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##DPP-4阻害薬シタグリプチンの登場 #研究の背景:インクレチン関連治療薬が市場に登場しつつある ■インクレチンとは,食事摂取に伴い消化管で産生されるホルモンであり,膵β細胞からのインスリン分泌を増強する作用をもっている。 その作用が大きいものをメジャーインクレチンと呼び,GLP-1(グルカゴン様ペプチド;Glucagon-like peptide-1)とGIP(Glucose-dependent insulinotropic polypeptide)が知られている。 ■これらは,血糖値が高値であるときはインスリン分泌を促すものの,血糖値が正常域以下にあるときにはインスリン分泌を増強しないという特性をもっている。 ■食欲を低下させたり,消化管蠕動運動を抑制したり,(GLP-1のみであるが)グルカゴン分泌の低下から肝糖産生を軽減させたりする作用も知られている。 ■GLP-1やGIPは,血中では数分の半減期でDPP-4(ジペプチジルペプチダーゼ;dipeptidyl peptidase-4)によって分解されてしまうため,そのままでは糖尿病の治療には有用ではない。 そこで,糖尿病の新規治療薬として,DPP-4抵抗性のGLP-1アナログやDPP-4阻害薬の開発がなされている。 欧米では,GLP-1アナログとしてエキセナチド,リラグルチド,DPP-4阻害薬としてシタグリプチン,ビルダグリプチンが市場に出ている。 以下に Am J Med Sci 2009; 337: 321-328 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/19322069 の内容が紹介されています。 #研究のポイント1:シタグリプチンのβ細胞機能への影響をみたメタ解析 ■シタグリプチンの血糖コントロールへの影響はすでに2006年ごろに立て続けに報告された。 以下メトホルミン,ピオグリタゾン,グリメピリドへのアドオンでプラセボに比較して良好な血糖コントロールを達成されたという論文 Efficacy and safety of the dipeptidyl peptidase-4 inhibitor sitagliptin added to ongoing metformin therapy in patients with type 2 diabetes inadequately controlled with metformin alone. Diabetes Care 2006; 29: 2638-2643 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/17130197 Efficacy and safety of the dipeptidyl peptidase-4 inhibitor sitagliptin added to ongoing pioglitazone therapy in patients with type 2 diabetes: a 24-week, multicenter, randomized, double-blind, placebo-controlled, parallel-group study. Clin Ther. 2006 Oct;28(10):1556-68. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/17157112 Efficacy and safety of the dipeptidyl peptidase-4 inhibitor, sitagliptin, in patients with type 2 diabetes mellitus inadequately controlled on glimepiride alone or on glimepiride and metformin. Diabetes Obes Metab 2007; 9: 733-745 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/17593236 初期治療薬としてメトホルミンと同等もしくは相加的に血糖が改善されたという論文 Effect of initial combination therapy with sitagliptin, a dipeptidyl peptidase-4 inhibitor, and metformin on glycemic control in patients with type 2 diabetes. Diabetes Care 2007; 30: 1979-1987 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/17485570 ■基礎的検討においてはシタグリプチンがマウスβ細胞の量や機能の保持もしくは改善をもたらすことが示されている。 Chronic inhibition of dipeptidyl peptidase-4 with a sitagliptin analog preserves pancreatic beta-cell mass and function in a rodent model of type 2 diabetes. Diabetes. 2006 Jun;55(6):1695-704. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/16731832 Inhibition of DPP-4 with sitagliptin improves glycemic control and restores islet cell mass and function in a rodent model of type 2 diabetes. Eur J Pharmacol. 2009 Nov 25;623(1-3):148-54. Epub 2009 Sep 16. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/19765579 ■本研究(Am J Med Sci 2009; 337: 321-328)は,ランダム化比較試験(RCT)のメタ解析によりシタグリプチンのβ細胞機能への効果を検証したものである。 β細胞機能として,本研究ではHOMA-βとプロインスリン/インスリン比(PI/IR)の2項目が検証された。 #研究のポイント2:HOMA-βとPI/IRはプラセボに比べシタグリプチンで改善 ■メタ解析の結果,HOMA-βはプラセボと比較して12.0%高値であった。 また,PI/IRは0.06低値であった。 しかし,比較対象をプラセボではなく実薬にして検討すると,PI/IRはシタグリプチンと実薬とで差異はないもののHOMA-βはシタグリプチンのほうが5.6%低かった。 #山田 悟先生の考察:インクレチン関連治療薬への期待は高い ■HOMA-βは「〔空腹時インスリン(IRI)値×360〕/(空腹時血糖値−63)」で求められる数値であり,一般には100が正常である。 しかし,スルホニル尿素(SU)薬のようにインスリン分泌を促進する薬剤を用いた場合,短期的にはIRIが増加し血糖値が低下するのでHOMA-βは増加するが,長期的には小胞体ストレスが生じてIRIが低下したり,β細胞のアポトーシスが生じたりしてしまい,HOMA-βは低下してしまうものと考えられている。 したがって,本研究で12~52週程度の試験期間においてプラセボに比較してシタグリプチンでHOMA-βが向上していることをβ細胞機能(や量)の改善として解釈してよいのか断言は難しい。 Chronic inhibition of dipeptidyl peptidase-4 with a sitagliptin analog preserves pancreatic beta-cell mass and function in a rodent model of type 2 diabetes. Diabetes. 2006 Jun;55(6):1695-704 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/16731832 (シタグリプチンやその誘導体がマウスのβ細胞の保持に有用であるとの報告) ■PI/IRは,PIという“できそこないのインスリン”がつくられてしまう比率として捉えられ,PI/IRが高いことは膵臓というインスリン製造工場での粗悪品産生率の高さを意味する。 すなわち,膵臓がかなり無理をしてインスリンを合成している状態であると推測される。 ■これまでに高血糖や長期のSU薬投与がこれを上昇させることが示唆されており(Endocr J 2000; 47: 763-770 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/11228051),これがシタグリプチンで低下するということは,シタグリプチンは膵臓の過剰な負担を軽減していることを意味するであろう。 ■DPP-4によって切断されなくなる物質がインクレチン以外にも存在することを考えると予想外の副作用が生じる可能性はある。 JAMA (2007; 298: 194-206 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/17622601)での総説によれば,DPP-4阻害薬によってHbA1Cは0.7%低下するが,鼻咽頭および尿路の感染症や頭痛が増加するらしい。 ttp://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/doctoreye/dr091009.html 出典 MT pro 2009.10.29 版権 メディカル・トリビューン社 <番外編> 厚労省 インフルエンザ関連サイト 新型インフルエンザワクチン実施要領と実施要綱: http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/inful_list.html 厚生労働省HP 新型インフルエンザに関する情報>「医療従事者の方々へ」: http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/info_medical.html 新型インフルエンザに関する報道発表資料 http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/houdou.html <きょうの一曲> Chet Baker - Time After Time http://www.youtube.com/watch?v=-o8Be7KG2r4&feature=related
by wellfrog4
| 2009-11-07 00:23
| 糖尿病
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