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横浜市立大学分子内分泌・糖尿病内科学 寺内康夫教授が「日本病院薬剤師会 関東ブロック第39回学術大会ランチョンセミナー(2009.8.30)」で講演されたレポート記事で勉強しました。 要旨は、合併症抑制における血糖コントロールの意義を検討した大規模臨床試験の成績をレビューし、低血糖を回避しつつ厳格に血糖コントロールを行うこと、そして早期から積極的に介入することが重要であり、SU薬の有用性を強調するというものです。 大規模臨床試験から考える薬物治療のあり方 厳格な血糖コントロールの意義をめぐる 種々のエビデンス ■糖尿病の治療の目的は、合併症の発症、進展の抑制であり、これまでに種々の大規模臨床試験で合併症抑制における血糖コントロールの意義が検討されてきた(表1)。 ■1990年代に、1型糖尿病を対象としたDCCT(Diabetes Control and Complications Trial)、2型糖尿病を対象としたKumamoto StudyおよびUKPDS(United Kingdom Prospective Diabetes Study)33の成績が報告され、厳格な血糖コントロールが細小血管障害の抑制に有効であることが示された。 しかしこれらの臨床試験では大血管障害抑制における厳格な血糖コントロールの意義は明確にされず、課題として残った。 ■2008年、この課題に答えるべくACCORD(Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes)試験、ADVANCE(Action in Diabetes and Vascular Disease)試験、VADT(Veterans Affairs Diabetes Trial)試験の成績が相次いで発表された。 いずれも、総死亡や心血管イベント抑制における強化療法の有意な効果は確認されず、大血管障害抑制における厳格な血糖コントロールに否定的な結果となった。 ■特にACCORD試験では、試験期間を通して見かけ上良好なコントロールが維持されていたにもかかわらず、強化療法群(HbA1c 6.0%未満)で総死亡が22%増加するという衝撃的な結果が示された。 はたして、“厳格に血糖コントロールを行った方が死亡を増加させる”という結果をうのみにしてよいものか。 #ACCORD試験からのメッセージ -重症低血糖を回避しつつ厳格な血糖コントロールを- #1)重症低血糖が死亡増加に関与した可能性 ■エビデンスの評価に際しては表面的な結果に惑わされず、試験の内容を踏まえて慎重に解釈を行い本質を見抜くことが重要である。 ■ACCORD試験では、HbA1cに加え、空腹時血糖値、食後2時間値のすべてに厳格なコントロール目標が定められており、目標値を達成するために強化療法群ではインスリン製剤をはじめ様々な薬剤がより多く使用されていた。 重症低血糖の発現は通常療法群(5.1%)に比べ強化療法群(16.2%)で大幅に高かった。 これは、良好な血糖コントロールは実現したものの、その代償として医療措置を要する重症低血糖が惹起され、死亡の増加につながった可能性がある。 ■同試験における低血糖と死亡率に関する検討結果は、2009年6月に開催された米国糖尿病学会において報告された。 それによると、強化療法群では、重症低血糖を経験しなかった患者の年間死亡率が1.3%であったのに対し、1回以上重症低血糖を経験した患者では2.8%と、重症低血糖経験例で死亡率が高い傾向にあった(ハザード比1.28)。 また、通常療法群においても、重症低血糖を経験した患者で死亡率が高かった(1.0% vs. 4.9%、ハザード比2.87)。 ■総死亡の増加には、強化療法そのものではなく治療に伴って惹起された重症低血糖の関与が大きかったことが示唆される。 #2)HbA1c 低値の維持はやはり重要 ■平均HbA1c と死亡リスクとの関連についても解析が行われ、強化療法群においてHbA1c の低下が1%以上認められた例では死亡リスクの増加は認められなかった。 また、試験開始後1年間にHbA1c の低下量が少なかった患者では死亡リスクの増加がみられた。HbA1c 高値は死亡リスクの増加と関連しており、HbA1c を低下させる治療は、やはり重要であることが再確認された。 ■“重症低血糖を起こさず厳格に血糖コントロールを行うことが重要”。 これがACCORD試験からの真のメッセージと言える。 #UKPDS 80からのメッセージ -軽症、早期の段階から積極的な介入を- ■UKPDS 80では、早期からの厳格な血糖コントロールの重要性が示唆された。 ■新規に診断された2型糖尿病患者を対象としたUKPDS 33では強化療法による死亡リスク低下は確認されなかったが(HR=0.94、p=0.44)、試験終了から10年間の追跡調査(UKPDS 80)で、当初から強化療法を行った群において13%の総死亡リスク低下が認められた(HR=0.87、p=0.006)。追跡1年目に通常療法群とのHbA1c の差が消失したにもかかわらず、10年を経過して強化療法による意義が示された点は注目に値する。 ■一方、同時期に発表されたVADT試験では、強化療法群(HbA1c 6.0%未満)で良好な血糖コントロールが維持されていたにもかかわらず、通常療法群(HbA1c 8.0~9.0%)との間に総死亡の差はみられなかった。 ■両試験の患者背景の対比では、UKPDS 80の対象が新規に診断された2型糖尿病患者(介入時HbA1c 7%)であるのに対し、VADT試験は糖尿病罹病期間11.5年の患者(介入時HbA1c 9%)であること、UKPDS 80の介入期間が25年、VADT試験では7年であった。 治療介入のタイミングと期間が予後を大きく左右する。 罹病期間が長く、血糖コントロールが長期間不良であった患者の血糖を急激に改善しても総死亡の減少には結びつきにくい。 予後の向上には、糖尿病が軽症で早期の段階から介入することが重要である。 ■早期介入の効果はLegacy effectおよびBad Glycemic Memoryの蓄積という概念で説明可能である。 #2型糖尿病では時間軸を意識した治療を ■大規模臨床試験のエビデンスから、 ①重症低血糖を回避しつつ厳格な血糖コントロールを行うこと、 ②軽症、早期の段階から積極的な介入を行うこと。 これらが大血管障害の発症、進展を抑制し寿命を確保する上で重要なポイントとなることが浮き彫りとなった。 実地臨床ではこれらの教訓に加え、2型糖尿病のnatural course(自然史)および日本人の病態の特徴を踏まえた治療が求められる。 ■2型糖尿病の病態の中心には相対的なインスリン作用不足があり、その背景にはインスリン分泌不全とインスリン抵抗性という2大成因が存在する。 日本人のインスリン分泌能は白人のほぼ半分であり、インスリン分泌予備能がもともと低い日本人ではインスリン抵抗性がそれほど強くない例でも糖尿病を発症しやすい特徴がある。 ただし、最近は食習慣の欧米化などから肥満の進行とともにインスリン抵抗性の関与が大きい患者も増えており、糖尿病を発症する7年以上前からインスリン抵抗性の亢進が生じているとの報告もある。 ■このほか、2型糖尿病ではインスリン分泌を担う膵β細胞の質的あるいは量的な異常が認められ、膵β細胞機能が進行性に低下することも知られている。 インスリン抵抗性と膵β細胞量との関連としては、糖尿病という病態ではインスリン抵抗性に対する膵β細胞の代償性過形成が不十分であり、その背景にはグルコキナーゼの障害が存在する(図1)。 ■2型糖尿病では、インスリン分泌不全はもちろん、インスリン抵抗性や膵β細胞機能低下を総合的に評価して病態を正しく把握し、食後高血糖や空腹時血糖も含め時間軸を意識した治療を考慮することが重要である。 #低血糖をいかに回避するか-実地臨床での工夫- ■現在、わが国では経口血糖降下薬のなかでもSU薬がもっとも汎用されている。 第三世代SU薬のグリメピリド(アマリール®)は、新規糖尿病患者を対象とした市販後調査において1日1mgの投与で、平均HbA1cが半年間で7.6%から6.5%へと低下したことが報告されている。また、グリメピリドを0.5mg/日から投与を開始した別の試験ではHbA1cが7.0%以上7.5%未満の患者、7.5%以上8.0%未満の患者において、投与後4ヵ月でベースライン時からの有意な低下が確認されている(図2)。 ■SU薬では低血糖の問題がしばしば指摘されるが、グリメピリドに関しては、低血糖および低血糖症状の発現はすべて投与前空腹時血糖値が120mg/dL以下の症例であることが判明している。 すなわち、投与前に空腹時血糖値を評価し、適切な患者選択を行うことで低血糖を回避しつつ良好な血糖コントロールを工夫することができる。 また、SU薬投与時に懸念される虚血プレコンディショニング抑制に関しても、グリメピリドは第二世代SU薬と異なり心保護的に作用することがラットの心臓を用いた検討で示されている(図3)。 ■このように、SU薬のなかでもグリメピリドは、低血糖を回避する工夫が可能であり、虚血プレコンディショニング抑制に伴う心筋障害助長への懸念も払拭され、有効性はもちろん安全面からも実地臨床で有用度の高い薬剤と言える。 結論 大規模臨床試験のエビデンスが発信している真のメッセージを読み取り、個々の患者の病態と特性に応じて適切な薬剤を選択することが大切である。 「インクレチン製剤」 講演会 その1 ■ジャヌビアの名前の由来 Janu=ジャヌス=ヤヌスの神 (January,始まり) via=道 ヤヌス神(ギリシャ神話) ■全世界の2型糖尿病治療薬市場(売り上げ) チアゾリン薬がダントツ。 その他は横並び。 DPP-4阻害薬が売り上げを伸ばしている。 ■現在の糖尿病治療薬の問題点 ○SU剤(アマリールなど):低血糖、二次無効 ○AGI(ベイスンなど):効果が弱い、おならの副作用、1日3回 ○チアゾリジン剤(アクトス):浮腫、体重増加、重篤な副作用 ○結果として、5〜7割の患者がコントロール不十分 ■Disposition index = IR÷ΔINS/ΔGLU <きょうの一曲> クリスマス・イブ クリスマス・イブ/山下達郎・MoviePhoto http://www.youtube.com/watch?v=wLsqLXicp_E&feature=related 山下達郎「クリスマス・イブ」を小田和正がカバーしたライブ音源 http://www.youtube.com/watch?v=GR4VSDbbr9Y&feature=related Off Course - 愛を止めないで http://www.youtube.com/watch?v=Rxhm3hbp31o&feature=related (山下達郎の「クリスマス・イブ」と出だしがくりそつです。山下達郎が 小田和正の影響を受けたというべきでしょうか?) 他にもブログがあります。 ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy (一般の方または患者さん向き) 葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/ (循環器科関係の専門的な内容) 井蛙内科/開業医診療録(3)http://wellfrog3.exblog.jp/ 井蛙内科/開業医診療録(2) http://wellfrog2.exblog.jp/ 井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/ (内科関係の専門的な内容)
by wellfrog4
| 2009-12-15 00:11
| 糖尿病
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