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10月15日朝日新聞記事における重大な問題について 東大医科研のがんペプチドワクチン報道を検証 1.看過できない朝日新聞報道 朝日新聞10月15日朝刊1面及び社会面に大々的に報道されたがんペプチドワクチンの記事は非常に問題のある記事であり、およそ看過することができない人権侵害があった。 1999年より始まったマスコミによる医療バッシング記事に、問題のある記事がいくつも存在した。第四の権力といわれるマスコミが、その権力性ゆえに腐敗し、減退していくのか、社会の木鐸として機能し続けるのか、マスコミにかかわる者たちの姿勢が問われている。 2.問題点1 本件記事で問題となるのは大きく2点ある。 一つ目としては、朝日新聞10月15日朝刊1面の見出しは、「臨床試験中のがん治療ワクチン「患者が出血」伝えず東大医科研、提供先に」とされ、同1面のリード文は下記の通りであった。 「東京大学医科学研究所(東京都港区)が開発したがんペプチドワクチンの臨床試験をめぐり、医科研付属病院で2008年、被験者に起きた消化管出血が「重篤な有害事象」と院内で報告されていたのに、医科研が同種のペプチドを提供する他の病院に知らせていなかったことがわかった。医科研病院は消化管出血の恐れのある患者を被験者から外したが、他施設の被験者は知らされていなかった。(編集委員・出河雅彦、論説委員・野呂雅之)」 この文章を通常の読者が読んだ場合の解釈は、「東大医科研が、がんワクチンの臨床試験でがんペプチドワクチンが原因となった消化管出血が生じているにもかかわらず、他の施設に情報を提供せず隠ぺいしたという不祥事が起きた」となるであろう。 3.鍵となるのは真実性、真実相当性 しかし、本件で生じた消化管出血は、がんペプチドワクチンによるものではなく、膵臓癌の進行による出血であったとのことである。 そして、当該出血事例は、医科研病院単独で行われた臨床試験であったので、他施設への報告義務も存在しなかったのである。 これらの事実につき、朝日新聞社からの情報公開請求、複数回にわたる質問状、取材への回答として示してきたとのことにもかかわらず上記のような記事となったのである。 これらが事実であったならば、上記記事は虚偽の事実を記載したこととなる。 そして、このようなやり取りの基に上記記事が書かれている以上、他によほどの真実と確信できるような資料でもない限り、真実と信ずるにつき、相当の理由があるとは言えないこととなろう。 少し、余談となるが、今回のような記事を書かれた原因の一つに「有害事象」や「重篤な有害事象」という言葉の定義が、一般人がその単語を聞いた時にイメージする意味と乖離していることが挙げられる。 私も、初めて上記単語を目にしたときは違和感を持ったものである。 これらの言葉の定義がどのような過程を経て決せられたか知らぬが、このような細かい点でも、放置することは、このような結果を誘因することとなることは心すべきである。 4.問題点2 二点目としては、朝日新聞10月15日朝刊社会面の見出しは、 「患者出血「なぜ知らせぬ」ワクチン臨床試験協力の病院、困惑」 「薬の開発優先批判免れない」 となっている。 本文には、 ・中村祐輔先生が、未承認のペプチドの開発者であること ・中村祐輔先生を代表者とする研究グループが中心となり、上記ペプチドの製造販売承認を得ようとしていること ・中村祐輔先生が、上記研究成果の事業化を目的としたオンコセラピー・サイエンス社(大学発ベンチャー)の筆頭株主であること ・このような背景の下、消化管出血の事実が他の施設に伝えられなかったことを摘示し、 「被験者の確保が難しくなって製品化が遅れる事態を避けようとしたのではないかという疑念すら抱かせるもので、被験者の安全よりも薬の開発を優先させたとの批判は免れない」 とのコメントを掲載している。 5.許されざる人権侵害 しかし、繰り返しとなるが、本消化管出血は、膵臓癌の進行によるものであり、そもそも、がんペプチドワクチンとは関係がない事案であったとのことである。 その上、中村祐輔先生は、本出血患者に投与したペプチドワクチンの開発者ではなく、もちろん、特許も保有していないこと。 医科研単独での臨床試験においても、多施設臨床試験を行っている先端医療開発特区においても、中村祐輔先生は、ペプチドの供給者でしかなく、臨床試験の責任者ではないとのことである。 これらが事実であったならば、事実と異なる記事を書き、人の名誉を棄損するような行為は、許されざる人権侵害であり、見過ごすことはできない。 6.これからのメディアに期待する 私が司法を志した一因として、ちょうど10年前、大新聞が連日医療バッシングを続ける一方、その記事のすぐ下の広告欄に効果が科学的に証明されていない免疫療法の広告が掲載していたことに強い憤りを感じたことが挙げられる。 がん患者は、藁にもすがる思いでそれらの商品を購入していた。 がんペプチドワクチンは、末期がん患者の希望の光となりうる療法の一つと目されており、今現在も、治療困難となった癌患者の光となっている。 マスコミ関係者にも(医療者にも、法曹界にも言えることだが)、心ない者が一定数いることはやむを得ない。 だからこそ、それを制御するガバナンスを持つことが肝要なのである。 大磯義一郎(医師・弁護士) http://www.m3.com/iryoIshin/article/127251/index.html?Mg=2d69adbdaee7ba3083b4fca2a190c867&Eml=31ef79e7aaf65fca34f0f116a57fd65d&F=h&portalId=mailmag&mm=RA101029_CXX 出典 m3.com 一般医療ニュース 医療維新 オピニオン 2010.5.13 <関連サイト> 朝日新聞社に対する抗議文提出のお知らせ http://www.oncotherapy.co.jp/news/20101022_01.pdf
by wellfrog4
| 2010-10-24 00:18
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