかは明らかではないが,この撤回に影響を与えたであろう欧州糖尿病学会(EASD)のこの論文に対するステートメントについてご紹介しておきたい。 ステートメントのポイント:報告バイアス,膵がん発症時期などの疑問点を突き付ける EASDがElashoff氏らの論文に突き付けた疑問点は,彼らの論文の方法論には問題があり,「インクレチン関連薬が膵炎・膵がん・そのほかのがんと関連している」という仮説の立証に寄与していない,という一言に尽きる。 まず,有害作用報告に頼る以上,報告バイアスから逃れることができないのは当然である。 例えば,インクレチン関連薬と膵炎の関連を示唆する2006年の症例報告以後,インクレチン関連薬使用患者では,膵炎の診断基準を完全には満たさなくても(例えば血中アミラーゼの上昇のみで)膵炎として報告されやすくなる一方,それ以外の薬剤の使用患者では(膵炎があってもアミラーゼや画像検査がなされないために)膵炎の報告がなされない,といったことが起こりえたわけである。 また,同氏らは,膵がんは膵炎の結果として生じるという仮説の下に膵がんの発症率も検討していたわけであるが,そうであるならば,インクレチン関連薬投与開始後初期の膵がんはインクレチン関連薬とは無関係のはずである。 あるいは,市販後,時間が経過するにつれて膵がんが増えていたはずである。 しかし,同氏らの論文では,そうした膵がんの発症時期に対する配慮を全くしていなかった。 さらに,エキセナチドで甲状腺がんの報告が多かった点については,甲状腺がんの多くは乳頭がんあるいは濾胞がんであり,齧歯類で報告のあったC細胞腫瘍であるところの髄様がんのようなまれながんの増加で甲状腺がん全体が増加するとは信じ難い。 そして,考慮しておくべきだが,方法論上排除できない交絡因子として,肥満,アルコール消費,喫煙,併用薬剤が挙げられる。 しばしばインクレチン関連薬とメトホルミンが併用されるが,その併用の有無によってシタグリプチンの膵外分泌腺への影響が異なることがAV. Matveyenko氏らにより報告されている(Diabetes2009; 58: 1604-1615)。 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/19403868 これらの点から,EASDはインクレチン関連薬の安全性についての疑問は大切な問題ではあるが,インクレチン関連薬によってがんのリスクが増加することを示す確固たる根拠はなく,薬剤の変更といったなんらかの行動を起こす必要はないと結論している。 山田 悟先生の考察:アラートレベルは元に戻った 私は,Elashoff氏らの論文のご紹介において「本研究の結果だけでインクレチン関連薬と膵炎や膵がん,甲状腺がん,あるいはそのほかのがんとの因果関係が証明されたわけではない。しかし,インクレチン関連薬を使用する際には,これまで以上に膵炎や悪性腫瘍への監視が必要であるものとわれわれは認識すべきなのであろう」と述べた。 しかし,幸い,EASDのような公的機関からこの論文の意義についての疑問が提示され,また,この論文自体も撤回された。 したがって,「これまでと同様のレベルで膵炎や悪性腫瘍や感染症への監視が必要である」と判断してよいと思う。 出典 MT Pro 2011.3.29 版権 メディカル・トリビューン社 <番外編> インクレチン関連薬 ■各種DPP4阻害薬と併用可能薬 ①シタグリプチン(ジャヌビア、グラクティブ);SU薬、メトホルミン、ピオグリタゾン、α-GI(申請中) ②ビルダグリプチン(エクア);SU薬 ③アログリプチン(ネシーナ);SU薬、α-GI、メトホルミン、ピオグリタゾン (私的コメント;ネシーナが併用可能薬が多い) ■メトホルミンは安価で、体重増加の心配がない。また2 型糖尿病患者を対象とした英国のUKPDSで心筋梗塞予防が立証されただけでなく、最近では発がんを抑制する可能性が注目されている。 ■メトホルミン使用上の注意点 ①腎機能低下例(eGFR <50ml/min./1.73m2)では用いない。 ②少量から開始し、消化器症状がないか落ち着くのを見計らって750mg/日以上に増量する。 ③シックデイにはただちに中止する。 ④造影剤を使用する検査の2日前から服用を中断し、造影検査後、腎機能が問題ないことを確認し、再開する。 ⑤過度の飲酒を避ける 出典 日本医事新報 No.4537 2011.4.9 P42~46 版権 日本医事新報社 早川 二三郎 船着場のある街 http://www.tokokai.com/75kai.html 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 「葦の髄」メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (「葦の髄から循環器の世界をのぞく」のイラスト版) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/ 「井蛙」内科メモ帖 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科関係の専門的な内容)
by wellfrog4
| 2011-04-12 00:35
| 糖尿病
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