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昨日の 少量SU薬の有用性 http://wellfrog4.exblog.jp/d2010-12-20/ の続きです。 第33回日本高血圧学会総会 ランチョンセミナー(2010.10.17、福岡)での順天堂大学医学部代謝内分泌学講座 金澤昭男准教授の講演記事で勉強しました。 アマリール0.5mgのエビデンス アマリールは、1mg錠、3mg錠に加え、2010年より0.5mg錠の使用が可能となった。 この0.5mg錠は13.10円と費用対効果が高い。 アマリール0.5mg錠に関する主なエビデンスを紹介する。 金澤氏らは、食事療法のみ、あるいはαグルコシダーゼ阻害薬(α-GI)またはメトホルミンで治療されている2型糖尿病患者を対象に、SMBG(self-monitoring blood glucose)を用いて投与量を調節するSMBG群と、SMBGを用いない従来療法群の血糖コントロールとを比較検討した。 アマリール0.5mg/日より開始し、HbA1c(JDS値)6.5%以下を目標に用量を最大6.0mgまで増量した。 投与6ヵ月後、全体のHbA1c(JDS値)は7.26%から6.49%へと有意に低下し(p<0.01、paired t test)(図1)、HbA1c(JDS値)6.5%未満の達成率は57%であった。 また、食後インスリン分泌が11.6μU/mLから24.8μU/mLへと有意に増加し(p=0.001、paired t test)、結果的に食後血糖値は157.1mg/dLから137.9mg/dLへの有意な低下が認められた(p=0.013、paired t test)。 なお、SMBG群と従来療法群の間で血糖コントロールに差は認められなかった。 初期投与量群(0.5mg)と増量群(1.0mg以上)でBMI、年齢、罹病期間、前治療に有意差はなく、68%の患者は0.5mgでHbA1c(JDS値)6.5%未満を達成していた(p<0.01、Mann-Whitney U test および Wilcoxon signed rank test)。 低血糖は全体で3例に発現し、両群とも体重増加はみられなかった5) 6)。 浦風らの検討では、アマリール0.5mg/日の1日1回の投与により、投与開始1ヵ月後よりHbA1c(JDS値)の低下がみられ、4ヵ月後には投与前の7.2%から6.4%へと有意な低下が認められた(p<0.01、Bonferroni test)。 また、投与開始時のHbA1c(JDS値)に応じた血糖低下効果の相違がみられ、HbA1c(JDS値)7.0%以上7.5%未満の群では7.2%から6.4%へ(p<0.01、Bonferroni test)、HbA1c(JDS値)7.5%以上8.0%未満の群では7.7%から6.6%へ(p<0.01、Bonferroni test)、それぞれ有意に低下した(図2)。 さらに、開始時におけるBMIの層別解析では、BMI 22未満、22以上25未満、25以上のいずれのサブグループにおいてもHbA1cの有意な低下が認められた(p<0.001、Bonferroni test)7)。 洪らの検討では、アマリールとボグリボースの無作為化比較試験において、アマリール0.5mg/日投与群では、投与開始1ヵ月後からHbA1c(JDS値)の有意な低下が認められ(p<0.05、Bonferroni test)、以降も効果は維持されて24週時においても投与前7.07%から6.01%への有意な低下が確認された(p<0.01、Bonferroni test)8)。 アマリール0.5mgの1日1回投与により、HbA1c(JDS値)6.5%達成率は、金澤らの検討では57%、浦風らの検討では54.4%、洪らの検討では85%と、非常に良好な成績が示された。 アマリールを少量使用した場合でも、適正に使用することで良好なコントロールが得られることを示唆している。 このような有効性に加え、アマリールは1日1回投与であるため、良好なコンプライアンスも期待できる。 経口血糖降下薬では低血糖の発現が安全面での懸念事項となるが、アマリールの使用成績調査では、低血糖発生率は1.44%(49/3409)であり、従来の報告と同様であった。 2型糖尿病治療の原則 SU薬に関しては、二次無効が生じるではないかとの指摘があるが、犬飼らが新規2型糖尿病患者に対し、アマリール単独治療により5年間追跡調査した結果では、5年にわたり良好なコントロールが維持されていることが示されている9)(図3)。 最後に金澤氏は、「2型糖尿病治療の原則は、患者の病態に応じて設定することが大切である。治療に際しては、薬剤の変更よりもむしろ段階的に追加していくほうが、長い治療期間のなかで患者さんの受け入れがよいと思われる。個々の患者さんに合った最適な治療を考えながら進めるとともに、血糖だけではなく、体重、血圧、脂質を含めて総合的に良好なコントロールも保つことが、合併症を抑制するうえで大切である」と締めくくった。 引用文献 1)小林 正ほか:Diabetes Frontier 17(3) : 379-383, 2006 2)UK Prospective Diabetes Study(UKPDS) Group : Lancet 352 : 837-853, 1998 3)Holman RR et al.: N Engl J Med 359 : 1577-1589, 2008 4)Duckworth W et al.: N Engl J Med 360 : 129-139, 2009 5)Kanazawa A et al.: The Open Diabetes Journal 2 : 38-43, 2009 6)金澤昭雄, 河盛隆造:新薬と臨牀 Vol.59 No.7 : 46(1102)-55(1111), 2010 7)浦風雅春ほか:糖尿病 50(12) : 835-841, 2007 8)洪 尚樹ほか:新薬と臨牀 59(3) : 363-373, 2010 9)犬飼浩一ほか:新薬と臨牀 59(4) : 622-629, 2010 出典 http://medical.nikkeibp.co.jp/all/special/sa/amaryl/18-2.html (一部改変) <私的コメント> アマリールの血糖降下作用と服薬コンプライアンスについての講演です。 血糖降下作用が良好であればそれがよい経口糖尿病剤である。 このことについては一面イエスでしょう。 しかし、細小血管障害、大血管障害さらには生命予後を改善するかどうか、がより根本的な問題であるような気がします。 経口糖尿病剤については、そういったclass effectやdrug effectについての検討がまだ十分ではないような気がします。 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 「葦の髄」メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (「葦の髄から循環器の世界をのぞく」のイラスト版) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/ 「井蛙」内科メモ帖 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科関係の専門的な内容)
by wellfrog4
| 2010-12-21 00:56
| 糖尿病
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