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北里研究所病院糖尿病センターの山田 悟先生が書かれた「糖尿病合併高血圧の降圧剤選択においてRA系阻害薬の次の第二選択薬はカルシウム拮抗薬か利尿薬か」「その降圧剤の効果の指標は糸球体濾過量かアルブミン尿か」という内容の記事で勉強しました。 糸球体濾過量かアルブミン尿か,それが問題だ 糖尿病合併高血圧における降圧薬選択のポイント 研究の背景:GUARD試験とACCOMPLISH試験の結果は実は同じ 糖尿病合併高血圧症患者に対する降圧薬選択について,日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2009」に掲載されたアルゴリズムでは,第一選択薬がレニン・アンジオテンシン(RA)系阻害薬となっているが,第二選択薬については利尿薬もしくはカルシウム拮抗薬(CCB)とされており,選択の余地がある。 この両者を比較検討したGUARD試験(Kidney Int 2008; 73: 1303-1309)では,アルブミン尿の改善については利尿薬に分があったものの,同様に両薬剤を比較したACCOMPLISH試験(N Engl J Med 2008; 359: 2417-2428,ただし糖尿病患者は6割程度)においては,CCBのほうが心血管複合エンドポイントの発症をより強く抑制していた。 さらに,今年(2010年)になって発表されたACCOMPLISH試験の腎臓病複合エンドポイント〔クレアチニン(Cr)の2倍化,糸球体濾過量(GFR)<15mL/分/1.73m2,透析〕についてのサブ解析においてもCCBに分があるとされた。 しかし,よく眺めてみると,GUARD試験においても推算GFR(eGFR)の変化においてはCCBが勝っており,ACCOMPLISH試験においてもアルブミン尿の変化については利尿薬が勝っており,その意味では両試験の結果は同様だったわけである。 すなわち,GFRを大事と考えればCCB,アルブミン尿を大事と考えれば利尿薬が有利であり,GUARD試験とACCOMPLISH試験の違いは何を主たるエンドポイントとしていたかの違いだったわけである。 そのようななか,eGFRやアルブミン尿と心血管死亡や全死亡との相関を検討したコホート研究のメタ解析の結果がLancet(2010; 375: 2073-2081)に紹介されたのでご紹介したい。 GUARD試験 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/18354383 ACCOMPLISH試験 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/19052124 研究のポイント1:120万人規模のメタ解析 この研究では,1996~2009年6月に論文化されており,GFR,アルブミン尿および死亡率について検討した一般住民についてのコホート研究を2人の研究者が独立して検索した。 当初のデータベース検索の段階で767件がヒットしたが,抄録内容から649件が削除され,本文を見て十分なデータがそろっていない39件が削除された。 さらに,同一研究であった56件が除外されるなどし,23件の研究が残った。 ここに論文化されていない研究などを加えてもう一度吟味し,最終的に21件の研究が採用された。 このうち,尿中アルブミン・クレアチニン比(ACR)でアルブミン尿を評価しているのが14件(10万5,872人,73万577人・年)であり,尿蛋白検査定性スティックを用いて評価しているのが7件(112万8,310人,473万2,110人・年)であった。 また,9件が北米,6件が欧州,5件がアジア,1件がオーストラリアからの報告であった。 研究のポイント2:GFRは75mL/分/1.73m2未満で,アルブミン尿は全体で線形に死亡率と関連 年齢・性別・民族・心血管疾患の既往,収縮期血圧,糖尿病の有無,喫煙,総コレステロールで補正して解析した結果,eGFRは75mL/分/1.73m2以上では死亡率とは関連せず,75mL/分/1.73m2未満では線形に死亡率と負の関連を示していた。 eGFR 95mL/分/1.73m2を基準にすると,eGFR 60mL/分/1.73m2のハザード比(HR)は1.18(95%CI 1.05~1.32),eGFR 45mL/分/1.73m2のHRは1.57(同1.39~1.78),eGFR 15mL/分/1.73m2のHRは3.14(同2.39~4.13)であった。この関係は心血管死亡率で検討しても同様であった(図1)。 一方,ACRは全体として死亡率と正の関連を示しており,ACR 5mg/g・Crを基準とすると,ACR 10mg/g・Crの死亡率のHRは1.20(95%CI 1.15~1.26),ACR 30mg/g・CrでHR 1.63(同1.50~1.77),ACR 300mg/g・CrではHR 2.22(同1.97〜2.51)であった。 この関係は心血管死亡率で検討しても同様であった(図2)。 研究のポイント3:GFRとアルブミン尿は独立して死亡率と関連 さて,興味を持ったのは,GFRとアルブミン尿のいずれが死亡率に対して重要性が高いのかであった。 論文の著者らも,eGFRとアルブミン尿を階層化して死亡率を検証している。 その結果,両者は独立して死亡率と関連しており,両者のいずれもが重要な腎指標であることが判明した(表1,2)。 さらに,尿蛋白定性検査スティックの陰性,1+,2+についてもeGFRと独立して死亡率と関連していることも判明した。 したがって,仮にGFRが悪化しなくてもACRや尿蛋白が増加することは予後の悪化を示すし,また,ACRや尿蛋白が悪化しなくてもeGFRが低下すればやはり予後は悪くなるのである。 山田先生の考察:ARBへの併用にはeGFRの低下スピードを緩めるCCBのほうがよい? CCBでeGFRが保護され,利尿薬でACRが保護されるというデータのなかで,RA系阻害薬に追加する2剤目として何を選択するかは常に悩みどころである。 個人的にはACCOMPLISH試験の主解析が心血管イベントというtrue endpointであるだけに,CCBを使用することが多い。 今回の解析でeGFRのほうがACRよりも死亡率との関連が深いとのデータが出ていれば,その選択に自信を持てると考えて本論文を読んでみた。 しかし,両者がともに独立して死亡率と関連していることが示され,私個人の選択に自信を持つことはできなかった。 ただ,TRANSCEND試験でアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)テルミサルタンはプラセボに対してeGFRの低下スピードが速く,逆にアルブミン尿の増加は軽度ですんでいた(Ann Intern Med 2009; 151: 1-10)。 また,ONTARGET試験ではACE阻害薬ramiprilについても同様の成績であった(Lancet 2008; 372: 547-553)。 我田引水ではあるが,こうした点を考えると,少なくともARBへの併用にはeGFRの低下スピードを緩めることができるCCBのほうがよいと思いたい。 また,私が注目したのはACRが30未満(10~29)mg/g・CrであってもeGFR 60~89mL/分/1.73m2で死亡率の上昇が認められていたことである。 慢性腎臓病(CKD)の概念は, (1)蛋白尿陽性などで腎障害の存在が明らか, (2)GFR 60mL/分/m2未満などで腎機能障害の存在が明らか ―のいずれかが3か月以上持続することである。 したがって,ACR 10~29mg/g・CrかつeGFR 60~89mL/分/m2での死亡率の上昇は,CKDの定義に入らない段階でも死亡率が上昇していることを意味している。 CKDの概念が提唱されたとき,あまりに多くの(通常は健康と考えうる)人を疾病概念に包含してしまうのではないかとの危惧を持たれる方もいた。 しかし,CKDと定義することにより,末期腎不全や心血管疾患の予防を可能ならしめることを考えるのであれば,CKDの概念はもっと広くてもよいのかもしれない。 出典 MT pro 2010.7.15 版権 メディカルトリビューン社 <私的コメント> 今回の大規模臨床試験のレビューは、糖尿病合併高血圧についてのものでした。 しかし、この話は糖尿病「非」合併高血圧に敷衍できることなのかどうかも知りたいところです。 <医学誌 斜め読み>γ-GTP ■ γ-GTP が高い症例で、頻度は低いが中年女性では原発性肝硬変症が検診で偶然発見されることがある。 ■最近、 γ-GTPと冠動脈疾患やインスリン抵抗性との関連*も報告され、メタボリック症候群との関連が注目されている。 *Ruttmann E, et al :Circulation112:2130,2005 出典 日本医事新報 No.4480 2010.3.6 P92-93 版権 日本医事新報社
by wellfrog4
| 2010-07-16 00:25
| 糖尿病
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