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血液一般検査のスクリーニング 意義は低いが有用な場合も 血液一般検査は,診療所ではルーチン検査として定着しているが,ドイツの公的疾患保険が適用される35歳以上の健康診断の検査項目には含まれていない。 フリートリッヒ・アレクサンダー大学病院(エアランゲン)第五内科のNorbert Meidenbauer博士は「無症候性患者の場合,血球数から新たな診断を下せるのは,せいぜい200例に1例ときわめてまれで,そのスクリーニングが有用であることを示す文献もない。 ただし,同検査により小球性低色素性貧血,血小板減少症,白血球増加症を発見することはできる」と内科学会で報告した。 貧血では鉄欠乏の有無を調べる 貧血の鑑別には,平均赤血球容積(MCV),平均赤血球血色素量(MCH),網状赤血球数の測定が必要である。 MCVとMCHは血液一般検査から得られ,網状赤血球数は骨髄機能を反映する。 この3つの検査値から無症候性の小球性低色素性貧血であることが判明したら,次にその原因を特定しなければならない。 最も多いのは鉄欠乏性貧血であるが,移住労働者で網状赤血球値の上昇が認められる場合は,サラセミア(地中海貧血)の可能性もある。 鉄欠乏性貧血の場合,赤芽球上の可溶性トランスフェリン受容体濃度が上昇するため,トランスフェリン飽和度は低下するが,炎症性貧血の場合も同様に低下する。 また,血清鉄値は基準範囲が広く,日内変動が大きいのが問題である。 Meidenbauer博士は「血清鉄とトランスフェリン飽和度のいずれを検査しても,鉄欠乏性貧血と炎症性貧血との鑑別はできない」と述べ,「貯蔵鉄量の評価には,やはりフェリチンが最も適している」と強調した。 鉄欠乏ではフェリチン値が低いが,フェリチンは急性期反応蛋白質として知られており,炎症などにより数値が上昇するため,慢性疾患では同値が高くなる。 鉄欠乏性貧血と確定したら,まず鉄欠乏の原因として最も多い出血の有無を調べなければならない。また,吸収不良,スプルーについても考慮する。 鉄の吸収状態を調べる検査は,原因を確認できない場合に限り施行するのが望ましいとしている。 血小板減少ではTTPが重要 血小板減少が認められても,臨床症状を示さない患者は通常,入院する必要はない。 入院を要するのは, (1)出血徴候が認められる (2)血小板数<2万/μL (3)白血球増加や白血球減少など,血小板減少以外の血球数にも異常が認められる (4)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の疑いがある −といった場合である。 TTPは,クレアチニン値と乳酸脱水素酵素(LDH)値が上昇し,溶血性貧血,神経学的症状を呈する。 Meidenbauer博士は「生命を脅かす疾患であるため,見落とすと死に直結する」と注意を促した。 血小板数の低下が認められるが,著しくない場合,まずは偽性血小板減少症を疑い,これを除外する。 同症は,エチレンジアミン四酢酸(EDTA)入り採血管内で血小板の凝集が起きてしまい,血小板数が実際よりも少なくカウントされてしまう現象である。 そのため,血小板数の正確な測定は,クエン酸ナトリウムまたはヘパリン入りの採血管で行うべきである。 また,末梢血塗抹標本で,偽性血小板減少症に典型的な血小板凝集塊の有無を確認するのも有効だ。 血小板減少を引き起こす他の原因としては, (1)薬剤(特にへパリン) (2)最近の感染 (3)ワクチン接種 (4)慢性ウイルス/細菌性疾患(HIV,C型肝炎,Helicobacter pylori感染) (5)肝障害(肝硬変) -が挙げられる。 同博士は「これらの原因が確認されない場合,患者を血液専門医に紹介すべきである」と述べた。 白血球数15万以上は即入院 白血球増加症も健康診断で偶然に発見されることが多い。 無症候性の患者で,白血球数が3万/μLを上回る場合,目視判定法(顕微鏡下)で好中球の増加または持続的な核の左方移動が認められれば,炎症や自己免疫疾患,慢性骨髄性白血病(CML)の可能性がある。 また,ステロイド薬の使用が原因となっている場合もある。 リンパ球の増加が認められれば,白血病と類似した経過をたどるB細胞リンパ腫を疑うべきである。 白血球数が15万~20万/μL以上の患者は入院する必要がある。 また,白血球数増加以外に (1)発熱や出血徴候,衰弱が認められる (2)他の血球数異常も認められる (3)LDHが500~600IU/L以上で推移する -場合も入院が必要である。 最後に,Meidenbauer博士は「症状が現れずに,このような所見が認められる患者はきわめてまれである。そのため,血液一般検査はやはりスクリーニングとして適さないだろう」と強調。 これに対して,ライプチヒ大学病院(ライプチヒ)第2内科のJoachim Mössner教授から「通常,血球数の異常は,診断の手がかりとなる。 また,血液一般検査は低コストで行えるため,当院では健康診断の検査項目に入れている」といった意見も見られた。 出典 Medical Tribune 2010.9.2 版権 メディカルトリビューン社 <きょうの一曲> Beethoven, 7th Symphony, 2nd Movement Beethoven, 7th Symphony, 2nd Movement (David Zinman, Tonhalle-Orchestra, Zurich) 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科関係の専門的な内容)
by wellfrog4
| 2010-09-04 00:19
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