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近年,2型糖尿病の治療において,早期からの厳格な血糖管理が細小血管症だけでなく大血管症の抑制にも有効であることが示され,その重要性が認識されています。 また,糖尿病の早期には,食後高血糖が空腹時高血糖に先行することも知られてきました。 きょうは、2型糖尿病における動脈硬化や大血管症と食後高血糖の関連,速効型インスリン分泌促進薬ナテグリニド(ファスティック®)による治療の有用性についてのディスカッションの記事で勉強しました。 司会: 加来 浩平 氏 川崎医科大学内科学教授 出席者: 横山 宏樹 氏 自由が丘横山内科クリニック院長 綿田 裕孝 氏 順天堂大学内科学・代謝内分泌学准教授 Louis Monnier 氏 モンペリエ大学内分泌学・糖尿病学教授 ##大血管症抑制を見据えた2型糖尿病の治療戦略 ##早期からの厳格な血糖管理の重要性とナテグリニドの位置付け #糖尿病の罹病期間が短いほど血糖管理の利点は大きい 加来 ■近年発表された血糖管理の在り方を問う前向き臨床研究では,2型糖尿病治療における早期からの血糖管理の重要性がクローズアップされてきました。 ■1998年に発表された大規模介入試験UKPDSでは,新規2型糖尿病患者を対象に薬物介入による厳格な血糖管理を試みた強化療法群で細小血管症のリスクが有意に抑制されましたが,心筋梗塞などの大血管症や総死亡は通常療法群に対して有意差は認められませんでした。 ところが,2008年に発表されたその後の追跡調査では,大血管症や総死亡にも有意差が認められました。 つまり,早期からの厳格な血糖管理が長期的にみれば細小血管症のみならず大血管症リスクをも低下させるという,いわゆる「Legacy Effect(遺産効果)」をもたらすことが示されました(表1)。 ■一方,ACCORD,ADVANCE, VADTでは,いずれも大血管症の抑制効果は示されず,特にACCORDは厳格血糖管理群のほうが死亡率が高いという結果に終わりました。 しかし,VADTでは,糖尿病の罹病期間が短いほど厳格な血糖管理の利点が大きいことが示され,罹病期間が15年までの患者では厳格血糖管理群で心血管イベントリスクが減少しました。 またACCORDの追加解析においても,HbA1C値が6%を超えると1%上昇するごとに死亡リスクも上昇することが示されており,あらためて2型糖尿病治療における血糖管理の意義を強調する結果が得られています。 こうした新たなエビデンスから,良好なアウトカムを得るには早期からの厳格な血糖管理が求められ,かつ重篤な低血糖や体重増加を来さないようにする必要があるということをわれわれは学んだわけです。 #食後高血糖は空腹時高血糖に先行する Monnier ■早期の2型糖尿病における血糖異常について私たちの検討結果をご紹介します。 2型糖尿病患者130例をHbA1C値により5群に層別化し, 24時間連続血糖モニタリング(CGM)を用いて各群の血糖日内変動を比較した結果, HbA1C値が高くなるにつれ,まず日中に食後高血糖を呈するようになり,次に早朝高血糖が観察され(暁現象 dawn phenomenon),最後に夜間の空腹時高血糖を来すことが確認されました(図1)。 このように, 2型糖尿病患者における血糖の制御不全は,食後高血糖から空腹時高血糖へと3段階の過程を経て進行します。 つまり,食後高血糖は2型糖尿病で最初に現れてくる血糖異常と言えます。 加来 ■先生は食後血糖と空腹時血糖が,それぞれどの程度HbA1C値に寄与しているのかについても検討されていますね。 Monnier ■私たちの検討からは,HbA1C値7.3%未満,つまり早期の2型糖尿病患者のHbA1C値には,食後血糖が約7割寄与していることが示唆されました。 しかし,血糖コントロールの悪化とともに空腹時血糖の寄与率が増大していき,HbA1C値が10.2%を超えると食後血糖の寄与率は約3割であるのに対し,空腹時血糖は約7割でした(図2)。 加来 ■つまり,早期2型糖尿病における血糖管理の標的は,まずは食後高血糖になるということですね。 #食後高血糖では内皮細胞への単球接着が増加 綿田 ■動脈硬化の初期現象として,血管内皮への単球の接着が観察されます。 私たちは,独自に開発したNEMOes(new enface method for optimal observation of endothelial surface)を用い,非肥満2型糖尿病モデルラット(GKラット)の胸部大動脈における単球の内皮接着を定量的に評価して,動脈硬化の指標としての単球接着数と食後高血糖の関係について検討しました。 ■自由に食餌を摂取できるようにした自由食群ラット(高血糖持続モデル)では,HbA1C値は6.8%と高く,血糖は1日を通して常に高値で推移しており,その日内変動幅はわずかでした。それに対し1日2食群(食後高血糖モデル)のHbA1C値は3.8%と低く,また自由食 群と比較していずれの時相においても低値でしたが,食後著しく血糖が上昇し,ヒトの食後高血糖に類似した血糖変動が見られました。 動脈硬化は単球の内皮細胞への接着数が多いほど進展していると考えられますが,この2群の単球接着数は食後高血糖を呈した1日2食群のほうが多く,動脈硬化の進展には血糖値自体よりも血糖の変動幅が大きく関与することが示唆されました。 #血糖変動が酸化ストレスを活性化 Monnier ■私も血糖変動がもたらす影響については以前から関心を持っています。 2型糖尿病患者を対象に高血糖の持続ならびに血糖変動と酸化ストレスの関連について検討したところ,酸化ストレスのマーカーである尿中8-iso PG F2α排泄率と血糖変動は正の相関関係にあり,血糖変動により酸化ストレスが活性化されることが示唆されました(Monnier L, et al. JAMA 2006; 295: 1681-1687)。 また経口糖尿病薬を服用中の2型糖尿病患者を対象とした検討では,HbA1Cが高値であるほど,そして血糖変動が大きいほど,酸化ストレスの活性化が大きくなっていました。 綿田 ■私たちのGKラットでの検討結果も,2型糖尿病患者で血糖変動が酸化ストレスを活性化することを示したMonnier先生のデータと一致すると思います。 さらに,同モデルを用いた検討では,ナテグリニドやインスリンを食直前に投与しておくと,食後高血糖が正常化され,内皮細胞への単球接着の増加が抑制されることも示唆されています(図3,4)。 その詳細なメカニズムはさらに検討する必要がありますが,ナテグリニドによる食後高血糖の是正が動脈硬化進展を抑制する可能性を示唆する結果として注目しています。 Monnier ■私たちは2型糖尿病患者へのインスリン低用量投与が酸化ストレスの活性化や炎症過程を抑制することを示唆した結果も得ていますが,それとも一致する興味深いデータだと思います。 横山 ■CAPRI研究では,2型糖尿病患者を対象とした検討で,HbA1Cが同レベルでも血糖ピークの上昇に伴い頸動脈中膜内膜肥厚(IMT)が増加することが示されています(Esposito K, et al. J Clin Endocrinol Metab 2008; 93: 1345-1350)。 出典 Medical Tribune 2009.12.24,31 版権 メディカルトリビューン社 <きょうの一曲> キースジャレット ケルンコンサート http://video.fc2.com/content/キースジャレット%E3%80%80ケルンコンサート/20090903aRDU96Zy/ 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科関係の専門的な内容)
by wellfrog4
| 2010-02-16 00:25
| 糖尿病
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