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1年前の2009年6月,新しい超速効型インスリン製剤であるインスリン グルリジンが発売されました。 超速効型インスリン製剤として新たな選択肢となるインスリングルリジンは,その特徴的な製剤設計により,皮下投与後のより速やかな吸収と短時間での消失を実現しています。 各種大規模臨床試験において,強化インスリン療法などによる厳格な血糖コントロールが,細小血管障害はもとより大血管障害の抑制にもつながることが明らかになる中,持効型から超速効型まで出揃った各種インスリン製剤をどのように組み合わせ,どのように用いていけばよいのでしょうか。。 きょうは,糖尿病専門医による座談会の記事で勉強しました。 #新しい超速効型インスリン製剤 #「インスリングルリジン」への期待と可能性 座長: 寺内 康夫 氏 横浜市立大学 内分泌・糖尿病内科学 教授 コメンテーター: 相原 一夫 氏 相原内科クリニック 院長 佐倉 宏 氏 東京女子医科大学糖尿病センター 准教授 林 道夫 氏 NTT東日本関東病院 糖尿病・内分泌内科 部長 鈴木 大輔 氏 東海大学医学部付属病院 腎・内分泌・代謝内科学 診療科長 准教授 小林 高明 氏 東京医科大学 糖尿病代謝内分泌内科 助教 関根 信夫 氏 東京厚生年金病院 内科主任部長 税所 芳史 氏 慶應義塾大学 腎臓内分泌代謝内科 助教 福井 智康 氏 昭和大学医学部 糖尿病・代謝・内分泌内科 助教 #厳格な血糖管理の重要性 寺内 強化インスリン療法によって厳格に血糖をコントロールすることの重要性は,各種大規模臨床試験によって確認されています。 DCCT/EDICや,Kumamotostudyは,強化インスリン療法によって細小血管障害はもとより大血管障害の抑制も可能であることを証明してくれました(図1)1)。 DCCT/EDICの研究では,インスリン強化療法群では,従来療法群に比べて42%も心血管イベントの累積発生率が低いことが示されています。 また,ACCORD,ADVANCE,UKPDS,VADT,PROactiveのメタ解析2)の結果から,積極的な血糖管理を行うことにより有意に心血管イベントを抑制することが示されています。 一方で,ACCORD,ADVANCE,VADTなどにより,細小血管障害や大血管障害抑制のために血糖管理は重要であるが,重症低血糖や著明な体重増加を来たさないことが望ましいとされたことも留意しておかなければなりません。 このような大規模臨床試験の結果を踏まえて,糖尿病治療における血糖管理について,先生方のご意見をお伺いしたいと思います。 関根 大規模臨床試験の結果を踏まえて,3つの観点から治療方針を考えるようにしています。 1つ目は年齢です。 できるだけ早期に,厳格に介入し,レガシーエフェクト(遺産効果)も視野に入れています。 2つ目は合併症です。 既に合併症が進行している方に対しては,厳格にコントロールしすぎることによる重症低血糖や体重増加などを出さないように気をつけなければなりません。 ゆっくりとHbA1c 6.5%を目指すなどの配慮をしています。 3つ目は,細小血管障害と大血管障害のどちらのリスクが高いのかという視点です。 例えばメタボリックシンドロームの方は,大血管障害のハイリスク群と考えられます。 そのような方には,血糖だけではなく,脂質,血圧の管理も重要となります。 相原 クリニックでは,大病院と異なり,検査をいっぺんにできないという限界が存在します。 合併症の確認はできるだけ初診の段階,最初の数回の来院の間に行い,治療に反映しています。 なかには合併症が非常に進行した状態で来院される患者さんもいらっしゃいますから,インスリングラルギン(以下,グラルギン)などを少量から使って,目標値に対してゆっくり血糖値を下げるようにしています。 また,患者さんの指導についても,ドロップアウトしないよう配慮しながら患者さんごとに,それぞれの目標を設定しながら診療しています。 #強化インスリン療法の変遷と超速効型インスリンの登場 寺内 超速効型インスリン,持効型インスリンが登場する以前は,強化インスリン療法の追加インスリンとして速効型インスリンが,基礎インスリンとしてNPHが用いられていました。 NPHを就寝前1回投与した場合,NPHは24時間効果が持続しないため,速効型インスリン製剤が基礎インスリンの役割もカバーしていました(図2)。 その後,2001年に超速効型インスリンが臨床で使用されるようになると,NPHの作用不足問題が顕在化するケースがでてきました。 小林 NPHと超速効型を組み合わせて使う場合は,NPHの作用が持続しないこともありますし,基礎インスリンを十分に補うという意味からもNPHを2回投与せざるをえないことが多かったと思います。 税所 現在でも,アレルギー等で持効型が使用できない場合などで,NPHを使うことがありますが,NPH 1回ではどうしても作用が不足する時間帯が出きてしまうため,ほとんどの患者さんでグラルギンをはじめとした持効型を用いています。 佐倉 妊娠の可能性がある若い女性などにはNPHを使わざるをえない場合もありますね。 寺内 超速効型インスリンの登場によって,変化したことなどはありますか? 相原 速効型インスリンの食前投与については,指示通り注射できていた方が非常に少なかったという報告があります。 速効型インスリンを注射したけれども時間通り食べられなかった,食直前に注射してしまって食後の血糖上昇とタイミングが合わないということが起こっていたのです。 それが,超速効型インスリンの登場により,食直前に打てばよいということで,その問題は解決されました。 林 食べる量が一定しない方,例えば,宴会などでいつ炭水化物が出るかわからないような場合,さらに患者さんによっては食事が出てきてもどれくらい食べられるかわからない場合などに,超速効型によってある程度対応できるようになりました。 #持効型インスリンの登場 寺内 現在では,強化インスリン療法の基礎インスリンとして持効型インスリン製剤を用いることが一般的だと思います。 特に明らかなピークがなく,ほぼ1日にわたって効果が持続するグラルギンの登場により,基礎分泌を過不足なく補充することができるようになりました。 グラルギンなどの持効型インスリンの登場は,強化インスリン療法にどのような影響を与えたのでしょうか。 相原 超速効型ではNPH 1回投与時の作用不足を補えないという問題を,持効型インスリンが解決してくれました。 持効型インスリンの登場によって,超速効型のメリットが完全に享受できるようになったと感じています。 鈴木 グラルギンを用いることで,より生理的な分泌パターンに近い基礎インスリンの補充が可能になりました。 グラルギンを必要十分量投与することにより空腹時および食間の血糖をしっかりと抑制し,そして食後の血糖上昇を抑制するためだけに超速効型を追加するというのが理想的だと思います(図3)。すなわち,グラルギンの登場により,超速効型インスリンの役割を食後高血糖の抑制に限定させることができるようになったと言えるのではないでしょうか。 関根 超速効型インスリンが食後の血糖上昇の抑制に特化する分,意識して基礎インスリンを十分に補う必要があります。 私は,NPHはもちろん,持効型でも2回打ちをしているケースもあります。 安定感が得られ,患者さんも満足されています。 福井 グラルギンを用いて,夜間の低血糖を回避しながら空腹時血糖をターゲットに投与量を調節することで,超速効型の効果にも安定感がもたらされたような印象を持っています。 基礎インスリンには何らかの理由がない限りグラルギンを使用していると思いますので,追加インスリンは,患者さんに合うインスリンを選択するために,積極的に切替えてみるということが大事だと思います。 例えば「こんなところの低血糖を回避できた」など使用した患者さんから教わることもたくさんあると思います。 鈴木 そうですね。例えば,HbA1cに変化がなくても,低血糖など変化が出てくる場合もあると思います。 それだけでも患者さんにとっては大きな変化ですので,積極的に使ってみてもらうことは重要だと思います。 寺内 強化インスリン療法の基礎インスリンがグラルギンなどの持効型に取って代わることにより,併用する追加インスリンは,「速く効いて,早く消失するもの」,「もう少しゆっくり効いて,少しテールがあるもの」など,患者さんの食行動や運動習慣,ライフスタイルに合わせて調整する時代になってきているのだと思います。 #グルリジンとグラルギンによる強化療法 寺内 2009年,さらに新しい超速効型として,グルリジンが選択肢の1つとして加わりました。 グルリジンは,その特徴的な製剤設計により,皮下投与後速やかに吸収され,短時間で消失し(図4),インスリンの吸収が遅延するとされている肥満者でも速やかに作用発現することが確認されています。 グラルギンを用いて基礎インスリンを十分に補充し,グルリジンで食後高血糖の抑制を目指すというのは,非常に相性がよい組み合わせではないかと思います。 2型糖尿病患者へのグルリジンとグラルギンを用いた強化インスリン療法の有用性を,グルリジン投与量の2つの調節方法(カーボカウンティング法と簡易アルゴリズム法)の間で比較検討した試験(図5)において,両群とも同様に血糖値が改善され,良好な血糖コントロールが得られることが確認されました。 (図をクリックすると拡大します) #グルリジンの特徴を踏まえ,有効な活用方法についてご意見を伺いたいと思います。 佐倉 効果を実感してもらうためには,患者さんに積極的に使ってみてもらうしかないと思います。 患者さんにSMBGなどをうまく活用してもらって,どういうものを食べると血糖値がどれくらい上がるのか,患者さんとともに試行錯誤しながら,基礎インスリンも含めて患者さんに合った投与方法を模索していくべきだと思います。 相原 私も,積極的に,患者さんにグルリジンを試してもらうようにしています。 例えば,営業職など動き回ることが多い方などで低血糖が少なくなる印象があります。 また,特に肥満でインスリン抵抗性が強いような患者さんでも,食前の低血糖が起こりにくく,補食による肥満を引き起こしにくいという印象を持っています。 鈴木 強化インスリン療法時において,次の食事前の低血糖を引き起こしにくいことは,大きな利点の一つだと思います。 これは,グルリジンの血中からの消失が従来の製剤よりも速いということを示唆しているのではないでしょうか。 林 従来,食後血糖は,食後2時間値で捉えられてきました。 しかし,現在では,食後血糖のピークはより早い段階にあると言われています。 より速やかに効果が発現するグルリジンの登場によって,早い時間帯の血糖コントロールが可能になると考えられますし,今後は,食後血糖測定のタイミングが変更されていくケースもあるのではないでしょうか。 関根 超速効型を投与していて,まだ食後の血糖は高いけれど,次の食前低血糖が心配で増量できないというジレンマはよく経験します。 そのような場合,α-GIの併用を行う場合もあると思いますが,そういった症例にも活用できるかもしれません。 また,繰り返しになりますが,グルリジンを使用する患者さんにおいては,その特徴から,併用する基礎インスリンを十分に補う必要性があることは言うまでもありません。 小林 患者さんが食事前の追加インスリンを打ち忘れ,あわてて注射することがありましたが,そのような場合でも,グルリジンの速やかな効果発現により比較的対応できる可能性もありますね。 #グルリジンへの期待と可能性 福井 従来の超速効・速効型インスリン製剤を使用していて,食前の血糖が低い方に期待できると思いました。 また,強化インスリン療法を行っている患者さんで夕食後,就寝前に血糖が高い場合の対応として,超速効型を追加したいけれど低血糖が心配でためらうことがありましたが,そのような場合にも短時間で消失するグルリジンに期待したいと思います。 林 ACCORDの報告でも,重症低血糖が心血管系のリスクであるとされましたが,重症ではなくても,低血糖は患者さんにとって不愉快ですし,それが原因で体重が増加してしまう場合もあります。 このような事態を避けるためにも,次の食事の前の高インスリン血症を防ぐという意味でも,短時間で消失するグルリジンの特徴に期待したいですね。 税所 グルリジンは,食後の血糖をより速やかに抑えることができる点,そして臨床試験などで体重の増加が比較的少なかったという報告がある点に期待が持てると思っています。 また,グルリジンは,肥満の患者さんでも吸収が速やかであるというデータもありますから,肥満の患者さんにも非常に期待が持てます。 関根 食間が長い方にも期待が持てるのではないかと思います。 例えば昼食と夕食の間が長い方の場合,低血糖の恐れがでてきます。 どこかで捕食を入れなければなりません。 しかし,捕食を摂ると,インスリン分泌能が低い方ではそこで血糖値が上がってしまうというジレンマに陥ります。 その際に,グルリジンを投与することでその血糖上昇に対応するという使い方もできるのではないかと推測します。 佐倉 今後,前向き臨床研究によって,大血管障害や細小血管障害の抑制効果が証明されることを期待したいと思います。 寺内 現在,糖尿病の血糖管理を考えた場合,私たちにはさまざまな選択肢が用意されています。 これらを有効に活用しながら,患者さんそれぞれの目標血糖値を目指して,積極的に治療を行っていかなければならないのではないでしょうか。 1)The Diabetes Control and Complications Trial/Epidemiology of Diabetes Interventions and Complications Research Group.:Retinopathy and nephropathy in patients with type 1 diabetes four years after a trial of intensive therapy.:N Engl J Med 2005;353:2643-2653 2)Effect of intensive control of glucose on cardiovascular outcomes and death in patients with diabetes mellitus : a meta-analysis of randomized contolled trials:Lancet 373(9677):1765-1772, 2009 出典 Medical Tribune 2009.4.22 版権 メディカルトリビューン社 <番外編> #山梨・昭和大学富士吉田キャンパス、1年生ら82人新型インフルエンザ感染 http://www.m3.com/news/GENERAL/2010/05/18/120447/?Mg=bf78f784d9d1eb99f418033ece758608&Eml=31ef79e7aaf65fca34f0f116a57fd65d&F=h&portalId=mailmag&mm=MD100518_CXX m3.com 一般医療ニュース 2010年5月18日 提供:毎日新聞社 ◇全員軽症、療養中 県は17日、昭和大学富士吉田キャンパス(富士吉田市上吉田)で、新型インフルエンザの集団感染があったと発表した。 1年生81人(男34人、女47人)と職員1人の計82人。全員軽症で、寮や自宅で療養中。 県健康増進課によると、同キャンパスには1年生約600人がおり、全員が寮で生活している。 12日に男子学生2人が発熱などの症状を訴え、同様の症状の他の学生を検査したところ、新型インフルエンザ感染が分かった。 これを受けて同大が17日に調査したところ、計82人の発症を確認したという。 県内の新型インフルエンザ流行は3月上旬に沈静化したが、同課は「完全に発生がなくなったわけではないので、引き続きうがい、手洗いを行ってほしい」と注意を呼びかけている。 その他 「葦の髄」循環器メモ帖(このブログのイラスト版ないしはミラーサイトです) http://yaplog.jp/hurst/ ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 井蛙内科/開業医診療録(4)2009.10.16~ http://wellfrog4.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(3)~2009.10.15 http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2)2008.12.10~ http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録~2008.5.21 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科医向き) があります。
by wellfrog4
| 2010-05-19 00:06
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