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メタボリックメモリー: DCCT研究の再解析における時間依存効果 論文:The shape of the metabolic memory of HbA1c: re-analysing the DCCT with respect to time-dependent effects Diabetologia 2010; 53: 1093-1098 1型糖尿病患者を対象としたDCCT(Diabetes Control and Complications Trial)では従来療法に比較して厳格な血糖コントロールが網膜症などの細小血管障害の発症進展を抑制することを明らかにした。 さらに、試験終了後の血糖コントロールが同程度であっても細小血管障害の発症進展は厳格な血糖コントロールを行っていた群で有意に抑制される、いわゆる"メタボリックメモリー"が存在することが明らかになっている。 しかし、経時的な血糖コントロールの状態や高血糖に暴露される時間が糖尿病合併症に与える影響に関しては十分な検討がなされていない。 そこで本研究ではDCCTのデータをもとに、糖尿病網膜症発症以前に経時的かつ頻回にA1Cを測定することによりそれぞれの時点での血糖コントロールや高血糖暴露の期間が網膜症進展に与える影響を検討した。 結果は、網膜症が進展する2~3年前のA1C値が最も網膜症の進展に関連していた。 さらに5年前のA1C値も網膜症の進展に関与しており、8年前のA1C値でさえも関連性があった。 1型糖尿病が発症してからA1C値7%もしくは8%が継続した場合、7%に比較して8%では1年後に網膜症の進展リスクが1.05倍、5年後には1.63倍に増加した。 つまり、1型糖尿病発症早期には血糖コントロールの状態による網膜症進展に与える影響は少ないが、時間の経過とともにその危険性は増加した。 また、1型糖尿病と診断されてから約6年間A1C値8%が持続した後、7%に改善しても2~3年後の網膜症進展リスクは有意に減少させることができなかった。 A1C値8.3%から8.0%に改善させた場合に網膜症進展を1症例抑制するのに必要な人数(NNT)は3年では1,688そして9~12年では13であった。すなわち、血糖コントロールによる網膜症進展の抑制効果を観察するには、ある程度長い期間が必要であった。 網膜症進展抑制の目的で血糖コントロールを行っても、それ以前の血糖コントロール状態の影響が強いため短期間では網膜症進展の抑制効果は少ないことが示された。 しかし、長期間継続することによりその効果が出現する。 つまり、血糖コントロールによる糖尿病合併症の影響を検討する臨床研究ではエントリー前の血糖コントロール状態を考慮しメタボリックメモリーに影響されないように対象患者を選定し、長期間にわたって観察する必要がある。 執筆:順天堂大学医学部内科学・代謝内分泌学 中山 志保 先生 監修:順天堂大学大学院(文科省事業)スポートロジーセンター センター長 河盛 隆造 先生 http://www.univadis.jp/Services/DiabetesPro/Pages/ClinicalTrials1009_02.aspx 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 「葦の髄」メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (「葦の髄から循環器の世界をのぞく」のイラスト版) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/ 「井蛙」内科メモ帖 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科関係の専門的な内容)
by wellfrog4
| 2010-11-16 00:40
| 糖尿病
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