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EASD2010 第46回 欧州糖尿病学会の記事で勉強しました。 2型糖尿病患者の腸膵相関(enteroinsulinar axis)におけるGLP-1の役割 食事摂取により腸管から分泌されるグルカゴン様ペプチド(GLP)-1およびグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)はインクレチンと総称され,血糖依存的に膵β細胞からのインスリン分泌を刺激する。 2型糖尿病患者では,両者の作用ともに減弱していることが知られており,その中でも,特にGIPの作用は消失していると考えられていたが,Carneiro氏らの検討の結果,2型糖尿病患者においても、GIP作用は残存している可能性が示された。 2型糖尿病患者におけるインクレチン効果の残存を検証 Carneiro氏らは,2型糖尿病患者12例(年齢60±2歳,BMI 28.1±1.2kg/m2,HbA1c 6.4±0.3%,いずれも平均値)および健康人12例を対象に,グルコースを静脈内投与するグルコースクランプ法により,一定の高血糖(180mg/dL)を3時間持続させながら,血漿中のインスリンおよびグルカゴン濃度を測定した。 インクレチン効果を確認するため,高血糖クランプの30分前から経鼻経管栄養チューブで十二指腸に一定の栄養剤(2.03kcal/分)または生理食塩水を灌流した。 また,インクレチン効果におけるGLP-1の役割を検討するため,GLP-1受容体の特異的な拮抗薬であるexendin(9-39)(Ex-9)(600pmol/kg/分)または生理食塩水を静脈内投与した。 高血糖クランプの最初の10分間における血漿インスリン値の推移〔濃度曲線下面積(AUC)の増分〕を急性インスリン反応(AIR),60~120分後までの血漿インスリン値および血漿グルカゴン値の推移を,それぞれ持続インスリン反応(SIR),持続グルカゴン反応とした。 2型糖尿病患者でもGLP-1とGIPの両方の作用が残存 検討の結果,健康人では,血糖値が同等であっても,経腸栄養を行ったときのほうがAIRおよびSIRが著明に増加していた(AIRの増分:0.34±0.1μU/mL・分,SIRの増分:5.1±0.8μU/mL・分)。 一方で,2型糖尿病患者ではこうしたインクレチン効果が健康人に比べて有意に低下した(AIRの増分:0.13±0.04μU/mL・分,SIRの増分1.9±0.7μU/mL・分,P<0.05 vs 健康人)(図1,2)。 また,Ex-9は,健康人および2型糖尿病患者のいずれにおいても,経腸栄養によるAIRやSIRを減少させた。 ただし,経腸栄養のない場合と比較すると,これらは依然として高値を示しており,GLP-1とは別のインクレチン,すなわちGIPによるインスリン分泌刺激作用が示唆された。 2型糖尿病患者の場合,このときのAIRの増分は0.08±0.03μU/mL・分,SIRの増分は0.60±0.25μU/mL・分であり,インクレチン効果のうちAIRの57%,SIRの32%はGIPによるものと考えられた。 なお,2型糖尿病患者では血漿グルカゴン値が著明に増加しており,高血糖クランプ時でもこの減少は認められなかった。 さらに,Ex-9投与により,健康人と2型糖尿病患者いずれにおいても血漿グルカゴン値の増加が見られたという。 対象の2型糖尿病患者は血糖コントロールが比較的良好であったことを考慮する必要があるが,Carneiro氏らは,以上の結果から「2型糖尿病患者ではインクレチン効果は低下しているが,GLP-1, GIP作用ともにほぼ均等に残存している可能性がある」と結論した。 監修者のコメント 従来,2型糖尿病においては,GLP-1作用は比較的保存されているものの,GIP作用はほぼ消失しているため,血中GIP濃度を増加させるような治療を施してもインスリン分泌増強作用は期待できないと考えられてきた。 比較的血糖コントロールの良好な2型糖尿病患者を対象とした今回の検討では,GLP-1,GIP作用ともほぼ同等に減弱しているものの,ある程度は保たれていることが明らかになった。 恐らく,GIP作用は血糖毒性の影響を受けやすいため,高血糖がひどい状態ではGIPは全く作用しないものの,血糖が下がると同時にGIP作用が再活性化されている可能性が高い。 この事実は,ジペプチジルペプチダーゼ(DPP)-4阻害薬の血糖降下作用によって,いったん血糖コントロールを改善すると,GLP-1のみならずGIP作用の増強も介して,さらなる血糖コントロールの改善につながる可能性があることを示唆する。 監修:順天堂大学大学院 教授 河盛 隆造 順天堂大学医学部内科学教室代謝内分泌学講座 教授 綿田 裕孝 出典 Medical Tribune Congress News Wave 2010.9.24 版権 メディカルトリビューン社 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 「葦の髄」メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (「葦の髄から循環器の世界をのぞく」のイラスト版) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/ 「井蛙」内科メモ帖 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科関係の専門的な内容)
by wellfrog4
| 2011-01-27 00:58
| 糖尿病
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