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新規エビデンスが示す長時間作用型カルシウム拮抗薬の降圧の「質」と「力」 自治医科大学内科学講座循環器内科学部門主任教授 苅尾 七臣 氏 苅尾七臣教授は,心血管イベント抑制の観点から,降圧薬に求められる条件として,24時間降圧効果が持続 する「力」,血圧変動性を改善する「質」を挙げ,新規のエビデンスに基づき長時間作用型Ca拮抗薬アムロジピンの「力」と「質」を検証した。 血圧変動性は平均血圧と独立したリスク 苅尾氏らは,本年発行のLancetの総説で,高血圧患者の外来血圧の変動性(診察室Visit-to-visit血圧変動性)が,平均血圧とは独立した脳卒中発症のリスクであり,このような血圧変動性の増大を抑制する上で長時間作用型Ca拮抗薬アムロジピンが有用であると指摘した。 その根拠としては,TIAまたは軽い脳虚血発作の既往を有する男性2,435例を4年間追跡したUK-TIAにおいて,SBPが平均140mmHg未満 の患者でも最大SBPが220mmHgまで上昇した場合,脳卒中発症リスクが10数倍に高まることが示されたことが挙げられる(図1)。 また永井・苅尾氏らが,平均年齢79.9歳の高リスク高血圧患者を対象に年12回の診察室Visit-to-visit血圧変動性と頸動脈所見の関連を 検討した結果,頸動脈の内膜中膜複合体肥厚(IMT)と血管弾性の指標であるstiffness βが相関することが示された。 早朝・夜間高血圧を改善 血圧変動性も低減 ASCOT-BPLA10)では,3つ以上の冠動脈性心疾患(CHD)リスクを有する高血圧患者を対象に,アムロジピン群,β遮 断薬群に分けて約5年間追跡した結果,両群間に血圧差が見られなかったにもかかわらず,アムロジピン群ではβ遮断薬群に比べて心血管イベントの相対リスク を低下させた。 その背景には,アムロジピン群において外来血圧,ABPMともに変動性が抑制されていたことが指摘しうる。 一方,血圧日内変動を来す典型的な要因としては,血圧モーニングサージ(早朝高血圧)が挙げられる。 苅尾氏らの検討では,早朝SBPの降圧が見られな かった症例はアムロジピンを平均6.4mg/日使用した群では35例中4例(11%)であったのに対し,ARB群は33例中15例(45%)であった。 アムロジピンは,早朝血圧が高値であるほど降圧度が大きく,かつ夜間血圧を過度に低下させないことが知られている。 またアムロジピン は,extreme-dippers,dippers,non-dippersともに昼間の高い血圧をきちんと下げ,夜間に大幅な血圧低下が見られる extreme-dippersでは,夜間高血圧を過度に低下させることはないという(図2)。 なお,高血圧が進行し,血圧変動性を来す背景としては,細小動脈のリモデリングにより血管内腔が狭窄し,血管弾性の低下も相まって血管抵抗が増すというメカニズムが働くと考えられている。 同氏は「アムロジピンは,24時間にわたり血管平滑筋に作用して血管を拡張することにより高血圧と血圧変動の改善に寄与すると考えられる」と指摘した。 血圧変動性を示す症例 次の一手はCa拮抗薬 苅尾氏は,木村氏らとともに行ったAchieve研究において,高リスク高血圧患者を対象にアムロジピンを5mg/日から10mg/日に増量し,3カ月間の外来血圧,家庭血圧の推移を検討した。 その結果,SBP,DBPとも外来血圧,家庭血圧の改善を認め,投与前SBPが高値であるほど降圧度が高い傾向が示されている。また,アムロジピンを 5mg/日から10mg/日に増量することにより外来血圧140mmHg未満,家庭血圧135mmHg未満となる症例が著明に増加した。 一方,高リスク高血圧患者を対象にしたJ-CORE11)では,ARB+Ca拮抗薬群はARB+利尿薬群に比べて,上腕血圧には差が見られないにもかかわらず,中心血圧,脈波伝播速度(PWV)の改善に優れることが示されている。 これらのエビデンスに基づき,苅尾氏は高リスク高血圧に対してRAS阻害薬を第一選択とした場合,第二選択として推奨される降圧薬の選択について, (1)血圧変動性(モーニングサージ,日間差),CHD,動脈スティッフネスが指摘される「血管硬化型」の症例にはCa拮抗薬, (2)夜間高血圧 (non-dippers,riser),CKD,心不全,食塩感受性高血圧が指摘される「体液貯留型」の症例には利尿薬 ―を,それぞれ併用することで 24時間にわたる血圧コントロールに努めることにより心血管・腎保護効果が期待されると指摘した。 アムロジピン増量効果 併用薬に依存しない 高リスク高血圧患者を対象に行われたACCOMPLISHにおいて,ACE阻害薬+アムロジピン群はACE阻害薬+利尿薬群に比べてSBPが0.7mmHg低下し,心血管死,心血管イベントの相対リスクを低下させた。 同試験におけるアムロジピンの用量は5~10mg/日であり,Achieve研究でアムロジピンを増量して得られたのと同様のベネフィットがもたらされた可能性が指摘される。 Achieve研究において,アムロジピン増量前の処方別にSBPの推移を解析した結果,アムロジピン単独投与群はもとより,ARB併用群,ARB+利 尿薬併用群についても,外来血圧,家庭血圧ともに著明な降圧を認め,アムロジピンの増量効果が併用薬の種類にかかわりなく得られることが示された。 苅尾氏は,これらのエビデンスを踏まえ,長時間作用型Ca拮抗薬アムロジピンの「力」と「質」について, (1)血圧変動性は血圧平均値とは独立した心血 管リスクとなる, (2)アムロジピン高用量は強力に24時間血圧を低下させ,さらに血圧の変動性も低減する, (3)これらの特性は単剤ならびに併用療法で も変わらない ―と指摘し,講演を終えた。 出典 Medical Tribune 2011.2.3 版権 メディカルトリビューン社 8)Ramipril Efficacy in Nephropathy 9)African American Study of Kidney Disease and Hypertension 10)Anglo-Scandinavian Cardiac Outcomes Trial-Blood Pressure Lowering Arm 11)Japan-Combined Treatment with Olmesartan and a Calcium Channel Blocker versus Olmesartan and Diuretics Randomized Efficacy 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 「葦の髄」メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (「葦の髄から循環器の世界をのぞく」のイラスト版) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/ 「井蛙」内科メモ帖 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科関係の専門的な内容)
by wellfrog4
| 2011-02-07 00:48
| 循環器
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