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第70回米国糖尿病学会( 2010.6.25~29 Orlando, U.S.A. )での糖尿病の心血管リスクに関する記事で勉強しました。 糖尿病患者の心血管イベントリスクは心血管疾患既往患者と同等か? 近年、糖尿病が心血管疾患(以下、CVD)既往と同等の心血管イベントリスク因子だという見解が広く知られているが、この見解は明確に検証されたものなのだろうか──。 米オーランドで開催された米国糖尿病学会学術集会(ADA 2010)で行われたディベートセッションでは、肯定の立場から、ドイツ・Munich Helmholtz CenterのEberhard Standl氏が、疑問とする立場から英国・University of SheffieldのIskandar Idris氏が発言した。 まずStandl氏は、糖尿病がCVDの強力なリスク因子であることを示した最初の報告は、1998年のEast West Studyであろうと述べた。 同Studyでは、7年間の心筋梗塞(以下、MI)の累積発症率は、非糖尿病/MI既往なしの患者で4%、非糖尿病/MI既往ありの患者で19%、糖尿病/MI既往なしの患者で20%、糖尿病/MI既往の患者で45%だった。 この結果は、その後施行された複数の疫学研究の結果ともほぼ一致し、糖尿病による10年間のCVD累積発症率は、非糖尿病/MI既往なしの対照と比べ20%前後上昇すると推測される。 ESC/EASDの糖尿病前症と心血管疾患ガイドラインやADA MCR initiativeの治療指針でも、糖尿病と糖尿病に関連する代謝異常は、CVD発症の重要なリスク因子と位置づけている。 一方でStandl氏は、Framingham研究やUKPDSの結果に基づいて作成されたCVD発症リスク評価法は、国際共同介入試験であるADVANCE Studyの登録患者を対象としてCVD発症リスクを評価した場合、過大評価の恐れがあるとする報告を示した上で、逆に低リスクと考えられていた患者のCVD発症リスクが過小評価されてきた可能性もあると述べた。 例えば、メタボリックシンドロームのような代謝異常症候群に糖尿病が合併することで、心血管イベントの発症リスクが上昇するという Isomaaらの報告、冠動脈造影所見を有さない糖尿病患者であっても血管内皮障害や冠予備能の低下をもたらす合併症がみられるとするNitenbergらの報告があるという。 また、最近報告された、耐糖能異常例を対象に行われたNAVIGATOR Studyで得られた結果から、耐糖能異常の患者であっても、10年間のCVD発症リスクは26%上昇すると推定された。 Standl氏は、これらの試験結果から、血圧や脂質管理が良好であっても、糖尿病患者の10年間のCVD発症率は、18%程度になるとの見解を示した。 さらに、Turnbullらの2型糖尿病患者における大血管障害発症の抑制には、積極的な血糖コントロールが必要であるとの報告を示し、糖尿病はCVD既往と同等のCVD発症の強力なリスク因子であり、積極的な治療が望まれると結んだ。 反対に、否定の立場から登壇したIdris氏は、MRFIT studyやFINMONICA Studyなどで、糖尿病患者のCVD発症リスクは高いことが指摘されていることはたしかで、NCEP ATP Ⅲでも、糖尿病はMI既往と同等のCVDリスクであるとして、LDL-コレステロール管理目標値を100mg/dLにするなど、厳格な管理を求めていると認めた。 ただしこれは、公衆衛生や医療経済の視点から、糖尿病患者は高いCVDリスクを有するとみなし、積極的な治療が有用としているに過ぎないという。 その理論的背景は、1992年に提唱されたRose population prevention axiomだ。 英国の疫学者であるRoseは、多数の低リスク患者を治療して、対象患者全体のリスクを下げることが、疾患発症抑制や費用対効果の面から有用とした。 半面、Roseの考え方を糖尿病患者に適応する有用性を、明確に示した疫学研究は、知る限り存在しないとIdris氏は指摘。 糖尿病患者のCVD発症には、患者個々の条件が大きく影響するため、一律な治療にはなじまないという。 Howardらは、糖尿病患者の10年間のCVD累計発症率は20%を超えるが、他のリスク因子を併せ持つ患者が多いこととともに、保有するリスク因子の種類や数によって発症率は大きく変わるという結果を示している。 またFinnish population cohortの解析では、2型糖尿病/ MI既往なしの患者と、非2型糖尿病/MI既往ありの患者のCVD発症リスクは同等という結果が得られているが、このコホート研究では、食事運動療法中の糖尿病患者が除外されており、2型糖尿病患者数が890例であるのに対し、非2型糖尿病/MI既往なしの患者数が69例と極端な差があって統計的に十分評価できない、などの問題点を指摘、解析結果の信頼性は高くないとする。 さらに、システマチックレビューやメタアナリシスの集計からは、「CVD既往」というリスク因子に対する「糖尿病」というリスク因子のCVD発症へのオッズ比は0.37と推定されるという。 以上の検討からIdris氏は、糖尿病がCVD発症に及ぼす影響は一様ではなく、すべての糖尿病患者が、心血管既往と同等のリスクを有すると考えて治療する必要はないと結論した。 Idris氏の議論に対する反証としてStandl氏は、臨床試験において非糖尿病/CVD既往の患者とされた群の中にも、糖尿病や耐糖能異常例が混在している可能性をあげ、糖尿病はCVDの強いリスク因子であると述べた。 これに対しIdris氏は、多様なCVDリスク因子の評価は、それぞれを厳格に差別化して行うべきであり、実際にメタアナリシスの結果では糖尿病のCVD発症リスクは、CVDの既往と比べ高くないと締めくくった。 (日経メディカル別冊編集 2010..6.30) <番外編> ビスホスホネート製剤の1年以上の使用で閉経後乳がんが減少 ビスホスホネート製剤の1年以上の使用が閉経後女性の乳がんリスク低下と関係すると,イスラエルのグループがJournal of Clinical Oncologyの8月1日号に発表した。 ビスホスホネート製剤は,骨粗鬆症の治療とがんによる骨病変の予防・治療に用いられている。 同グループは,閉経後乳がん患者と年齢,クリニック,民族をマッチさせたコントロールの計4,039例を対象とした症例対照研究で,ビスホスホネート製剤の使用と乳がんリスクとの関係を検討した。 その結果,ビスホスホネート製剤の1年以上の使用が乳がんの有意なリスク低下と関係していた〔オッズ比(OR)0.61〕。 この関係は,乳がん家族歴やBMI,カルシウム(Ca)補充,ホルモン補充療法などを補正後も有意であった(OR 0.72)。 同製剤をより長期に使用した場合のさらなるリスク低下は観察されなかった。 Rennert G, et al. J Clin Oncol 2010; 28: 3577-3581. 出典 Medical Tribune 2010.8.19 版権 メディカルトリビューン社 <きょうの一曲>ピアノ協奏曲第23番イ長調K488~第2楽章アダージョ http://www.youtube.com/watch?v=lhbXOY4YU1k&feature=fvw 東山魁夷画伯はモーツアルトの音楽をこよなく愛されたそうです。 この画伯の有名な18点の風景画による<白い馬の見える風景>の連作。 「緑響く」はモーツアルトのピアノ協奏曲イ長調の旋律から想を得て生まれました。 私も昨年、この画のモデルとなった御鹿射池を訪れました。 御射鹿池(みしゃかいけ) http://blog.goo.ne.jp/crystal_may/e/db552297fd5a12db2ee4a1545b30f34a 秋の御射鹿池 http://norihana2.web.fc2.com/shinsyuu/misyaka.htm 奥蓼科「御射鹿池」 http://blogs.yahoo.co.jp/hearty4h/49434036.html 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 「葦の髄」メモ帖 http://yaplog.jp/hurst/ (「葦の髄から循環器の世界をのぞく」のイラスト版) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科関係の専門的な内容) 「井蛙」内科メモ帖 http://wellfrog.exblog.jp/
by wellfrog4
| 2010-08-25 00:56
| 糖尿病
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