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北里研究所病院糖尿病センター 山田 悟先生の書かれた記事で勉強しました。 以下のACCORD BPについては ACC 糖尿病への厳格管理の意義問うACCORD 血圧・脂質の強力な介入でも心血管疾患リスク低下せず http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view/perpage/1/order/1/page/0/id/M43120011/year/2010 出典 Medical Tribune 2010.3.25 版権 メディカルトリビューン社 でもとりあげられています。 ACCORD…この避けて通れぬ悩ましき大規模臨床試験 研究の背景:糖尿病の大血管合併症をいかに予防するか 英国の前向き糖尿病試験UKPDSにおいて,積極的な血糖コントロール(HbA1C 7.9% vs. 7.0%)によって2型糖尿病の細小血管合併症を予防できるが,大血管障害については微妙であることが報告されたのは1998年のことであった(Lancet 1998; 352: 837-853)。 このとき,血圧コントロールによっては大血管障害の予防が可能であったのだが(BMJ 1998; 317: 703-713),この試験での目標血圧は標準治療群(180/105mmHg),厳格治療群(150/85mmHg)であり,現在のガイドラインが定める糖尿病患者における治療目標130/80mmHgとは大きく異なるものであった。 その後10年を経て,より厳格な血糖および血圧の管理による糖尿病患者の大血管障害の予防を試みたのがADVANCE試験とACCORD試験である。 このたびN Engl J Med 3月14日オンライン版にACCORD試験の血圧試験および脂質試験の結果が掲載された。 研究のポイント1: 北米で実施された1万251例の2型糖尿病患者を対象としたRCT ACCORD試験は,米国立心肺血液研究所(NHLBI)の資金援助のもと,北米の77の臨床施設で実施された臨床試験であり,以下のような適応基準で患者が募集された。 (1)2型糖尿病患者, (2)HbA1Cが7.5%以上, (3)年齢が40~79歳で心血管疾患を合併,もしくは年齢が55~79歳で心血管疾患を合併していない, (4)心血管疾患の危険性が高い〔下記a~cのうち2つ以上を保持;a.心血管疾患を合併,b.アルブミン尿,足関節上腕血圧比(ABI)<0.9,左室肥大などのうち1つ以上を保持,c.LDL-C>130mg/dL,HDL-C<40mg/dL(男),<50mg/dL(女),収縮期血圧>140mmHg,拡張期血圧>95mmHg,現喫煙,BMI>32〕。 ACCORD試験では,厳格血糖管理,厳格血圧管理,厳格脂質管理の心血管疾患への抑制効果を見ることを目的とした(表1)ため,二重の2×2ファクトリアルデザイン(8つの治療群)とされた(表2)。 全体の症例数は1万251例にのぼる。 このうち,血糖試験は2008年2月に中止されたため,血圧試験と脂質試験の独立した2試験がACCORD試験の名のもとに同時進行していたわけである。 研究のポイント2:目標収縮期圧120mmHg vs. 140mmHgの比較試験で心血管イベントに差なし 血圧試験の対象となった4,733例は,平均年齢62.2歳,女性47.7%,白人60.5%,黒人24.1%,心血管疾患の既往者33.7%,平均BMI 32.1,平均血圧139.2/76.0mmHg,平均HbA1C 8.3%,平均LDL-C 110.0mg/dL,平均推算糸球体濾過量(eGFR)91.6mL/分という集団であった。 厳格血圧管理群は目標収縮期血圧120mmHg未満,標準血圧管理群は目標収縮期血圧140mmHg未満とされ,とくに降圧薬の使用レジメンについての規則は設けなかった。 主要エンドポイントは複合心血管イベントであり,非致死性心筋梗塞,非致死性脳卒中,心血管死がカウントされた。 1年経過した時点で厳格血圧管理群では平均3.4剤の降圧薬を使用し,119.3/64.4mmHgまで平均血圧が低下していた。 また,標準血圧管理群では1年経過した時点で平均2.1剤の降圧薬を使用し,133.5/70.5mmHgまで平均血圧が低下していた。 両群とも,その後はほぼ同量の降圧薬で同様の血圧レベルを維持していた。 平均の観察期間4.7年のなかで,主要エンドポイントは厳格血圧管理群で208例(1.87%/年),標準血圧管理群で237例(2.09%/年)に生じ,統計学的な有意差はなかった。 また,前もって設定されていた二次エンドポイントにおいてもほとんど両群に差異はなく,全脳卒中〔36人(0.32%/年)vs. 62人(0.53%/年),P=0.01〕および非致死的脳卒中〔34人(0.30%/年 vs. 55人(0.47%/年),P=0.03〕のみが名目的な(nominally)有意差を生じていた。 一方,厳格血圧管理群の77例(3.3%)に重大な副作用(低血圧,失神,徐脈,血管浮腫,腎不全など)が生じ,標準血圧管理群の30例に比べて有意に多かった。 山田 悟先生考察:悩ましい結果…新ガイドライン作成まで解釈は1人1人の臨床医に任される これまで,これほど明確に血圧の差異を生じながら,ここまではっきりとその血管イベントへの有効性を示さなかった研究があったであろうか。 これまで,少なくとも収縮期血圧が100mmHgもしくは90mmHgまではthe lower, the betterの法則が成立するものだと考えていた。 しかし,ACCORD試験で133.5/70.5mmHgと119.3/64.4mmHgとの間で臨床的に大きな差異を生じなかったことから,この考えは訂正されなければならないようである。 現在の臨床ガイドラインでは糖尿病患者の降圧目標値は130/80mmHgとされている。 そこでその根拠についてひも解いてみる。 日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2009」には,糖尿病合併高血圧の治療について以下のような記載がある。 「HOTでは,拡張期血圧80mmHg以下の最も低い降圧目標群で,…より高い降圧目標群より心血管イベントのリスクが有意に減少することが明らかにされた。…本邦の端野・壮瞥町研究でも,境界型糖尿病・糖尿病では収縮期血圧130mmHg以上,拡張期血圧80mmHg以上で120/80mmHg未満の至適血圧群に比べて心血管疾患による死亡率が有意に増加しており,…本邦においても130/80mmHg未満を降圧目標とすることを支持する成績となっている」 つまり,拡張期血圧80mmHgについてはHOT試験(Lancet 1998; 351: 1755-1762)という介入試験で80mmHg未満を目指すことの意義が証明されているが,収縮期血圧130mmHgについては観察研究で130mmHg以上だとリスクが高いことが確認されてはいるものの,130mmHg未満を目標に降圧するという介入が意義を持っているかは不明ということのようである。 米国糖尿病学会(ADA)のclinical practice recommendations 2010には血圧についての特記項目はなく,technical reviewsとして2002年の文献が挙げられている(Diabetes Care 2002; 25: 134-147)。 このtechnical reviewのblood pressure goals in diabetic patientsの項目には,HOT試験,UKPDS試験(BMJ 1998; 317: 703-713)に基づき「140/80mmHg以下に血圧を減少させることが臨床試験から支持されている」と記載されている。 そして,「疫学的知見は120/80mmHg以上の血圧が糖尿病患者の心血管イベントや死亡率の上昇と関連するので,目標血圧は130/80mmHg以下が合理的である」というような記載になっている。 要は,ADAでも,これまで収縮期血圧については140mmHg以下(あるいは未満)がよいということしか介入試験での証明はなかったが,疫学的観察研究から130mmHg以下(あるいは未満)がよいとされていたわけである。 今回の試験で133.5/70.5mmHgと119.3/64.4mmHgとの間で臨床的に大きな差異を生じなかったことを考えると,欧米では,今後,糖尿病患者の目標血圧は135/80mmHgに変更されるかもしれない。 一方,日本人は比較的脳血管疾患の頻度が高い民族であり,名目的ではあるが,脳卒中の予防効果が二次エンドポイントで認められていたことを考えると,現在の130/80mmHgという目標血圧が維持されるべきなのかもしれない。 このACCORD試験のエビデンスをどう解釈し,どう目の前の患者に適応させるかは,新たなガイドラインが作成されるまで1人1人の臨床医に任されることになろう。 ACCORD試験は血糖試験も血圧試験も本当に解釈に悩ましい試験である。 出典 MT pro 2010.4.1 版権 メディカルトリビューン社 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科関係の専門的な内容)
by wellfrog4
| 2010-04-03 00:53
| 糖尿病
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