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グリコヘモグロビン(HbA1c)は空腹時血糖と同程度に糖尿病リスクと関係するが、心血管疾患および死亡リスクとの関係はグリコヘモグロビンの方が強いとの研究論文が、「New England Journal of Medicine」2010年3月4日号に掲載されました。 きょうはその紹介記事で勉強しました。 グリコヘモグロビンは空腹時血糖よりも予後予測能に優れる 米ジョンズホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生学部(ボルチモア)のElizabeth Selvin氏らは、糖尿病または心血管疾患の病歴がないアフリカ系アメリカ人(黒人)または白人の成人11,092人から得たデータを分析した。 ベースライン時に被験者から血液を採取し、その後は中央値14年間追跡調査した。 その結果、グリコヘモグロビン値5 - 5.5%未満と比較して、糖尿病診断に関する調整後ハザード比は、グリコヘモグロビン値5%未満の場合に0.52、5.5 - 6%未満の場合に1.86、6 - 6.5%未満の場合に4.48、6.5%以上の場合に16.47であった。 グリコヘモグロビン値が高くなると、冠動脈心疾患リスクも増大した(グリコヘモグロビン値5%未満の場合は0.96であり、6.5%以上の場合は1.95まで増大)。 グリコヘモグロビンと全死亡率の関係はJ型カーブ(曲線)を示し、ベースライン時の空腹時血糖値に関して調整した場合にも有意な関係が認められた。 共変量およびグリコヘモグロビンに関して調整した場合、空腹時血糖値と心血管疾患または死亡リスクとの間に有意な関係はみられなかった。 著者らは「黒人または白人の非糖尿病成人からなる地域ベースの患者集団において、空腹時血糖と比較した結果、特に6.0%を超えるグリコヘモグロビンの長期的心血管疾患リスク評価能が優れていた。以上の予後データは、新たなエビデンス(科学的根拠)として、グリコヘモグロビンを用いた糖尿病診断検査を支持する可能性がある」と結論している。 <原文> Glycated Hemoglobin, Diabetes, and Cardiovascular Risk in Nondiabetic Adults N Engl J Med 362:800-811,2010 http://content.nejm.org/cgi/content/short/362/9/800 出典 HealthDay News 2010.3.3 <コメント> 空腹時血糖値とHbA1cの比較では、後者が糖尿病やコントロールの程度をより良く反映することは容易に予想できることです。 長期間にわたる研究であるところに意義があるのでしょうが、結論が少しインパクトに欠ける印象を受けました。 この記事をもう一度読み直してみると、「非糖尿病」成人びおいての両者の比較というところがポイントであることがわかりました。 逆に考えれば、「非糖尿病」成人の集団でHbA1c値で「心血管疾患および死亡リスク」が判定できることはすごいこととも言えます。 ベースライン時の両者の値、すなわち「非糖尿病」の定義と、その後の数値が追跡調査のどの時点でのものかが抄録ではよくわかりませんでした。 <b><関連サイト> HbA1Cが正常範囲から心血管疾患リスク上昇 総死亡との間にはJカーブ現象 ■HbA1Cを糖尿病患者の血糖管理だけでなく,糖尿病の診断にも用いることが国際的なコンセンサスになりつつあるが,今後,糖尿病のない一般人口にとっても重要なマーカーとなるかもしれない。 米Welch Center for Prevention, Epidemiology, and Clinical ResearchのElizabeth Selvin氏らは,およそ1万人の血液サンプルを用いた検討を実施,HbA1C値が正常範囲※1のレベルから心血管疾患リスクと優れた相関を示すことを昨日(3月4日)発行のN Engl J Med(2010; 362: 800-811 http://content.nejm.org/cgi/content/short/362/9/800)に報告した。 一方,総死亡のリスクとの間にはJカーブ現象が認められた。 ※1:米国糖尿病学会(ADA)はHbA1C6.5%以上を糖尿病,5.7〜6.4%を糖尿病ハイリスク(Categories of increased risk for diabetes)としている (Diabetes Care 2010; 33: 562-569 http://care.diabetesjournals.org/content/33/Supplement_1/S62.full) 糖尿病患者においては,HbA1Cの低下が必ずしも大血管イベントリスクの減少につながらないとの知見が示されているほか,HbA1Cの至適コントロールに関する議論が続いている。 同氏らは今回の検討から,非糖尿病者におけるHbA1Cは空腹時血糖をしのぐ心血管疾患リスク評価マーカーであるとし,特に6.0%を超える値では長期リスクが上昇していたと結論付けている。 Selvin氏らによると,空腹時血糖は糖尿病の診断に,HbA1Cは糖尿病患者の血糖コントロール管理に用いられてきたが,HbA1Cは再現性が高いこと,空腹時でなくても評価が可能なことなどから,より利便性に優れるという。 同氏らは,1990〜92年にAtherosclerosis Risk in Communities Study(ARIC試験)に参加した非糖尿病者1万1,092人の凍結全血サンプルを解析した。 対象者には白人と黒人が含まれていた。 同サンプルは同試験の2回目のフォローアップ受診時に採取されたもので,この時点のHbA1Cをベースライン値として,その後の糖尿病・心血管疾患リスクなどとの関連を最大15年間追跡した。糖尿病の有無は,同試験実施施設の受診ならびに本人への聞き取り調査で確認された。 HbA1C5.0〜5.5%を1とした場合の糖尿病新規発症における多変量補正ハザード比※2は,HbA1Cの上昇にしたがって上昇した。 ※2:性や年齢,人種,血中コレステロールや家族歴などを補正 冠動脈疾患の多変量補正ハザード比も,HbA1Cが高くなるほどハザード比が上昇した。 脳卒中においても同様の傾向が見られた。 一方,総死亡リスクについては,HbA1C5.0〜5.5%を1とした場合の多変量補正ハザード比は,5.0〜5.5%を底とするJカーブ現象が認められた。 空腹時血糖について同じモデルで同様の解析を行ったところ,糖尿病以外の,心血管イベントや総死亡に対する有意な相関は見られなかった。 同氏らはHbA1Cが食後高血糖を含む2〜3か月間の内因性グルコース曝露を反映する値であることから,長期的な大血管症リスクの層別化において空腹時血糖より優れるのだろうと考察。 HbA1Cと心血管疾患リスクにJカーブ現象が見られた点に関しては,正常低値血糖(low-normal glycemic state)やHbA1Cに対する血糖以外の決定因子の健康に及ぼす影響といった面から,さらに検証が必要としている。 糖尿病患者においては,HbA1Cの低下が必ずしも大血管イベントリスクの減少につながらないとの知見が示されているほか,HbA1Cの至適コントロールに関する議論が続いている。 今回の検討では,非糖尿病者におけるHbA1Cは空腹時血糖をしのぐ心血管疾患リスク評価マーカーであるとし,特に6.0%を超える値では長期リスクが上昇していたと結論付けている。 出典 MT pro 2010.3.5(一部改変) 版権 メディカルトリビューン <コメント> 最初の論文と着眼点も結論もよく似た内容となっています。 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科関係の専門的な内容)
by wellfrog4
| 2010-03-24 00:40
| 糖尿病
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