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ADA/EASD提唱の治療アルゴリズム,日本人にも適用すべきか? 第53回日本糖尿病学会でディベート 現在日本で使用できる糖尿病治療薬には,6種類あまりの経口剤とさまざまなタイプのインスリンなどの注射剤があるが,これらを個々の患者に使い分けて適切に治療するのは専門医でも難しいとされている。 日本のガイドラインでは,これらの薬剤使い分けの詳細が明記されていないため,米国糖尿病学会(ADA)と欧州糖尿病学会(EASD)が合同で提唱している治療アルゴリズム(Diabetologia 2009; 52: 17-30)が紹介されることが多くなっている。 第53回日本糖尿病学会年次学術集会(5月27日~29日,岡山市)のディベートセッション「EASD/ADA提唱のアルゴリズムを日本人患者に適用することの是非」では,賛成反対それぞれの立場を指定された演者によるディベートが展開された。 満場の会場からは日本人に適したアルゴリズムの提示を求める声が挙がる一方,アルゴリズムを提唱することの難しさも浮き彫りにされた。 賛成の立場から:エビデンス重視のステップアップ治療,生活習慣改善と同時に開始される薬物治療 ADA/EASD提唱の治療アルゴリズムの特徴は,糖尿病と診断されると生活習慣改善とともに薬物治療が開始される点と,HbA1c低減効果が実証された薬剤として,ステップ1でメトホルミンを,次のステップでスルホニル(SU)薬または基礎インスリンが明記されている点だ(図1)。 このステップアップ治療が日本人にも適用できるとする立場で登壇した九州大学先端融合医療レドックスナビ研究拠点教授の井口登與志氏は,このアルゴリズムが支持される根拠として, (1)日本における糖尿病の治療実態から見ても早期の治療介入とステップアップ治療が必須,(2)長期予後を改善するエビデンスが十分にあり,医療経済性にも優れる ―という2点を挙げた。 同氏らは,福岡県内の病院19施設とクリニック21施設による横断調査を行ったが,外来通院中の2型糖尿病患者におけるガイドライン目標値(HbA1c 6.5%未満)の達成率は3割程度にとどまっており,8.0%以上でも約6割で経口剤のみの治療が行われており,なかには経口剤すら処方されていない実態が示された。 この結果も踏まえ,同氏は「生活習慣改善が重要であるのは当然であるが,その困難さもまた明らか」として,早期の薬物介入とステップアップ治療の必然性を強調した。 治療薬のステップ1で挙げられているメトホルミンは血糖降下作用だけでなく,低血糖発症の少なさや体重減少効果が報告されている。 ステップ2で挙げられているSU薬については,少量投与で低血糖を来さずに血糖降下作用を得ることが可能で,メトホルミンとの併用効果も実証ずみであるとした。 また,この2剤を合わせた薬価はかなり安価であり,医療経済的にも優れると指摘した。 反対の立場から:日本人には不適,個々の症例に合わせた糖尿病治療の推進を 聖マリアンナ医科大学代謝・内分泌内科教授の田中逸氏は, ADA /EASD提唱のアルゴリズムは日本人に適していないとする立場で論を展開した。 同氏はまず,欧米においてもこのアルゴリズムに対して, (1)管理目標値がHbA1c 7.0%未満(日本の測定では6.6%未満)である点, (2)個別的な薬物治療の必要性, (3)二次無効を来しやすいSU薬の長期的有用性については疑問が出ているほか,導入インスリンが基礎インスリンに限定されており,採用されているエビデンスに偏りがある ―といった問題点が指摘されていること(Diabetologia 2010; 53: 1258-1269)を紹介した。 アルゴリズムの具体的なステップについて,同氏は以下の点を指摘した。 まず,生活習慣の改善期間を設けずに最初から薬物治療が行われているのは問題であり,さらにその初期治療としてメトホルミンのみが挙げられている点に疑問を呈した。 また次のステップとして追加する薬剤にαグルコシダーゼ阻害薬(α-GI)やグリニド薬などが除外されており,インスリンの開始においては基礎インスリンのみが挙げられていることについても正当性が低いとした。 特に,炭水化物の摂取割合が欧米人に対して高く,食後のインスリン追加分泌が遅い傾向にある日本人ではα-GIやグリニド薬が有効であり,両薬が選択肢として挙げられていない現行のADA/EASDのアルゴリズムを日本人に適用することは適切でないとした。 日本でADA/EASDの治療アルゴリズムが参照される背景には,日本の糖尿病治療ガイドに具体的な治療薬の選択肢が記載されていない点が挙げられる(図2)。 同氏は「なんでもありと捉えられる面もあるが,日本の現行ガイドは生活習慣の改善と患者の病態や臨床像に応じた個別治療を重要視しており,また,日本ではそれができるということではないか」と締めくくった。 非専門医にもわかる治療アルゴリズムを希望する声も 終了後のディスカッションでは,参加者から「ADA/EASD治療アルゴリズムが適用できる患者像とは?」といった質問や「開業医や非専門医にもわかるようなガイドラインを作成して欲しい」といった要望が出された。 これに対し,日本糖尿病学会理事長で同ディベートの司会を務めた東京大学大学院代謝・栄養病態学教授の門脇孝氏は,現状では日本人のエビデンスが不足していること,また具体的な治療選択肢を示した治療アルゴリズムが前面に出ることで個別治療が損なわれる恐れがあることなどを挙げ,具体的な治療指針の提示が困難な側面も浮き彫りにした。 なお,参加者のなかでADA/EASDの治療アルゴリズムに賛意を示したのは,ディベート前で3分の1程度にとどまったが,この割合はディベート後でも同様だった(アナライザーによる調査)。 この結果も踏まえ,門脇氏は「日本人に適したガイドライン作成のニーズの高さが確認された」と締めくくった。 出典 MT Pro 2010.6.2 版権 メディカル・トリビューン社
by wellfrog4
| 2010-07-12 00:17
| 糖尿病
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