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第22回日本脳循環代謝学会(会長=大阪大学大学院脳神経外科・吉峰俊樹教授、豊中市)のシンポジウム「脳虚血・臨床・モヤモヤ病」(座長=慶應義塾大学神経内科・鈴木則宏教授,北海道大学大学院脳神経外科・寶金清博教授)での脳梗塞発症に関する記事で勉強しました。 脳梗塞発症にPCA狭窄病変が関与 もやもや病では,病状の進行に伴い一過性脳虚血発作(TIA),脳梗塞,脳出血を発症するが,その詳細な機序は不明である。 熊本大学病院脳神経外科の森岡基浩准教授らは,もやもや病の脳梗塞発症に関与する因子について検討。「もやもや病に見られる脳梗塞,特に皮質梗塞にはPCA狭窄性病変が関与していた。一方,前頭葉・頭頂葉の白質に限局した小梗塞にはPCA病変は関与しておらず,内頸動脈系狭窄の急速な進行により発症すると考えられた」と述べた。 白質梗塞にはPCA病変は関与せず もやもや病の脳梗塞は,初診時に発症しているものや,TIAを繰り返し,血行再建術後に治癒が得られず発症するものがある。 今回の対象は,同大学とその関連病院で脳血管造影を含む詳細な評価がなされている成人もやもや病患者93例,186半球で,大脳半球別に (1)無症候(51半球) (2)TIAのみ(41半球) (3)脳梗塞(72半球) (4)出血(22半球) —の4つに分類し,脳梗塞に関連する因子について検討した。 <私的コメント> 半球別に検討という大脳半球単位というのが他分野が専門の内科医にとっては新鮮です。 1症例2半球というわけです。 多変量解析の結果,脳梗塞発症リスクは, PCA狭窄性病変により著明に増加した(P<0.0001)。 また,後交通動脈より近位側(第4部位)の内頸動脈狭窄では,それ以外の部位に比べて有意に増加した(P=0.026)。 もやもや病では,PCA狭窄・閉塞により広範な皮質・白質梗塞が発症する。 今回の検討では,脳梗塞を起こした72半球中,PCA狭窄性病変は56半球(78%)と高率に見られた一方,残り16半球(22%)ではなんらかの別の因子の関与が考えられた。 脳梗塞発症部位別にPCA狭窄性病変の頻度を比較すると,後頭葉梗塞の97.6%(41/42半球)に対し,前頭葉・頭頂葉梗塞では50%(15/30半球)とほぼ半減した(P<0.01)。 また,皮質・白質梗塞の98.2%(54/55半球)に対し,白質のみの梗塞では11.8%(2/17半球)と有意(P<0.01)に少なかった(図)。 以上から,後頭葉を含むか否かにかわらず,皮質・白質に及ぶ脳梗塞の8割以上にPCA狭窄性病変が関与することが示された。 森岡准教授は,左PCA領域に陳旧性脳梗塞を有する症例を提示。 右側バイパス術施行3年後に右PCA狭窄が進行し,血流低下は見られるものの,脳梗塞は発症していない。 前方循環へのバイパス術は,PCA狭窄による脳梗塞を予防可能であり,PCA狭窄の機序や予測因子の解明が待たれるとした。 出典 Medical Tribune 2011.2.3 版権 メディカルトリビューン社 <もやもや病 関連サイト> 難病情報センター|モヤモヤ病(ウィリス動脈輪閉塞症) 特定疾患情報 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/115.htm ■内頚動脈が頭蓋内に入り最初に血管を分岐する直前で左右とも急速に狭窄ないしは閉塞する病気で、ウィリス動脈輪が機能せず脳血流が不足します。 その結果動脈輪近傍の本来は細いはずの毛細血管が多数拡張して側副血行路を形成し脳血流を維持しようとします。 ■欧米に比較するとアジア系民族に約10倍多く、日本は最多、ついで韓国に多いと報告されています。 2003年の調査では本邦の患者数が7700名と推定され、10年間で2倍近く増加しています。 ■男女比は1 : 1.8と女性優位で、好発年齢は5歳を中心とする小児型の高い山と30〜40歳を中心とする成人の低い山の二峰性を示すとされています。 最近は成人例が増加し、また無症状で見つかる例が増えています。 ■自己免疫や血管炎説が考えられてきましたが未だ不明です。 現在家族性モヤモヤ病の方の遺伝子解析を行うことにより原因を追及しています。 ■約10%の患者さんに家族例が認められます。 遺伝形式は浸透率の低い常染色体優勢遺伝が考えられています。 現在までの研究で第3, 6, 17番染色体との連鎖が報告され、特に17番染色体異常が疑われています。 家族性モヤモヤ病では片側モヤモヤ病が家系内に散見されることも分かってきました。 ■脳の必要血流量が保たれなくなったときに症状を出す脳虚血型と、出血型に二分され、少数ですが痙攣発作が主症状のてんかん型、手足の不規則な動きを主症状とする不随意運動型があります。 脳虚血型は吹奏楽器を吹く、熱い物を吹きさましながら食べる、啼泣などの過呼吸運動によって手足の脱力、言語障害、意識障害などを呈し、数分で治まる一過性脳虚血発作の場合と、症状が残る脳梗塞とがあります。 ■出血は小児では稀で、成人になると半数近くに達します。 出血の部位、程度により症状は様々で重篤で頭痛、麻痺、重篤な場合は命に関わります。 また約7%の方に頭痛が認められ(頭痛型)小児に多く生じます。起床時から午前中にかけて吐き気や嘔吐を伴う強い頭痛があり、昼ごろまでに治まり、午後は改善するのが典型的です。 また現時点で無症候性な方(無症候性モヤモヤ病)でも、年間2〜3%の脳卒中を生じることが分かっており注意が必要です。 http://neurosurgery.med.u-tokai.ac.jp/edemiru/moyamoya/index.html <私的コメント> 当院でも今までに数人モヤモヤ病の経験があります。 本邦での患者数が1万名未満というのは少ないのではないでしょうか。 また、多くの患者は抗血小板剤が処方されています。 成人になると半数近くが出血を起こすということなら、抗血小板剤が有効であるという証左はあるのでしょうか。 大出血を起こす可能性があるように思うのですが。 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 「葦の髄」メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (「葦の髄から循環器の世界をのぞく」のイラスト版) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/ 「井蛙」内科メモ帖 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科関係の専門的な内容)
by wellfrog4
| 2011-02-09 00:13
| 神経内科
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